第十一話
うーむ、思うように伸びないものですね
『転移門肆式』は、相手が使った転移系の魔法で行った場所にいく魔法。
普通の『転移門』と違うところは、自分がその場に行ってなくても行けるということ。
「到着、っと。どこだ?ここ」
そこは、森の中だった。
「こんなとこになにしにきてんだか」
少し歩いて行くと館が見えてきた。
「うわ~、めちゃくちゃ怪しいな。あれで違ったら驚きだぞ」
そんなことをボヤキながらシグルドは館に入った。
「.....と、いうことなんです」
ロイはエグバードに報告していた。
「ふむ、シグルドくんの魔法はかなり便利だな。でもなぜ君は行かなかったのかね?そういうことなら、仕事なぞ明日でもよかったのだが」
「それはですね....」
「言いたくないのだな?」
ロイが躊躇しているのに気づき、エグバードは言う。
「なにか特別な理由があるのだろう。そういうことなら、別にかまわない」
「...ありがとうございます」
「よし、今から詳しい仕事内容について説明するが、大丈夫か?」
「はい、お願いします」
「では、説明するぞ」
エグバードはロイに説明を始めた。
「おーい、誰かいるかー」
館に入ったシグルドは声をあげる。
「ったく、なんで誰もこねーんだよ」
そんなことをボヤキながら進むシグルド。
「誰だ?」
シグルドは振り返り言った。
そこはさっきまで誰もいなかった空間。そこに一人の男が立っていた。
「誰だ?、と言われてもな。ここは俺の館だからかここにいるだけだが?」
「そりゃそうか、お前か?城に忍びこんで逃げたのは
」
「うーん、半分正解で半分不正解ってとこだな」
「というと?」
なんとなく分かっているシグルドだが目の前の男に一応聞いた。
「いやー、さ、適当に転移したらあそこにでてよ。だからそこに縛られたアホどもを殺して戻った。それだけだ」
「一つだけ聞きたい、お前はあいつらの仲間だったのか?」
殺気をこめながら言う。
「そうだが?なにか問題でも?一度あいつらを城の近くまで飛ばしたあと少ししてから合流した、っていうのが本当の答えだがな」
「そうか、なら俺はお前を殺さなくてはいけんな」
「...そうか、なら場所を変えないか?館を壊したくないんだ」
「わかった、『転移門』」
シグルドは静かに魔法を使った。
転移した先は以前、一つ目巨人と戦った場所の近くだった。
「ここならいいだろ?」
「おう、早速はじめますか」
そういうと男はボキボキと指を鳴らし、拳を構えた。
「武器はないのか?」
「あぁ、アホどもを殺したときは近くの剣を使っただけだ。男は黙って拳だろ?」
そうたずねる男にシグルドは
「まぁ、わからんでもないな。仕方ない、お前に合わせてやるよ」
そう言うとシグルドは、刀を腰からはずし、『転移門』で城にとばした。
「いいのか?俺に合わせなくてもいいんだぞ?」
「俺がそうしたいだけだ。気にするな」
「そうか」
シグルドも拳を構え
「そういや名前を聞いてなかったな。俺はシグルドだ。お前は?」
「俺の名か、俺はリオン」
「リオン、いくぞ!」
「こい!シグルド!」
二人の戦いが始まった。




