表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Martians to Invade  作者: シュンキチ
上陸
11/54

上陸 三

 第五艦隊の入港後チェルノフ中将には月方面艦隊司令本部への出頭命令が出た。地下の最下層に位置する司令本部の作戦室にチェルノフの姿があった。


「第五艦隊司令官ヘルマン・チェルノフ中将出頭しました!」


 チェルノフ中将から申告を受けた方面艦隊司令官のヤン・ハンサン大将は彼に着席するよう指示した。チェルノフ中将はヤン大将と向かい合うような形で着席した。作戦室の円卓にはヤン大将とチェルノフ中将以外にも複数人の幕僚が座っており、彼らの視線は全てチェルノフ中将に向けられていた。


「君を呼んだのはいうまでもない。聞きたいのは君の艦隊が月に入港する前の最後に起きた戦闘のことだ。」


 ヤン大将はチェルノフ中将が送った報告書を手にとって話を続けた。

 

「送られてきた報告資料は見せてもらった。撃沈四隻、大破五隻、中破三隻、小破八隻。死亡二二五名、行方不明一五七六名、重軽傷一九一二名。一度の戦闘での被害の規模としては我が軍創設以来最大の規模だ。」


 ヤン大将の視線は報告書からチェルノフ中将へと移った。


「さらに気になったのが原因不明の爆発についてだ。資料には『当艦隊を拿捕する目的と思われる駆逐艦が接近。その後突如船体が赤熱化し爆沈、宙域離脱の際巡洋艦リュウセイも同じく赤熱化し爆沈』と、ある。これはどういったことか説明してもらおう」


「報告書にある通りです。それ以上の事については現場を目撃した私にもわかりません。

しかしその爆発がなければ我々は反乱軍の駆逐艦に拿捕されていたことは確かです。」


 その時方面艦隊参謀長がフンと鼻で笑った後、チェルノフ中将を見て話し出した。


「馬鹿馬鹿しいな。反乱軍の駆逐艦も君の艦隊の巡洋艦も沈んだ理由は反乱軍の誤射、あるいは魚雷の暴発の可能性だとは考えられなかったのかね?チェルノフ君、私は君が自分の艦隊の多大な損耗をごまかすために誇大な報告をしているのはないかと疑っているよ」


「私はこの目で見た事実だけを述べているまでです。即急にあの宙域と爆発の原因について調査を始めるべきであると私は考えます」


 チェルノフ中将の言葉に賛同する幕僚は一人もいなかった。彼らにとっては第五艦隊の損害についての問題の方が重要だったからだ。


「今は第五艦隊の戦力回復の方が先だ!そんなことに予算と時間を割いてる余裕はない!」

「何を言っても第五艦隊が多大な損害を被ったことに変わりはない!どう責任を取るつもりだ!」


 幕僚達がチェルノフ中将に厳しい言葉を浴びせ続けた。それを終わらせたのはヤン大将の言葉だった。


「どちらにせよ第五艦隊の多くの艦艇と人員を損耗させた責任はとってもらう。ヘルマン・チェルノフ中将、君を第五艦隊司令から解任する。以後は方面艦隊司令部での勤務を命ずる」


 このような処分が下ることが分かりきっていたチェルノフ中将は素直に解任を受け止めた。彼は独断であっても爆発の原因について調査を行うつもりだった。






 

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ