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[第2話]土魔法術師、美少女のゴーレムを生成する。

 パーティーを追放されて、俺は街を出ることにした。

 今後、追放されたパーティーと顔を合わすのは気まずいからな。

 とりあえず、ここから東にある王国最東端の辺境の街、エスタトンに向かうとしよう。


「っと、その前に……。土魔法《生成(ジェネレーション)泥人形(オートマトン)》!」


 俺は地面に手をかざし、呪文を唱えた。

 すると、あたりから土が集まってきて……。

 見る見るうちに、土くれはメイド服に身を包んだ美少女の形になって、生気がともった。


「ご主人さまぁ〜。寂しかったですよぉ〜」

「いきなり抱きつくなよ、ターリス。ったく、たったの昨日ぶりだろう」

「それでも寂しいものは寂しいんですぅ〜」


 このやけにスキンシップが激しい少女はターリス。

 俺の土魔法で生成したゴーレムだ。

 腰まである長いストレートヘアー。髪の色は俺と同じ黒。

 150cmしかない身長とは裏腹に、出るところはしっかり出ている。

 作った俺が言うのもなんだが、10人中10人が認める美少女だと思う。


 ターリスは俺の創造物ではあるが、『代償』と引き換えに力を借りる『使い魔』として契約している。

 ちなみに見た目は小柄な彼女だが、素材が土であるせいでかなり重い。

 街や建物に入ると道路や床が破壊されるため、フィールド以外では消えてもらっている。

 そのせいで街を出て再生成するたびに『代償』を要求されるのだが……。


「ご主人さまぁ〜。いつもの……、代償を、さぁ、お願いしますぅ〜」

「ああ、わかってる……」


 上目使いで目を潤ませるターリス。

 俺は彼女の体を抱き寄せると、その唇にキスをした。


 チュッ――。


「はぅわぁ〜、ご主人さまぁ〜。えへへ」


 やれやれ、毎回これを求められるんだから困ったものだ。


「ところで、ご主人さまぁ? 今日はどうされたのですかぁ? パーティーの皆さんがお見えでないようですが……」

「ああ、そのことなんだがな。ターリス……」


 俺はターリスに今朝の出来事を話した。勇者ライに追放を宣言されたことを……。


「そんなぁ〜。追放だなんて、あり得ません! ご主人さまは誰よりもパーティーに貢献してきたのにぃ〜。ひどすぎますぅ〜」

「分かった。分かったから、離してくれ」


 俺の話を聞いたターリスは号泣しながら、俺の顔を自らの豊かな胸に押し付けた。

 息ができなくて苦しい半分、たわわに包まれて幸せ半分。

 とはいえ、窒息死する前に離れてもらった。


「でもでもぉ、フレアさまやクリスタさまは何とおっしゃったのですかぁ。おふたりがご主人さまの追放を認めるはずがありません!」

「俺もそう思ったんだが、ライが言うにはふたりとも承諾したらしい」

「ええぇ〜、あのおふたりに限ってそんなことはぁ……。……あ、でもライバルが勝手に減ったのは良かったかもっ」

「ん? 今、何か言ったか?」

「い、いえ! なんでもありませんよぉ〜」


 ターリスは両手で口を覆い、ウフフと作り笑いを浮かべた。


「まあ、良いけど。それでこれから東に向かおうと思うんだ。元パーティーメンバーと鉢合わせたら気まずいしな。エスタトンの街でまた冒険者として再出発しようと思う」

「はいっ。どこへでもついて行きますぅ、ご主人さまぁ〜」

「なんか軽いな」

「私はご主人さまのものですからぁ。ご主人さまといられるだけで幸せですぅ〜」


 ターリスはそう言って俺の腕に抱きつく。

 また、胸が当たってるんだよなあ。


「冒険者として再出発はよろしいのですがぁ、ご主人さまぁ? 当面のお金はどうしましょう。冒険者ギルドで再登録するにもお金がかかりますし、低ランククエストでは報酬も微々たるものですしぃ〜」


 勇者ライに金を奪われ無一文になった今、それが喫緊の問題だった。


「ああ、そのことなんだが俺にひとつ案がある」


 勇者パーティーにいた頃からずっと考えていたことがある。

 この世で誰も思いつかない俺だけのアイデア……。


「そ、それはぁ〜?」

「それはな……」

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

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