呼ばれすぎ問題
ここからギャグが続きますので飛ばしたい方は載せられるまでお待ちしていただけたら…
一方、歪んだ世界の路地裏では安全そうな場所に身を落ち着け、四人は小休止を取っていた。
その中で昴琉だけが妙に静かだった。
紗夜「…どうしたの」
昴琉「え?」
恋冬「昴琉さん、さっきから静かだけど……」
添霧「どしたん話聞こか?」
問いかけられて昴琉は少し言葉を選ぶように視線を逸らす。
昴琉「いやなんか…さっきから誰かに名前呼ばれてる気がして」
紗夜「気のせいでしょ」
昴琉「軽くないですか!?」
添霧は空を見上げながら、軽い調子で続けた。
添霧「でもこの世界って普通じゃないしさ、名前呼ばれるくらいの幻聴があってもおかしくないんじゃない?」
昴琉「いや、あっていいものと悪いものがありますよねそれ!?」
恋冬「…でも」
恋冬は少し不安そうに昴を見る。
恋冬「悪い感じはしないよね、?」
昴琉「それはそうなんですけど……」
昴琉は眉をひそめる。
昴琉「殺気とか敵意とかはないんですよ、むしろ…心配されてるような感じで」
添霧「それ、逆にちょっと怖くない?」
昴琉「怖いんですよそこが!!」
紗夜「……」
紗夜は少しだけ考えてから淡々と言った。
紗夜「心配されてるだけじゃない」
昴琉「誰にですか」
紗夜「知らないけど」
昴琉「雑ですよねやっぱり!?」
軽いやり取りの中で昴琉の表情だけは少しずつ真剣さを増していく。
昴琉「…でも今、確実に昴琉って呼ばれました」
恋冬「え……」
紗夜「空耳じゃなくて?」
昴琉「空耳ならどれだけ楽かって話です…」
昴琉は遠くを見るような目で続けた。
昴琉「無理するなとかちゃんと休めとか会いたいとか……」
添霧「…それ、かなり具体的だね」
昴琉「でしょう!?逆に怖いんですよ」
恋冬はその様子に、少しだけ柔らかく微笑んだ。
恋冬「…なんだか、お父さんみたい」
昴琉「……」
昴琉は固まる。
昴琉「それは…やめてください」
紗夜「当たり?」
昴琉「当たりです」
即答だった。
添霧「やっぱりね」
添霧は納得したように頷く。
添霧「それ、多分かなり心配してるタイプだよ」
昴琉「…否定できないです」
昴琉は短く息を吐いた。
昴琉「父は、会えないと想像だけで最悪の想定する人なので」
紗夜「面倒そう」
昴琉「面倒ですね……」
恋冬「でもそれだけ大事にされてるってことだよね」
昴琉「……」
一瞬だけ言葉に詰まり、それから小さく頷く。
昴琉「……まぁ…そうですね」
その瞬間だった。
_ゴゴゴ、とほんのわずかに地面が揺れる。
昴琉「…今の」
添霧「え、なに?」
紗夜「……」
紗夜は冷静に一言。
紗夜「名前呼ばれすぎなんじゃない」
昴琉「だから気のせいじゃないって言ってるじゃないですか!!」
恋冬「えっ……」
恋冬は少し怯えながらも、ぽつりと呟く。
恋冬「…お父さん、来たりしないよね?」
昴琉「……」
一瞬の沈黙。
昴琉「来たら……」
添霧「来たら?」
昴琉「全力で逃げます」
添霧「即答!?」
紗夜「正解」
恋冬「えっ」
昴琉は空を見上げ
昴琉「父さん…俺は大丈夫ですから……」
その頃遠くでは、くしゃみを連発する父親がいた
……が、それを知る者は誰もいなかった。
シリアスとネタをまぜまぜ書いていきたい今日この頃
今手元にあるのはここくらいですが時間はそれなりにあるので頑張ります




