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師匠から習った内丹術で異世界脱出!〜旅はつらいよ〜  作者: 楊文理
第2章ーーガルバニアの夜明けーー紅き反乱軍ーー
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ガルバニアの夜明けーー紅き反乱軍ーーその⑩

これまでのあらすじ

舞踏会を利用して城内に侵入した三人、ジェーヌとゼフィーは上手くワルツを踊り城主に気に入られた。太一は内丹術についての本を手に入れ、順調だった。

ゼフィーのファインプレーで城主と同盟を結べそうになり成功を確信した三人だったが、テラスの外から炎の竜巻が見えた、これを起こした魔導師を倒すために太一はその竜巻へと向かっていった。


「なにィ!」


 俺が炎の竜巻を掻き消し、中から出て来たのは金髪の男だった。男は儀礼用のレイピアでこちらを真っ直ぐに狙って来た。


「シュパァァア!」


 空を切る音を立てて、レイピアが真横を通り抜けた。

 城の裏の森へと飛んで、距離をとり体勢を立て直して、顔を拭ってみると血が滴り落ちていた。


(ーーーーコイツは強い!)


 気を煉り上げて臨戦体勢に入っていき、身体能力を思いっきり強化してから森に入ってきた男に突撃した。


「キィィン!」


「カキィィン!」


 お互い無言で、一進一退の攻防を繰り返していると。男が距離をとって、何かの魔法を放って来た。


「チッ!」


 四方を風で囲んで来て、真ん中に炎を放とうとして来た。そのままでは風と炎で挟まれて、焼き殺された後に風で切り裂かれ。ボロ雑巾と化してしまうだろう。

 しかし、俺には術があった。


「両儀煉神還虚陣!」


 一瞬にして、風と炎は白黒の世界へと消えていき。俺の力となっていった。


 男はこちらを見て笑みを浮かべて。


「それが貴殿の術か、まだ隠している物があるだろう。見せて頂きたいな」


 レイピアを構えて高速で突撃して来た。


「くっ……」


 刀で捌き損ねて若干掠ったが。大した傷では無かったので、直ぐに治した。俺は男を睨みつけて。


「お前に見せる術は無いぞ、名も無き男」


「いや、貴殿は今すぐ術を見せなければいけない状況になる」


 男は余裕の表情で、先程とは違う魔力を纏い、何かを唱えた様に見えた。



 ーーその瞬間、俺の腹に穴が空いた。


「グハァァァァ!!!!」


 俺は吐血して、意味が分からず混乱していた。

 ーーなぜ、腹に穴が空いているんだ!

 今確かに治したいはずだ!なんで、先程受けた傷よりも大きな傷が傷の負っていた所にできているのか!


 俺は腹に出来た傷を術を使って無理矢理治した。


「陰陽煉気化神法!」


 腹の穴に撃って、傷が出来た事実そのものを消滅させた。


「なるほど、それが貴殿の切り札か」


 傷を作った元凶は、鋭い目でこちらを睨みつけながら、レイピアを構えていた。隙が微塵も無く眼光で人を殺せそうだった。


(コイツの第五の正体は一体なんだ?見えない刃とかは、探知出来るから違うだろうから。後は特殊なタイプだろうけど……)


 俺は一通り考えて、このままここで決着をつけるのではなく、一撃を決めて離脱しようとした。


(長期戦は不利、ならば狙うはレイピア…奴には手が割れている、陰陽煉気化神法は射程が短く、殺せる距離は約15メートル、両儀煉神還虚陣は、範囲は30メートルと広いが、燃費が悪く補給が無ければ、5秒しか保たない…どちらを使うべきか、勝負は一瞬。このチャンスをモノに出来るかな?)


 俺は構え直して正眼の構えになった、男はこちらの構えを見て。


「何か策を見つけたのか。だが、勝つのは俺だ」


 男はレイピアを構えて直して、カウンターを狙える構えに直した。


 両者の間に凄まじい闘気が、渦巻いて見えるような数秒が過ぎた。





 ーーーー先手を取ったのは俺だった。

 距離にして、約50メートル。双方射程ではあったが、確実に殺すなら幾分か足りない距離だった。


「どぉりゃアァァァァ!」


 俺は地面を蹴り飛ばして、気を込めて砂嵐を引き起こした。


「なにっ!」


 視界を潰されて、男は動揺した。その時間は半秒にすら満たなかったが、俺にはそれで十分だった。


「うおォォォォ!!!!」


 地面を踏みしめて、爆発的はスピードで思いっきり前へと飛んだ。


「しめたぁ!」


 距離を一気に詰め切って、俺は気合と丹田に思いっきり力を込めて気を煉り、全てを込めて。


「陰陽煉気化神法ォォ!」


 俺の全力を尽くして奴のレイピアに向かって、刀に術を込めて叩きつけた。


 ーーその瞬間、音がしない爆発が衝撃波だけで森一帯を吹き飛ばした。





「ハァハァ……」



 二度の術で気を大量に消費して肩で息をしながら、地面に手をついていた。

 あの一撃で30メートル程のクレーターが出来て、砂嵐は吹き飛んでいた。男は折れたレイピアを手にして倒れていたが。


「ふぅ…やはり慣れてない武器は使うものではないな……」


 血を吐き出しながら、立ち上がった時に悪態をつきながらレイピアを投げ捨てた。


「どうかね?ここは一旦両成敗ということで場を収めないか?」


 男が手を挙げながら提案して来た。俺もこれ以上は殺り合う気は無かったので、それに乗る事にした。


「わかった、ただ一つ聞きたい事がある。おまえの名前は何か?」


 俺は名前を聞いておきたかったので、その男に尋ねると。


「俺の名前はクリストフ、クリストフ・ド・ソヴァールだ。貴殿とはまた会う機会があるだろうな」


 男はボロボロになった礼服を翻して、立ち去っていった。

 見えなくなるまで見届けた後に、地面に倒れて思いっきり叫んだ。


「やっぱり、世界は広いなぁ!!!もっと強くならないとな!!!」


 気が済むまで叫んだ後に。俺は急いで壁を飛び越えて、本拠地まで戻った。



 この作戦のお陰で、平和的かつ協力的に都市を使わせて頂ける様になり。いよいよ、王都に攻め入れる時も時間の問題かと、思われていたが。


 ーー数日後ーー


「伝令ェェ!」


「一体何があった、私達は忙しいのだぞ!」


 首脳陣は資料を見ながら、答弁しあっていた。しかし、兵士は青褪めた顔で。


「王都から、出兵アリ!数十五万!!王立騎士団も参加しています!!」


 恐ろしい伝令を叫んだ。


「15万だとぉ!」


「あり得ない、十五万なら全兵力の半分も出兵させているのでは無いか!」


「こちらの兵力は回復したとはいえ、十万ではないか!どうすればいいのか!」


 各々が、その恐ろしい情報を聞いて騒いでいると。マクシミリアンとゲルラが一喝して。


「我々が動揺してどうする!逆にこれを勝てば、王都はより攻め込みやすくなるんだぞ!」


「悲観的では無く、希望的観測を持たずしては勝てる戦いにも勝てないのだから、戦う前から負けてしまうぞ!!!」


 共に檄を飛ばして、首脳陣全員の士気を上げると。全兵力の召集が行われ作戦会議が行われた。


 ーー遂に革命開始から5ヶ月と13日。正面衝突の会戦が今、始まろうとしていた。



これから大きな戦いが始まるので、楽しんで読んで下さい。

読者の皆さんは、もし良ければ友人などに紹介していただけると幸いです。

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