ガルバニアの夜明けーー紅き反乱軍ーーその11
これまでのあらすじ
謎の男と戦闘になった太一、その男は途中までは魔法を使い牽制をしてきたが、
正体不明の第五魔法を使いこちらに傷を負わせた。
さっさとカタをつけて離脱しようとした太一は術を使いこなし相手の武器を破壊してある程度の傷を負わせた。
相手が停戦を求めてきたのでそれを承諾し、戦いが終わった。
最後に太一が名前を聞くとその男はクリストフ・ド・ソヴァールと名乗りその場を去って行った。
カロカソンーヌとの同盟で足掛かりをつけた反乱軍は王都へと駒を進めようとしていると、ある報せが届いた。
それは王都からの出兵で、数は15万という、とんでも無い数字だった。
5ヶ月と13日、遂に正面衝突の火蓋が切られた!
「隊列を組め!敵は待ってくれないぞ!!」
「なるべく密集しろ!引きつけてから撃てよ!射程は短いんだ」
ライフルとマスケットを装備した革命軍は戦列歩兵を組んでいた。
装備は足りていたが、練度が低い志願兵はこれしか取れる戦術が無かったのである、その後ろに砲兵、騎兵などが待機していた。
三大国での戦争では魔導師は一般的に予備兵力として使われている、太一達は後方の司令部に待機していた。
背後にはカロカソンーヌがあり、政府軍はトランカヴェル辺境伯の処断も兼ねてるようだ。
「戦場は開けている平野か…もっと狭い所では戦えなかったか…」
「取り敢えず15万の内の10万しかまだ来てないのは救いですね。やはり兵糧が足りなかったのでしょう」
マクシミリアンとゲルラは司令部でこれからの戦略について話し合っていた。そこに『ヒロイン』マリーが司令部に上がり込んで来て。
「アンタ達、戦術の事は考えてるんだろうね。ここで勝てなきゃ皆殺しだ、私は前線司令官だから頼んだよ」
ライフルを抱えながら司令部に檄を飛ばして、魔導師の待機場所まできた。
準備をしていた隊長の太一と副隊長のゼフィーに、マリーは。
「アンタ達の活躍で、この戦いはどっちかに転ぶんだ、どうか頼んだよ!」
緊張していた俺達に檄を飛ばしてくれた。
「はっ、はい!わかりました!」
「了解!勝利を掴みますよ、マリーさん」
俺達の士気は最高潮に高まった。
ーー開戦直前ーー
「俺達はまけねぇぞ!!!」
「糞貴族どもをぶっ潰せ!」
「自由を勝ち取るんだ」
開戦が秒読みになり、士気は最高潮の時を迎えた。
そして遂に火蓋が切られそうになっていた。
「後、40、30、20、10。撃てェェ!」
戦場に火薬の炸裂する音が響き、戦闘が始まった。
開戦から1時間は地獄絵図の状況だった。
「ギャァァァ!ふざけるなぁ俺の目がァァァァ!」
「オェェェェェ!!!腹を撃たれた!誰か医療魔法を!」
「俺はもうダメだ……母に伝えておいてくれ…愛していたと…」
「おい!しっかりしろ!おい!」
こちらは志願兵で相手は訓練されている軍隊。練度が違いすぎて命中率が全然違い過ぎてこちらの兵士がどんどん減っていっていた。
ーー開戦から3時間が経過した。
「こちらは2割削られてしまった、相手はどの位残ってる?」
「やっとで1万ってとこじゃないですか?士気はまだ高いですけどいずれはやばいでしょう」
マクシミリアンとゲルラが話し合っていると、参謀長が話を持ちかけてきた。
「魔導師部隊を二つに割って前と後ろで挟み込んだみてはどうでしょう。この軍が政府軍よりも優っている所は魔導師の数だけです、それを活かさずして勝てる見込みは無いでしょう」
参謀長は決意を込めた目で説明したが、二人の司令は。
「今投入すべきなのかはわからない。もう少し待ってみてはどうかね?」
「予備兵力を使い切るにはまだ早過ぎる気がする」
首を振ってきたが、参謀長は引き下がらずに。
「今状況を打開できなければ、時間は無いんです!このままではあっという間に士気が低下して戦線が崩壊します!今!今投入すれば士気を回復され攻勢をかける事も出来るようになる!!」
机を叩きながら叫んで、説得をすると。二人は引き下がり。
「君の熱意には負けたよ、わかった投入する事にしよう」
「おい!タイチとゼフィーを呼んでこい、緊急の命令だと伝えてな!」
数分後に太一とゼフィーは司令部に入った。
「君達に命令を与える。君達の連隊を2大隊に分けて、一つは前線に参加して戦線を押し上げて欲しい、もう一つは敵軍の裏に回り込んで背を撃って前に行くようにに誘導してくれ。成功すれば挟み込める上に士気が落ちてこれからの戦闘を有利に動かす事ができる」
俺とゼフィーは命令を受けて話し合う事にした。
「俺はどっちでもいいが、どうする?お前が隊長だから決めるのはお前だ」
「わかった、俺が前線に参加するから。お前は背後に回れ」
「わかった、武運を祈るぞ。隊長」
「俺も祈っておくぞ、作戦の無事を」
俺達は、近接が得意な奴と遠距離を得意とする奴を半分に分けて大隊に分けた。
俺は大隊のメンバーを集めて、ちょっとした演説をした。
「すまんが俺の話を聞いてくれ、俺達は死にに行くために戦うんじゃない、この先の未来を掴み取るために戦うんだ。皆にも愛する人や子供がいるだろう、その人達のために俺達が未来を作るために戦うんだ。俺にも大切な人がいる。どうか皆もこの若輩者の隊長に力を貸してくれ」
俺は恥ずかしながら演説をすると、大隊の皆が拍手をしてくれた。
(シャーロットに帰ったら会いたいな)
出発する直前、シャーロットの事を考え、再びあの笑顔が見える事を祈り、俺は号令を掛けた。
「野郎ども、出発するぞォォ!」
こうして、連隊3000人が二手に分かれて作戦を開始した。
頑張って行くので応援宜しくお願いします。




