第二十五話
一時間ほど歩くと小さな洞窟が見えてきた。
「あれだな。さっさと行くぞ」
「はい!」
二人は洞窟の中へと入っていった。
中は薄暗く、狭い道が続いていた。
「けっこう暗いな」
「そうですね、あ。松明ありますよ」
そう言うとレイナは火をおこし、松明につけた。
「さぁ!行きましょう!」
「あー、めんどくせぇなー」
シグルドは頭の後ろで手を組だるそうに歩いた。
「...シグルドさん、もう少し元気よく行きましょうよ」
レイナも少しあきれぎみに歩き始めた。
「てか、魔物の気配ないんだが」
「え?そうなんですか?」
気配を感じることのできないレイナは言った。
「...気配探知くらいできた方がいいぞ。コツを掴めば寝たままできる」
「...多分そのレベルはむりかと...」
「あ、分かれ道。どうする?」
シグルドたちは二つの分かれ道まで来ていた。
「本当ですね...どうしましょう...」
悩むレイナの横でシグルドは地面に膝をつき、右手を広げ地面にそっとおいた。
そしてシグルドの手から魔力が溢れ、地面に流れた。
「あ、あの~シグルドさん?一体何を..?」
「少し黙れ」
「は、はい」
十分ほど経ってからシグルドは立ち上がった。
「レイナ、こっちだ」
シグルドは右を指差した。
「わかったんですね!すごいです!」
シグルドは軽く笑って
「よし、行こう♪」
レイナはシグルドの謎の笑みに気づかなかった。
(シグルドさん、元気になってよかった)
レイナはこの時のことを後悔することになった。
三十分ほど歩くと少し広い空間に出た。
「お、この辺だな」
「ここに杖が...」
「は?ここに杖はないぞ」
「え?」
レイナはシグルドの言葉が理解できなかった。
「杖はさっきの分かれ道を左だったぞ」
「えぇーー!!」
「全く、ここに来た目的を忘れたのか?」
「杖を取りにきたんです!!」
「あれ?そうだっけ?」
とぼけるシグルド。
「ここの魔物に会いに来たんだろ?」
「だれが望んでそんなこと...あ、シグルドさんはそういう人だった...」
「さぁ!こいよ!」
シグルドが叫ぶと奥から一つの影が出てきた。
蜥蜴の容姿で二本足をでたっている。
2mを越える体長でかなりの筋肉質である。
右手には剣を、左手には盾をもっている。
胴には鉄製の鎧を着ている。
「ほぅ。竜戦士ね」
「あ、あれが...竜戦士...」
レイナは少しずつ後ずさる。
「レイナ、そこ動くなよ。心配するな。すぐ終わる」
そう言うとシグルドは刀を抜いた。
「『転移門』」
シグルドは竜戦士の後ろに転移した。
しかし、竜戦士はすぐに反応し、炎の息を吐いた。
「おっと、あぶねぇな」
そう言いながらも余裕でかわすシグルド。
シグルドはそのまま踏み込み、竜戦士に突っ込んだ。
シグルドは鞘に刀を戻して居合いの構えをとった。
竜戦士は危険を察知し、防御の構えをとった。
「硬そうな体だな、でもそんなこと知らん!」
シグルドは居合い斬りをはなった。
居合い斬りは盾を切断しそのまま左腕を斬り飛ばした。
「なーんだ、この程度で斬れるのか。ならいらねぇや」
竜戦士は炎の息を吐き反撃を試みた。
シグルドは余裕でかわし、その勢いのまま竜戦士の首を斬った。
「あーあ、期待以下だった」
シグルドは刀を鞘に戻した。
首を失った竜戦士は崩れ落ちた。
「...すごすぎです...」
「このくらいならお前にもやってもらう予定だぞ?」
「無理です!」
「そうか?まぁいいや。いくぞ」
「は、はい!」
二人は歩き始めた。
二人が出た数分後、首を失った竜戦士は起き上がった。




