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師匠から習った内丹術で異世界脱出!〜旅はつらいよ〜  作者: 楊文理
第2章ーーガルバニアの夜明けーー紅き反乱軍ーー
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ガルバニアの夜明けーー紅き反乱軍ーーその⑧

これまでのあらすじ

最初の作戦から三ヶ月後、各地で革命軍が増えて、革命連合軍となり兵力が増えたが、城塞都市の攻略が進まず停滞状態へと陥っていた。

更に政府軍の叛乱軍討伐隊総司令官が、一大攻勢をかけると降伏勧告を求めてきた。しかし、のちの政治家となる女が啖呵を切ってそれを否定した。

それを受けて攻勢が始まり、全兵力の3分の2が失われた時。ある作戦を行う動きは始まっていた。それは途方も無く不可能に近い内容であった。

 その作戦を一言で言い表すのならば、無謀という言葉がこれ程似合う物は無い。

ーーある高名な歴史家ーー


 革命連合軍の総兵力が五万を切り始めていた頃に、ある作戦が会議に上がっていた。それは、無謀と呼ばれても仕方がないくらいの途方も無い作戦だった。


 ーーカロカソンーヌーー

 その都市は、総人口15万人、一周3キロ、高さ25メートルの壁に覆われていて。監視塔は55棟、砲門は数百門はあり、ガルバニアでは2番目の魔導兵の多さを誇る城塞都市である。

 そこを陥して王都を直接陥とす、という作戦だ。


 確かに、そこを落とせば、王都までは一直線かつ、防御力も計り知れないので取る価値はあるが。

 それ以前の最大の問題点があった、それは兵力が攻めるにはあまりにも少な過ぎる点であった。本来なら城攻めは敵の十倍の兵力を必要とするのだが、それには事実上五十万人の兵力が必要だった。

 打開策の無さに皆困っていて、打つ手無しだと思われていた。

 しかし、ある参謀が策を閃いた。


「旅人のフリをして少数で内部に侵入して、内部から貴族を攫い降伏を促せば良い」


 最早これしか無い、と首脳陣は誰を送り込むかで3日間に渡って議論をした結果。物部太一、ゼーフィス・デュフォン、ジェルメーヌ・レイヤーを含めた10人を投入する事にした。それに至って陽動作戦を行わなければならなくなったが。策を閃いた参謀が、上手く陽動をしたおかげで被害は数百人で済んだ。

 最後の希望が今、託された。






 ーー潜入開始から一週間目


「おばちゃーん、このパン1つちょうだい」


 俺はカフェでパンをコーヒーを貪りながら、城の地図を眺めていた。やろうと思えば、派手にこの都市ごと同化するか、消滅してしまえば楽な事だが。無駄な殺傷は禁句なので、何とかして侵入方法が無いかを探っていた。


「おい、調子はどうか?」


 隣でコーヒーを啜りながら、ゼフィーが暗号を解読していた。元々士官学校を出ているゼフィーは暗号のパターンを知っているので、解読は簡単なのだが。


「ダメだ、全くどーでもいい情報しか載ってない。何で貴族の愛人のタイプとかが載ってるんだよ、そんなもの要らんわ!」


 暗号用紙を投げて、頭を抱えていると。後ろから声がして。


「私も全然ダメ、情報が出てくる気すらしないわよ」


 ジェーヌが左隣の椅子に座ってため息をついていた。


 この一週間で7人が城に侵入しようして、全員死亡した。

 流石に難攻不落の都市の城なだけあって、警備と兵士の質も最上級だった。

 残る時間も少なく、最悪の場合も想定に入れていたが。

 ふと、暗号の解読文を眺めていると、ある事を思いついたので。一旦宿屋に戻って、二人にある相談をした。



「ハァ!俺達に舞踏会に参加しろって!!」


「何で私が行かないといけないのよ!」


 近日中に舞踏会があって、それに二人を参加させて、従者として俺が潜入し舞踏会の間に貴族を人質にとって脱出する。という作戦を立てたが、あいにく二人は拒否感を示している。


「俺は社交界何て経験した事がないから、ダンスとか作法とかはわからないけど。ゼフィーは士官学校、ジェーヌはゲルラさんから習っているだろうから、多分何とかなる。最早これしか策は無いんだ、どうか頼む!」


 舞踏会は自由参加可能で、明日開始だったので。俺は何とか説得し。支給された金を使って、燕尾服とドレスを揃えた。


 ーー舞踏会当日ーー


「おい、頼んだぞ!お前達の振る舞いで入れるかが決まるからな」


「俺はもう五年は踊った事は無いぞ、どうなるかわからん」


「私だってちょっとした事しか教えてもらってないし…」


 自分達では気付いて無いが、何気に絵になってる二人を何とか励ましながら、馬車で城へと向かっていた。


 その日はカロカソンーヌの門も開いていて、外部からの貴族の客も多く、街も祭の様に賑わっていた。


「着いたぞ、此処がコルタン城だ、相変わらず大きいな!城ってのもんは」


「今はそれどころじゃ無いわよ!あぁこんなの初めてでどうすれば良いかわからない!」


「まったく…俺はこの様な出来事には縁がもう無いと思っていたんだがな」


 俺達は城の大きさにおののきながら、入り口の階段を上がっていった。


 入り口に辿り着くと、衛兵が入り口の監視をしていた。


「衛兵さん、旦那様とをお連れしましたぜ。入れてくれやしませんか?」


 俺は小説で読んだ事があった従者の真似をしながら、衛兵に話し掛けた。


「わかった、すみませんが。旦那様と奥様はこちらに来てはいただけないでしょうか?」


 衛兵は御粧しをしたジェーヌとゼフィーを見ると、声を上げて。


「……おお!何と美しい奥様と格好いい旦那様だ!どうぞ、良き夜を御楽しみください」


 衛兵は笑顔で入り口に通してくれた。

 ジェーヌは顔を真っ赤にして早足で通り過ぎて行った。


 俺は去り際に小声で「頑張って来いよ」とゼフィーに言って、別れた。


「あぁ、せいぜいお嬢さんのフォローを頑張るぜ」


 ゼフィーはボソッと言ってから、小走りのジェーヌを追いかけていった。



 俺は城に入って、従者の待機部屋に行きこれからの行動を脳内でまとめてから、行動に移ろうとした。


(舞踏会の終了はおよそ24時くらい。今は21時だから、およそ2時間半でカタをつけて、みんなで脱出しなければならない。此処の城の城主は果たして隙を見せてくれるのか?)


 俺は不安を感じながらも準備を済ませて部屋を出た。




 その時俺達は気づいてはいなかった。これが人生で感じた事がある一番長い2時間半とは、思ってもいなかった……





時々間違ってる知識もあるので、温かい目で見ていただけたら幸いです。

多くの人に見てもらえるように頑張りたいです。

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