ガルバニアの夜明けーー紅き反乱軍ーーその13
これまでのあらすじ
前線に行った太一だが、序盤はあまり苦戦しなかった。
しかし、途中から政府軍の魔導師の隊長が現れてこちらに襲い掛かってきたが、相性が悪くあっという間に部下と共に術で消滅させられた。
ーー戦闘開始から5時間が経過した。
両者魔導師を投入し、本格的な戦いはと傾倒していき消耗戦が始まった。
戦況は若干革命軍が有利だが、いつでもひっくり返る状態になっている。
「生存者は今、どれくらいだ?」
「中央軍は3分の2、左翼軍は消耗が多く四割ほど、右翼は2割ぐらいです」
「そうか、右翼から左翼に1割ほど分けてやってくれ。あとなるべく正面からじゃなく数を揃えて当たってくれ、人的資源は貴重だからな」
「了解しました隊長」
俺達はひと段落した戦場で休憩を取っていた。政府軍が魔導師を投入し、敵味方魔法が入り乱れる大混戦に発展して被害が大きくなってしまっていた。
しかし、相手にもそれは言える事で。
「政府軍の人数はどの位か?」
「中央軍ならもう二万もいないんじゃ無いですか。このまま行けば五万が辿り着く前に攻め切れますよ」
「そうか…取り敢えず日が落ちるまでにゼフィーが後方に回れるかが鍵だな」
そう返答した後に再び軍編成を行い、戦場へと突撃していった。
「チッ、この弾幕はヤバイな」
政府軍の魔導師が隊伍を組んで銃の射程外から魔法を連射しているので、歩兵や騎兵達が次々と巻き込まれていっている。
「おい!早く下がりな、巻き込まれたら死ぬぜ!」
俺は歩兵を下げさせた後に弾幕の矢面に立ち《両儀煉神還虚陣》を使い全弾吸収した。
「お返しだ、ほら持ってけ」
吸収した魔力を気に変えて《両儀煉神還虚陣》の範囲を広げて片っ端から魔導師を飲み込んでいった。
「ふう、これでこの方面の戦況はこっちのものか。さて、隊長を倒しに行くか」
一通りの魔導師を狩り終わったので、大物を狩りに行くために大隊から離れて探しにいこうとすると。
「おいおいお兄さん、こっちだよ」
右舷の方向から30歳ぐらいの男がフランベルジュで斬りつけてきた。
「へぇ、あんたいい獲物使ってんじゃん」
「お褒めに預かり光栄だよ、青二才」
互いに軽口を叩きながら剣戟の応酬となった。3分ぐらい拮抗していると、男が距離を置いて詠唱を始めた。
「俺は腐っても隊長だから第五は使えるからな、さあ食らいな!《ヴィブラシオン・コンデュイット》」
フランベルジュを地面に突き刺して何をするのかと考えていると、周りにいた隊員が次々と血を吐いて倒れていったさ。
「ありゃあ?ボクちゃんには効かないのかな?」
「貴様!何をした!」
「聞きたきゃ、俺を倒してからにしな!」
効かない事を悟った男は、剣を引っこ抜いてから再び俺に突っ込んできた。
数回斬り合う事で鍔迫り合いの感触が違う事に気付いたので、俺は確信を持って叫んでやった。
「お前の第五は振動操作だな?さっきは人体の固有振動数に合わせて振動を流し内部から破壊したんだ!」
「まあ合格だな、丸をやろう」
再び距離を取ってきて、今度は自己紹介をし始めた。
「俺は叛乱軍討伐隊第4隊長アル・ベン・シャイエブだ、宜しくな。俺は教官もしてるからお前みたいな見込みのある奴は嫌いじゃないんだよな、あんまり戦いたくないがしゃーないから手を抜いてやるから、ホレ!掛かってきな」
アルは手招きしながらこちらを見ていた。
俺はイラっとしたが、珍しいチャンスだと思い。
「それでは、お願いします教官。御指導の程よろしく」
気を身体強化に回して斬り掛かっていった。
俺はまず横薙ぎに一閃し、牽制を試みたが。アルに華麗に避けられてしまった、しかし風圧で皮膚が切れていたのでアルは驚いた表情で。
「なるほど、中々の馬鹿力だな。まともに食らったらミンチになってしまう、でもまだまだ小細工は持ってるんだろう?」
表情を変えて、今度はアルが斬り掛かってきた。
何の変哲もない突きを繰り出してきたが、振動のせいで下手に受けたらこちらが被害を食うので。術を使って魔法を打ち消しながら避けた。
「ほう?それならこれでどうだ!」
「チッ!」
振動を切り替えて周囲に拡散するように剣を振ってきた。
物々しい音が耳元でを通り過ぎ、ギョッとして俺は堪らず後ろに下がって体勢を整えた、手詰まりだったのでどの様に攻めるかを考えたが。
(やろうと思えば最大出力で斬り掛かって防ぐ間も無く殺せるんだろうけど、術の手がわかってるからやってこないだろうなぁ…取り敢えず様子見だな)
どうしようもなく、取り敢えず気を煉り切れるまで耐久戦に持ち込もうとしていると、アルはニヤニヤしながら。
「そうか、その選択が懸命だよな。
確かに待たれりゃ俺が不利になる、でも俺じゃ攻め切れないから実質負けみたいな物だな」
アルは勘弁した様に顔を振って、ポケットからある紙を出した。
「あばよ兄ちゃん、次会うならご教授つけてやるぜ」
捨て台詞を吐くと同時に紙が何枚にも分身していき、あっという間にアルの全身を包み込むと光を出して消えてしまった。
「何だったんだアイツは……」
俺は呟いた後に別の隊長を捜しに行った。
ブックマークやポイントなどの評価を糧に頑張って行くので応援宜しくお願いします。




