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第50話 首のうしろにパンツが触れる

 焔ちゃんが自分のチャンネルで流した例の映像は大反響を受けた。


 バランドバーンとデッツの繋がり。

 田島丘鉱業が反社会勢力と繋がってオリハルコンの採掘を邪魔しているなどという誤った捜査をしたDGへの批判。

 デマ報道の責任をDGに押し付けて逃げたマスコミへの非難。


 バランドバーンとデッツの繋がりを証明した映像は世間を大いに騒がせ、真実を証明したシルバーライトはヒーローとしての株を上げた。


「正義の味方シルバーライトが悪の野望を打ち砕いたぜーっ! ひゃっはーっ!」


 ダンジョンを走るバイクを運転する俺のうしろで焔ちゃんは立ち上がって雄叫びのように叫ぶ。


「お嬢ちゃん、今日は偉いテンション高いなー。タイガース勝ったからかな?」

「君じゃないんだから……」


 映像を流したあと、バランドバーンの社長はどこかへ行方をくらました。

 清掃員として潜入中に社長の車へつけた発信機を追い、俺たちは変身してダンジョンに来たわけだ。



 ――シルバーライトちゃん今日はめっちゃ機嫌良いな


 ――そらDG出し抜いて真実を明らかにしたんだし気持ち良いでしょ


 ――テンション上がり過ぎてパンツ見せてくれたりしないかな


 ――おっさんのパンツなら見れるんじゃない?


 ――誰が喜ぶねんそんなの



 こいつらまたパンツの話してる。

 というか俺も焔ちゃんのパンツみたい。風呂場で中身を見てしまったこともあるけど、パンツにはパンツのエロさが……。


「イエーイっ!」

「うわあっ!? ちょっとっ!?」


 なにを思ったか焔ちゃんは俺の首への跨った。


 シルバーライトのスーツはミニスカート。

 つまり首のうしろに感じる温もりはパンツが直に当たってるということで……。



 ――うおお! ミニスカートでおっさんの首に跨ったぞ!


 ――ちょ! 羨ましい!


 ――布1枚の先にはシルバーライトちゃんの……


 ――割れ目の感触ありそう


 ――おっさん死ね



 く、首のうしろになんか温かくてふにふにと柔らかい感触が……。


「はわっ……」


 これは今夜もホムニーが捗りそうだ……。


「バランドバーンの社長はきっとデッツのアジトに逃げ込む気だよーっ! アジトを潰して社長を捕らえるのだーっ! ゴーゴーっ!」

「お、おおーっ!」


 ダンジョンに逃げ込んだということは、焔ちゃんの言う通りデッツのアジトへ向かったのだろう。

 逃がしはしない。悪事を働いたのならば、その報いを受けるべきなのだ。


「もうすぐ社長のいる場所へつくよー。たぶんあのレーザーパンダもいるだろうから気をつけないとね」

「あのパンダか……」


 あのレーザーは危険だ。

 ふたたび戦うとなったら、あれを食らわないように注意しなければ。


「……うん? なんか音が聞こえるな」


 なにかを掘るようなそんな音だ。

 俺たちはバイクを降り、音の聞こえる場所へこっそりと近づいた。


「あれは……」


 デッツの戦闘員が大勢いる。

 彼らは皆、採掘道具を持ってダンジョンの壁を掘っていた。


「あ、ここオリハルコンの採掘場だよ」

「ここが?」


 そうか。ここでデッツはオリハルコンの採掘を独占して、それをバランドバーンに売らせて儲けを得ていたということか。


「お、おいっ! あれってデッツの戦闘員じゃないか?」


 と、そこへ探索者の集団がやって来る。


「シルバーライトの動画はやっぱり本当だったんだな。けど俺たちはA級で揃えたパーティだぜ? 戦闘員なんか蹴散らしてオリハルコンを奪ってやるっ!」


 一気呵成に探索者の集団が戦闘員へ襲い掛かって行く。……そのとき、


「うわああっ!?」


 上空から現れた球体の群れが一斉にレーザーを放つ。

 それを食らった探索者の内3人が一瞬で消失した。


「な、なんだっ!? うぎゃっ!」


 そして残りもレーザーで瞬殺されてしまう。


 あまりに一瞬の出来事で助けに入ることもできなかった。


「あれは……白黒スーツ男がバランドバーンの社長に渡したドローンか」


 パンダのより威力は低いと言っていたが、十分な攻撃力だ。恐らくあれを使って、ここへ来る探索者たちを始末していたのだろう。



 ――えっ? 死んだの? なにも残ってないけど


 ――死体すら残さんのか


 ――オリハルコンの採掘をさせないために探索者を殺してたのがあれか


 ――さすがのおっさんもヤバいか?


 ――シルバーライトちゃんのおっぱいを背中に押し付けられたり、首のうしろにパンツの温もりを感じれたんだし思い残すことは無いでしょ


 ――香典【赤スパ1万円】


 ――おっさんだけ今日で最終回か



 殺すな俺を。

 このチャンネルを見ている連中の俺への敵意が強過ぎる


「今回も強敵だけど頑張ろうね」

「うん」


 しかしあのレーザー食らったら死ぬかもしれないし、ちょっと怖かった。


「でもあのパンダのレーザーはあぶないから怖いよね。うーん……じゃあさ、あのパンダを倒したらわたしの脱ぎたてパンツあげる」

「ふぁっ!?」


 今なんて言った? あのパンダを倒したら脱ぎたてパンツをくれると焔ちゃんは言ったのか?


 俺は思わず、焔ちゃんの穿いているミニスカートを凝視してしまった。

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