№4新たに決意
動きだす。
市民会館の一室で、碧、静、綺羅々はいつものように練習を続けていた。
ドタドタバタンっ!
環はずぶ濡れのまま、3人を睨みつける。
「・・・どうして・・・どうして」
突然の彼女の来訪に、みんなはほっとした表情をみせ笑顔を見せる。
「よかった・・・環、お前ずぶ濡れ・・・」
碧は環にタオルを差し出そうとしたが、彼女はそれをはねのける。
「なんで・・・なんで」
目に涙を浮かべて、くしゃくしゃの表情の環に、
「環さん」と綺羅々。
「落ち着いて」と静。
「これが落ち着いてなんかすられないわ!なんでみんな勝手にやめるなんて決めたのよっ!」
シーンとするその場。
碧がぽりぽりと頬を人差し指でかく。
「ああ、その件な・・・」
彼はそう言い、
「保留だよ」
と苦笑いしてみせた。
「へ」
環の肩の力が抜け、その場にへなへなと座り込む。
「どうするかの判断はみんなで決めようって」
静は彼女の髪にタオルをあて拭く。
「私たちじゃ決められませんからね」
綺羅々は水筒から熱い紅茶をカップに注ぎ手渡した。
「・・・みんな」
ぐすっぐすっと泣き続ける環をしばらく見守り続ける3人。
「環はどうしたい?」
碧は口を開く。
「私はやりたい!続けたい」
「だろうと思った」
即答に綺羅々は笑う。
「だけどな」と碧。
「たまちゃんの体調が心配なの」静は言う。
「うん」
自覚のある環はゆっくりと頷く。
「そこでだ」
碧はゆっくりと自分の考えを喋りはじめた。
「ちぇんじまいらいふの活動は今月までにするでどうだろう?環は大事な家族に迷惑かけられないだろ。それに綺羅々さんは本職がある。俺と白石だって今は休学しているけど学業もあるし。なにより普通の生活に戻るのは悪くないと思うんだ」
「・・・・・・」
環たちはじっと聞いている。
ずっと身近で彼女たちを見守り続けたマネージャーの言葉は重い。
「だけど、ただフェードアウトするんじゃないぞ。ちぇんじまいらいふ伝説を作るんだ」
「伝説?」
「そう、ご当地アイドルからたった半年で日本いや世界中を熱狂させ解散するんだ」
「それは・・・」
「凄いだろ。これこそ、ちぇんじまいらいふだ」
「ちぇんじまいらいふ」
3人はその名を噛みしめる。
「どうだ」
「それはいいね」
静は賛同する。
「楽しそうです」
綺羅々し頷いた。
「うん、やりたい。全力で」
泣き顔から笑顔に戻った環は立ち上がり拳を固める。
「決まりだ」
碧は大きく頷いた。
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