第46話 怪人レーザーパンダ登場
やはりあのトラックは服部さんのトラックだったか。
降りて来た服部さんを前に黒塗りの車はUターンをしようとする。
「待ちなっ!」
それを服部さんが追いかけて車の前へと立ちはだかった。
「さっきからコソコソついて来やがってっ! 降りて来やがれっ!」
怒りに声を上げる服部さんの前へ、あの白黒男が車から現れる。
「尾行ってのはこそこそしててスマートじゃねぇ。スマートじゃねーのはかわいくねー。だから苦手なんだよなぁ」
「やっぱりてめえらか。てめえら、バランドバーンに雇われた連中だろ?」
「さあな」
「しらばっくれるなっ! あたしはちゃんと調べて知ってんだよっ! バランドバーンがうちを目障りに思ってるってなっ! うちがオリハルコンを採掘してる場所を見つけて奪うつもりだろ? けど、無駄だったようだね」
「それはどうかな? てめえを締め上げて吐かせる方法もある」
「やってみな」
服部さんは白黒男と黒づくめの者たちを前に拳を構える。
――なんか揉め事?
――あの人って田島丘鉱業の社長令嬢じゃない? 探索者やってる。俺、昔に1回だけパーティ組んだことあるから知ってる
――田島丘鉱業ってオリハルコンを高騰前の価格で売ってるところか
――高価格で売ってるバランドバーンが目障りに思ってそうなのはわかる
――ガチムチお姉さん
――あのヤバそうな連中は秘密の採掘場を探りに来たのか
どうやらそのようだ。
「シルバーライトちゃんどうする? 助けに行く?」
「ううん……けど、あの人強いし、チンピラくらいひとりで大丈夫かもよ? 強い人を助けるのはなんかヒーローらしくないじゃん」
「それはまあ……」
あの人はA級探索者らしいし、助っ人は余計なお世話かも……。
「ビビるなよ女っ! うおおおっ!! があああっ!!」
そのとき白黒男が雄叫びを上げた。そして……。
「ぐおおおおっ! ぱふぁふぁふぁふぁ―っ!!」
「あ。あれはっ!?」
白黒男の姿がパンダのような姿へと変身する。
あれは怪人だ。間違い無い。
――パンダの怪人?」
――両肩に筒みたいの背負ってるな
――バズーカ?
「行こう焔ちゃんっ!」
「うんっ!」
怪人相手じゃS級でも辛い。
これは助っ人しなければと、俺たちは服部さんの側へと向かう。
「お待ちなさーいっ! とうっ!」
「あっ!」
ジャンプした焔ちゃんがトラックの上へと着地する。
「あ、あんたは……」
「悪の闇を光で照らすっ! シルバーライト参上っ! アーンドっ!」
「お、俺は正義を守るドラゴンの戦士っ! 仮面ドラゴンブラックっ!」
慌てて俺もジャンプして焔ちゃんの隣に立って、2人でポーズを取った。
――おお
――シルバーライトちゃんはいいけど、やっぱりおっさんがやるのはイタいな
俺だって別にやりたくてやってるわけじゃないんだよ。
焔ちゃんがやれって言うからやってるの。
「そしてわいが三波〇夫やでー」
「そのネタはもういいってっ! あーもうせっかく格好良く決まったのにーっ!」
あとからついて来た大阪1号の放ったネタに焔ちゃんはご立腹の様子。
まあ俺はどうでもいいんだけど。
――だからそのネタわかんねーって
――台無しで草
「それはともかく、デッツの好きにはさせん。俺たちが相手だ」
「ぱふぁふぁふぁっ! ならばてめえらもまとめて……」
「余計な手出しは無用だよっ!」
そう声を上げた服部さんがパンダの怪人へと攻撃を仕掛ける。
「あっ! あぶないっ!」
俺が止める間も無く、服部さんはパンダの怪人に近づいて拳を放つ。
――お、やったか?
――やってないフラグ立てるな
「ぱふぁふぁふぁふぁ」
「なっ!?」
「まったく効いていないぞ。しかし奇襲攻撃はいけねーな。スマートじゃねー。かわいくねー。かわいくねー奴にはお仕置きだ! おらぁっ!」
「うあっ!?」
パンダの怪人に殴り飛ばされた服部さんが地面を転がる。
「てめえには採掘場を聞かなきゃならねーからな。まだ殺しはしないぜ」
「このっ! 俺が相手だっ!」
地面に倒れる服部さんの前に立ってパンダの怪人と対峙する。
身体は俺よりも大きい。
パワーがありそうなのと、両肩に背負っている砲塔みたいな筒が気になった。
「ぱふぁふぁふぁふぁ。俺の名前はレーザーパンダだ。てめえを捕まえればゼラムス様から褒美をたんまりもらえるぜ。こいつはついてるかもなぁ」
「いーや不運だ。お前はここで俺に倒されるんだからな」
――パンダのほうは自信ありげだな
――レーザーパンダのレーザーってなんだ?
――そりゃレーザーよ
もしかしてあの砲塔からレーザーが?
だとすれば威力によっては結構ヤバいか?
「瀕死までてめえを痛めつけて捕まえてやるぜっ! パーンダレーザーっ!」
「うおおっ!?」
両肩の砲塔が光り、俺へ向かってレーザーが発射された。




