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ファンタジーハンター  作者: Who
歴史を回す者
30/49

その4

「よっしゃ、じゃあ行こうかね!!」


武人、いや折山さんと、渡辺さんの準備が整い、俺たちは扉の前に集まった。

この目の前の大扉を開ければ、もうそこは戦場に近い状態になっているだろう。


「準備は大丈夫そうですか?」

「あ、はい」


言われて、改めて装備を確認する。といっても、俺の装備は前回から大きく変わってはいない。

例のナイフが数本と、替のカートリッジにスタンガン。

前回はロープからの電流で足止めしたが、今回はそれができない。そのため、ナイフで物質を送り込んだ後は、スタンガンを浴びせる戦法で行くことになった。


「基本的に戦うのは俺たちが『めいん』だからな」

「戦術としては、まず俺が奴らの目潰しを行います。そこに須野さんの足止め、止めは折山さん、というのが基本戦術になります」


大丈夫、そのことは頭にたたき込んだ。特に難しくもないはずだ。


「じゃあ改めて。行くぜ!!」


言って、折山さんが扉を押し開く。それと同時に、俺たちは外へと駆け出した。



ーーー



「静也、目を頼んだ!」

「了解です!!」


折山さんと渡辺さんの連携は、正直言ってかなりすごい。俺たちとは違い戦うことに慣れているのか、動きに全然迷いがなく、あっという間にドラゴンどもが倒れ伏していく。

今もまた出会い頭に、ドラゴンの目が渡辺さんによって潰される。


「よし、次頼みました、須野さん!!」

「っ!」


返事もできないまま、俺はドラゴンに食らいついた。そこまでしないと二人にはついていけない。

それでも、決定的な事まではできないのだから、悔しい限りだ。


「いいぞ、その調子だ!!」


折山さんの声が少し遠くに感じる。

違う、全然いい調子じゃない。

足はまだ重いし、腕も頭も、うまく働いていない。それでも、なんとかナイフを突き立ててスイッチを押し込んでいく。

ぷし、と音を聞くか聞かないかの内に、今度はスタンガンを当てスイッチを押し込む。

バヂっ! と今度は少しばかり派手な音が鳴る。ドラゴンの足が鈍った。あとはーー


「後は、任せろ!!」


器用に体を駆け上がっていく。そうして、一息に頭の上にたどり着くと、二刀を突き込んだ。

ずちゃっ! 

肉を引きちぎったような音ともに、一本が頭を貫通し、口内からはその刃が見え隠れする。

そうしてもう一本からは。ぷし、と聞き慣れた音。


「っと。こんなものか」

「お疲れ様です」


ズダン!!


そんな音を鳴らしながら、ドラゴンの頭が地面に着く。

その横に、降り立った折山さんに、渡辺さんが走り寄る。そんなふうに、俺たちは奴らを撃退していった。


「しかし、ようやくこのあたりも静かになってきたな」

「そうですね。ただ……」

「ああ。静かすぎる」


言って周りを見渡す折山さん。それに合わせるように俺も周りを見渡してみるが、怪しいものはもちろん、動く影すらも発見できない。

精々が瓦礫と、それが形作る影が見えるぐらいだ。


「気にしすぎか…?」

「どうでしょう」


折山さんの言葉に、肩をすくめて渡辺さんが返す。


「ナツメさん、そちらからはどうですか?」

『ああ、こちらからも反応は消えている。が、一部に電波の障害があるみたいでな。済まないがもう少し当たりの警戒を頼みたい』


どうやら、一応片がついたらしい。

それでもまだ、警戒を解くわけにはいかないようだが…。


「了解しました。……ただ、ちょうどいいタイミングです。ここらで一度一休憩としましょう」


そうしてそのまま、腰のポーチから、何やら缶を取り出した。


「非常用の物ですが…ないよりはマシでしょう。こちら、水です」

「ありがとう、ございます」


受け取って、開ける。ぺきょ、と独特の音を立てて開いたそれに、早速口をつけた。


「おや、そんなに喉が乾いていましたか?」


口をつけてからようやく、喉が乾いているのを自覚する。渡辺さんの声でようやく気がついたが、無意識のうちに缶の中身は半分ほどまで減ってしまっていた。


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