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魔族アイドル【☆スターズ☆】  作者: れん
第1章前編【スカウト編】
2/3

第2話「世の中そんなに甘くない」

-キャラクタープロフィール①-

・星崎ヒカル

年齢 18歳/身長 173cm/誕生日 7/21/血液型 AB型/mbti ISTJ/イメージカラー 黄色


・水野ナギサ

年齢 15歳/身長 154cm/誕生日 8/16/血液型 O型/mbti ESTP/イメージカラー 水色


・花宮サクラ

年齢 14歳/身長 145cm/誕生日 3/1/血液型 A型/mbti INFP/イメージカラー ピンク


「やっぱりクッションはこっちのほうがいいな」


 SNS部を立ち上げてから1週間が経過。


 先週は物も少なくて全体的に無機質だったけど、業者に頼んでかっこいい家具を置いてもらってそれなりにおしゃれな空間へと変わった。


 もちろん、業者を雇ったお金はアスターズプロダクションが請け負ってくれた。


 活動に必要なお金は事務所が出してくれるのはうれしい!!


 僕が機嫌よさそうにしている横で、ナギサが喚きだす。


「うわぁぁぁぁん!!なんでなんだよ!!なんで!なんでフォロワーも登録者も中々増えないんだよぉぉぉ!!」


「まだ初めて1週間で、そんなに投稿もしてないんだから当たり前だろ」


 僕がそう言ってナギサを宥めようとしても、ナギサはまた騒ぎ出した。


「でも!私の中では1週間も経てばトレンドになって万バズするくらいの人気者になれると思ってたんだよ!!」


「そんなにうまくいくわけないだろ」


 大手アイドル事務所といっても、世間からの注目と圧倒的な人気を誇るのはトップ層だけ。


 研究生で、おまけに新人となると事務所の看板ありきでも大した注目は得られない。


 TikTokやYouTubeに動画を投稿しても、言うほど数字が伸びていなかったことがその証拠だ。


 やっぱりバズるのって運とタイミングが大きいんだろうな。


「まだ1週間だもん。すぐに結果は出ないよね」


 サクラがそう言った。


 すぐに人気を得るのは難しいことはサクラも理解しているのだ。


「あーあ、何だよ!TikTokって簡単にバズれるんじゃないの!?あそこに動画上げてるインフルエンサーって露出多い服着て腰振るだけでいいね何万とかついてるじゃん!」


 ナギサはそうしてここまで楽観的なのだろう。


 あと失礼すぎる、言ってることに否定はできないけど。


 それにしても人気を出すのって難しいんだね。


 アスターズに入る前に何かしら活動経験があったのなら楽だったんだろうけど、それすらないとなると、0からファンを作らなきゃいけないわけで、結構大変だ。


 僕だってこういう仕事は初めてだし、2人もアイドル経験は今回が初めて、みんな素人。


 1ヶ月は様子を見る予定だったけど、やっぱり素人だけじゃ厳しいかもしれない。


 僕はここである提案をすることにした。


「2人とも、提案があるんだけどいいかな?」


「提案?」


 サクラが聞き返してきた。


「単刀直入に言うけど、他に誰かスカウトして一緒に活動するメンバーを増やさない?」


「え!?」


「スカウト!?」


 ナギサとサクラが驚きの声を発する。


 僕はそのまま話をつづけた。


「だって、2人は別にユニット組んでるわけじゃないだろう?なら2人にこだわらないでさ、他にもアスターズのアイドルを誘って、一緒にSNS部で活動してもらおうよ!」


 本来僕が任されたのはこの2人だから、SNS部の活動もこの2人のためだった。


 けど、SNS部を盛り上げるにはこの2人だけじゃ厳しいかも。


 早く人気出すに越したことはないだろうから、思いついた案は即実行しよう。


 2人もすんなり受け入れてくれると思っていたら、ナギサが不満を漏らす。


「何それー。ヒカル社長は私たちだけじゃ無理って言いたいわけ?」


 えぇ、そういうこと言っちゃう?


 別に僕はナギサとサクラだけじゃ無理なんて思ってはいない。


 まぁ……ほんの少しは思っていたかもしれないけど。


 でも、ここは一応否定しておかないとな。


「そういうわけじゃないさ。君たちはまだファンを持っていないわけじゃん?なら、2人よりもファンがいる先輩たちがいた方が、その人たちのファンも見るだろうし、そしたらアスターズのファンの中で2人の認知度も上がるんじゃないかなって思っただけだよ」


 だって、アスターズは人気アイドルを抱える大手アイドル事務所なんだろ?


 なら、たくさんのファンがいて世間にも知られている先輩をうまく活用して、ナギサとサクラを多くの人に認知してもらえるようにすればいい。


「ふぅ~ん、確かにヒカル社長の言う通りかも!!納得!」


 ナギサの単純なところは嫌いじゃない。


 話が早く済むからだ。


「でも、先輩とのコラボとかアスターズもするくね?」


「アスターズの音楽番組や冠番組でたまにコラボ企画あるよね。ライブとかも、先輩のバックダンサーとして一緒に出れるし」


 確かに2人のいうことは事実、先輩と関わる機会は決して0ではない。


 だけど、コラボ企画って毎回あるわけじゃない。


 研究生とデビュー済みのデビュー組は分かれてるし、研究生同士の関わりですら人気やユニットの関係で左右される。


 売れてる先輩アイドルとかかわれる機会は思ったより少ないのだ。


「このSNS部はアスターズの新人と先輩の絡みを積極的にアピールする場にしようよ。そして先輩パワーで君たちを売り込むんだよ」


「ねぇヒカル社長、それって私たちもアスターズの先輩と仲良くなれるかもしれないってこと?」


 サクラが目を輝かせながら僕のほうを見る。


「そうなんじゃないの?多分」


 一緒に活動したらある程度は仲良くなれそうな気もするけどね。


 仲良しになれるかは本人次第だけど。


「やった!!私、アスターズには憧れのアイドルがたくさんいるんだもん!仲良くなってみたいな」


「私も!うちの事務所のイケメン先輩アイドルと……ぐへへw」


 サクラのピュアな発言の後にナギサの発言を聞くと、あまりの心の穢れように参ってしまう。


 ナギサの顔は下心に満ちていた。


 こいつは人気出たらすぐにスキャンダル起こしそうだな、今のうちから目を光らせておこう。


 アスターズは研究生もデビュー組も男女で部門は分かれていているとはいえ、事務所は同じだ。


 多少関わる機会があるわけだから、ここも注意しておかないとな。


「さぁ~て!!アスターズのHP見ながら一緒に活動したい先輩リストアップしようっと!」


 ナギサは早速男性アイドル部門のページを開いた。


 こいつ、早速やりやがった。


「お前は下心にまみれているからダメ」


「違うも~ん!!私はただ純粋に一緒に活動したい人を選んでるだけだもん!」


「噓つけ、顔に出てるよ」


 ナギサは絶対繋がり目的だ!


 芸能界にはこういう好きな異性の芸能人とつながるために芸能界入りする人もいるからな。


 人気のない状態で炎上だけされても困るから、こいつの意見は一旦無視しよう。


「サクラは誰かいないの?一緒に活動したい先輩」


 ナギサの1恒河沙倍(※恒河沙=10の52乗倍)はまともな意見を出しそうなサクラに話を振る。


「私はこの人だよ。最近研究生からデビューしたばかりで、今一番人気のアイドルなの!」


 サクラは僕にスマホを渡してきた。


 スマホの画面に映っていたのは、黒い髪と大きな金色の瞳、頭から生えた悪魔みたいなツノが特徴的な幼い顔の美少女。


御影(みかげ)リリア……っていうんだね」


 なんかテレビで最近よく聞く名前だな。


 顔もテレビでよく見る気がする。


「あー!知ってるよ!」


 ナギサが大声でそういった。


「アスターズの新星って呼ばれてるんだぜ!ちょうど先月にデビューしたばかりらしいよ!」


 なるほど、先月にデビューしたばかりか。


 そりゃ話題になるよな。


「リリアちゃん、研究生の時からずっと人気でね!私、リリアちゃんが研究生だったころからずっと大好きだったんだ!」


「へぇ、そんなに好きなんだ」


 僕は御影リリアのプロフィールに目をやる。


 御影リリア、アスターズのソロアイドル。


 昭和にはたくさんいたけど、今の時代にソロアイドルは珍しい。


 どうやら御影リリアは去年アスターズに入って、先月にようやくソロでメジャーデビューを果たしたようだ。


「ソロってことは研究生の頃からめっっちゃ人気だったんだろうな」


「そうなの?」


 僕はナギサに思わず聞いた。


「うちの事務所は基本ユニット制だけど、研究生のときから人気なら特別にソロでやらせてもらえるんだよ」


 そういうことだったんだ。


 でかい箱一人で埋められる人気が必要となれば、優秀な研究生じゃないとソロは難しいよな。


 やっぱり芸能界は実力主義だ。


 でも、こういう人気な先輩がいたら、2人も心強いだろうな。


 だから早速また提案をした。


「なら、御影リリアを誘ってみようよ」


「えええ!?リリアちゃんを誘うの!?」


 サクラがめちゃくちゃ驚いている。


 こんな提案されるとは思っていなかったのだろう。


「あのー、ヒカル社長~!!私も仲良くなってみたい人が」


「ナギサちょっとうるさい」


「ひどい!」


 こいつの言いそうなことは見当ついてる。


 だから相手にするのはやめよう。


「でも、リリアちゃん忙しいから迷惑じゃないかな?」


 サクラがそう聞いてきた。


 本当はリリアさんを誘いたいけど、遠慮しているのだろう。


「本人に聞かなきゃわかんないよ、そんなこと。ダメなら仕方ないけど、OKしてくれたらラッキーだと思ってやってみよう?」


 サクラに僕はそう返してやった。


 こうでも言わないとサクラは一生うじうじしてそうな気がしたからね。


「さて、早速アスターズの社員さんに連絡して、リリアさんとのアポを取ってもらおうか」


「うん!」


「ちょっと二人とも!無視しないでよーー!!」


 


―To Be Continued…

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