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15話:退職後、投資活動と最愛の妻、急逝

 その後、2009年4月に清水の奥さんの清水鞠子さんが、体調が悪いと入院したすると膵臓がんが発見された。そして、他の部位に転移してないかどうか、慎重に検査することになり3週間の入院で、精密検査を受けた。


 すると肝臓に転移が見られ余命3ヶ月、長くても半年と宣告された。これを聞いた、清水薫は、その場にへたり込んだ。


「そんな馬鹿な!なんで、だよ!」 

「俺を残して、先に逝っては、駄目だと、大声で叫んだ」

「鞠子さんは、仕方ないわ、神様が、お決めになった事だろうからと泣いた」


 それから、清水は、毎日のように、自転車に乗って、横浜市立北部病院に通り、鞠子さんのそばについた。5月の端午の節句が過ぎ、毎日点滴注射をして注射の後が生々しい腕を見て、苦労ばかりかけて申し訳ないとわびた。


やがて、梅雨に入り、雨の日も、カッパを着て、毎日のように、見舞いに来る夫を見て、鞠子は、こんなに、愛されて幸せだったわと泣いた。体を壊すまで家族のために一生懸命に働いてくれて、ありがとうと清水薫に告げた。


この話を聞いてた看護婦さんまで素晴らしい夫婦ですねといい涙ぐんだ。やがて梅雨が明けた7月7日、七夕の日、入院してる鞠子さんは、いつになく元気で顔色も良かった。見舞いに行った清水が、今日は、七夕で、何か書いた短冊をつけた小さな笹のついた竹を花瓶に入れて持ってきた。


 そして、七夕の話をし始めた。七夕の夜、おりひめとひこぼしは待ちに待った「再会」の願いが叶う夜だ。その後、清水が、僕の願い、君が、ガンを克服して、現世で、再び、幸せに暮らしていけますようにと言った。


 そして、たんざくに色々な願い事を書いて、笹や竹の葉に飾ってあった。これを見た、鞠子は、たまらず、号泣した。そんなに愛してくれたなんて、私、本当に幸せだったわ。それを聞いて、清水も、もらい泣きした。


 でもね、私が、もし死んでも、あなたのような心の優しい人は、きっと、助けてくれる人が現れますよ、と言ってくれた。私は、あなたの面倒を見れなくなるのが一番、残念で、悔しいと泣きながら、訴えた。


 そして、看護婦さんが処置のために、入室して来て、その話を聞いていると、うらやましい夫婦ですねと涙を浮かべて言ってくれた。なんだか、興奮させちゃって、ごめんと言い、また来るからと言い、清水は、病室を出て、自宅に帰った。


 翌日の早朝、4時過ぎ、奥さんが危篤ですと、病院から電話が入り、清水は、急いで、自転車を飛ばして10分ほどで病院に着いた。すぐに、彼女の病室に入ると、虫の息の鞠子さんが、清水を枕元に呼んで、本当に幸せだったわ、ありがとうと言い意識を失った。


 その後15分程、過ぎた頃、先生が来て鞠子さんの様子を確認して、ご臨終ですと告げた。この事態に、呆然実質となって清水は、しばらく椅子に座り込んで、立ち上がれなくなった。窓を見ると空が白々明けて、あかね色に染まった。


 この頃、子供達が、来て、母の遺骸を見て呆然としていた。臨終の日時は、2009年7月8日、午前4時10分であった。葬儀は、家族葬として7月13日、横浜北部斎場で、質素に執り行った。そして都筑区のお寺に埋葬してもらった。


 墓まりに行った時、清水は、思えば、あっけない死だったと思い起こした。この頃、長男の清水敦夫は、同じ会社の姫野聡子さんとつきあいっていて、近いうちに結婚を考えていると、父に告げた。また、長女の清水百合も同じ職場の松田健介さんと、最近おつきあいを始めたと教えてくれた。


 そうして2009年、鞠子さんの死という、悲しい年が、過ぎていき、2010年を迎えた。清水薫は、2年前に、最愛の妻、鞠子を亡くし悲嘆の日々を過ごし、やがて、1年がたち2年を過ぎると少しずつ、通常の生活になってきた。

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