第二十話
夜が明け、シグルドは目覚めた。
そして外に出て刀の手入れをした。
「.....なあ村長さんよ、あんたら魔族だろ?」
シグルドは手入れをしながら言った。
すると家から村長がでてきてシグルドの元にきた。
「一体どういうことでしょう」
「まずな、石化魔法のことだ」
「それがなにか?」
村長はゆっくりと目を閉じた。
「石化魔法はな、人間は使えないんだわ」
村長はゆっくりと目を開け
「......知っていたのですね」
その瞳は怪しく光っている。
「俺はあいつにも言ったんだがな。人の気配がしない、って。気配が人じゃなかったか、少しおかしかったからわからなかったんだが、起きて気づいた」
シグルドは村長の方をみて
「お前らが魔族だってな」
村長は頷いた。
「よく、わかりましたね。普通の旅人は気づかずに出ていくというのに」
「気づくぞ、普通。あきらかに気配が違うからな」
「私たちも、まだまだということですね。で、我々をどこかにつきだすのですか?魔族の生き残りとして」
かつて、人間と魔族は対立し、戦争を行った。
結果は、人間の勝利。魔族は滅ぼされた。そう語り継がれていた。
「そんなことしねぇよ。めんどくせぇ」
ぶっきらぼうに言い、シグルドは立ち上がった。
そのまま家に入ろうとした
「シグルドさん、最後に一つだけいいですか?
「なんだ?」
シグルドは振り返り聞いた。
「シグルドさん、あなたは何者ですか?」
「普通の人間。旅人だ」
「私は魔力の流れを見ることができるのですが、あなたは見えない。真っ暗なんですよ」
「たぶんそれはな、俺が強すぎるからだ」
「...自分で言うとはすごいですね」
苦笑する村長。
「その類いの能力はな、自分との強さが離れすぎると意味をなさない。覚えておけ」
そう言い残してシグルド家に入っていった。
二時間後
「さぁ!行きますよ!」
レイナも起きてきて元気よく言う。
「遅い。寝すぎだぞ」
「す、すみません...」
しょんぼりとするレイナ。
「あと腹だして寝るな」
「はい...、ってだしてませんよ!」
いきおいよくつっこむレイナ。
「そんだけ元気からいいな。行くぞ」
シグルドは足早に村を出ようとする。
「あ、待ってください」
レイナも後を追うように走る。
町の出口には村長が立っていた。
「シグルドさん。信じてもよろしいのですね?」
そう聞いてくる村長にシグルドは
「俺はめんどくさいのは嫌いなんだ」
そう答えただけだった。
「??、シグルドさん、どういうことですか?」
「お前は知らなくていいことだ」
「わかりました...」
「では、最後に一つだけお教えします」
そう言うと村長は指を一本立てた。
「この先にはルディアという村があります。その村の南東5kmほど先に洞窟があります。その洞窟の奥には一人を二人に分けることができる杖があります。どうか使ってください」
「本当ですか!?」
レイナは村長にせめよった。
「はい。ですがその洞窟に強力な魔物がすんでいるらしいのでお気をつけ下さい」
「わかりました!シグルドさん行きましょう!」
「ちょっ、待て、もう少しゆっくり行くぞ」
シグルドはレイナに掴まれ町をでていった。
「...シグルドさん、変わった方でしたね」




