第十九話
「私、二重人格らしいです」
レイナは重い口を開いた。
「気分が高ぶると出てくるんです。その時に魔法を使ってるみたいなのですがら今の状態でも使えるようにしたいんです」
「そうですか...」
しばらく無言が続き
「たしか、どこかに二重人格の人を二人に分けることができる洞窟があると文献でみましたよ」
「本当ですか!?」
「えぇ、どこにあるかは知りませんが」
レイナの顔に笑顔がもどり
「その情報だけでも十分です!ありがとうございます!」
レイナは深々と頭を下げた。
「いえいえ。では、私はこれで」
村長はその場から去って要った。
「これで.....ようやく...!」
思わず笑みがこぼれるレイナ。
「後は、シグルドさんが起きるのを待つだけ...」
レイナは、青く広がる空を見上げた。
シグルドは予告した通り寝はじめてから丁度3日後に起きた。
「ふわ~。久々によう寝たな」
シグルドが起きたのは夜だった。
「あ、起きられたんですね」
シグルドの声が聞こえたようで、レイナが部屋に入ってきた。
「シグルドさんが起きると言っていたので宴をしてくれるそうですよ」
「は?なんで?」
レイナの言葉をシグルドは理解できなかった。
「なんで、って、シグルドさんにお礼をしたいからですよ」
「あー、そんなことか。じゃあ行くか。腹へった」
そう言うとシグルドは起き上がり、のそのそと、出ていった。
「あ、待ってください!」
レイナもあとを追いかけるように出ていった。
二人が村の広場みたいな場所につくとそこには村人全員がいた。
「おー!旅の方!起きられましたか!こちらにどうぞ」
村長がシグルドに手招きをする。
「お、こりゃすごいな」
そこには大きな机があり、ところせましと料理がおかれていた。
「この度はまことにありがとうございました」
深々と頭を下げる村長。
「ん、たいしたことじゃない。あの魔法を使ったやつはただのザコだったからよかったが、強かったら出来なかったしな。お前らは運がよかった方だ」
シグルドは料理たがっつきながら言う。
「そうですね」
「で、一つだけききたいんだが、いいか?」
「どうぞ」
シグルドは料理を食べる手を止めて
「あの魔法を使ったやつに心当たりはあるか?」
シグルドは真剣な目つきで聞いた。
「.....恐らく私の息子かと」
「ほう。それはまためんどそうだな」
シグルドはまた料理を食べ始めた。
「ここ最近様子がおかしかったんです。そして息子の魔法は石化魔法でした」
淡々と語る村長の話を、食べながから聞くシグルド。
レイナはというと、子供たちと楽しそうに話している。
「息子は気がつくといなくなりました。仲間がいたようでそこにいったようです」
「最近変わったか...」
シグルドはその息子とロイを重ねていた。
「俺達は明日この村を出る」
「そうですか...、もう少しゆっくりはできないんですね」
「ああ、俺達には俺達の旅がある。今はそっちが優先だ」
「...わかりました。今日は沢山食べてください!」
「おう!」
シグルドは料理をすごいスピードで食べていった。




