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輪廻創世 アルヴァーナ  作者: ひやニキ
Chapter4 伊忌島からの凱歌 後編
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第63話 ホールド マイ ハンド

 振り下ろされるホロボロスの拳。

朦朧とする意識の中、ヒヅルはもうダメだと思った。


「ヒヅルゥゥーーーーーーッッッ!!!」

戦いを見守っていたウォルノが声を上げる。

その時。


轟音を立てて島中から、ホロボロスへの一斉砲撃が始まったではないか!

「他に援護へ充てられる砲台は?」

「イ-7 ハ-1及び4番、ト-3、4、7、9番砲台が可能です!」

「ではそれらをありったけぶつけてください!」


ありったけの猛攻が、ラインハルトに降りかかる。

「ハハハハッ!いい度胸だ、まだ遊び足らねぇかあ!!!」


F(フレーム)G(ギガント)はその巨大さゆえ、関節にかかる負荷は大きいはず。

各関節部を狙ってください!」

「ハァン、こっちに来るか!

今だ、Peaky(ピーキー) Ants(アンツ)上陸部隊!

タマが俺に集まる間に進軍しちまいな!」


ラインハルトに砲火が集中し、防衛ラインが手薄な間にFSと歩兵が上陸してしまった。


「ある意味、勇猛ね」

指揮官である己の身すら、囮として利用する大将の姿。

ミランダは賞賛の念を覚えざるを得なかった。


その巨大な機影は在り方・その器すらも反映しているかのようだ。


「手薄になった海岸から敵が侵略してきます!

最前線、防衛ラインを突破!」

「イチマルキュウ部隊、ここは私が!」

すかさずフィリスがカバーに入る。

盾のあるショルダーで一体のビスクドールに突撃し、クローで切り裂く。


そのまま空中で宙返り、地上のFSに投げクナイで一機落とす。


その素早さとしなやかな判断力はまさに猫のようだ。


「寝てないで、早く!」

「ヒヅル!イマノウチニ!」

「あぁ!」

フィリスとリィロンに急かされて、スラスターをふかし地を離れる。

しかし距離をとったところで近づくこと叶わぬ。


今や動く全身超砲台と貸しているラインハルト。

こいつは災害そのもの、ここで食い止めなくてはーーーーーとヒヅルは思った。


ん、待てよ。

「砲撃が少ない、背面からなら!」

巨体ゆえに視野角は狭く、振り返り動作は遅い。

これなら虚をつくことができる。


何より相手の視野を計算に入れた戦いは、ヒヅルの得意とするところだ。


「チイッ、ちっぽけな羽虫が!」」

空中にて、上下と左右を織り交ぜた加速と急停止によるランダム飛行で撹乱する。

ついにとった背面上部からカービンでビームを撃ち込もうとする。


「食らえェーーーッ!」

「後ろからだと!!!………なんてなあ」


一瞬で「何か」が、アマテラスの横っ面を弾き飛ばす。

ヒヅルも顔面を思い切りぶん殴られた衝撃で、眼中の暗闇に星が飛ぶ。


「いったたた……な、なんだ!?」

ギリギリ意識を飛ばさなかった!

自分の身に何が起きたのか?

ヒヅルが、焦点の定まらぬ眼で確認を行うとそこには。


ホロボロスの後部から、蛇腹剣状のしなる鞭が2本伸びているではないか。


「弱点を補うのは戦闘の基本だ、そんなん想定済みに決まってんだろ」

邪悪な含み笑いを浮かべてラインハルトが語る。


「打撃攻撃を兼ね備えた実質的なサブアームハンド。

これじゃあ、()()6()()()()()()()()()()()()()()()


「捕まえたぜ」

驚いているスキに2本の鞭がアマテラスの両足を掴む。

「テメエみてえに、大した痛みもなく!」

ロケットアームが飛んでくる。


「机上の理想ばかりで戦うガキが!」

砲塔になった指がこちらを向く。


「俺に勝てる可能性なんざ!

絶望的なんだよおおおおォォォォ!」


「ダメだ、やられる!!!うおああァァァーッ!」

「やらせねええェェェェェ!」


足を拘束していた蛇腹鞭2本が「ナニカ」によって切断される。

今しかない!

即座に上昇軌道をとり、アームからの射撃を避けつつカービンで反撃する。


「チッ!」

アームに当たったビームは、傷をつける程度で弾かれた。


「無事か、ヒヅル!」

「まさか!!ウォルノ!!!」


艦橋には両手のアームズを回収し、佇むヤクシャの姿があった。

「危なかったぜェ」

バスターアームズで蛇腹鞭を切断してくれたのは、他ならぬ友であった。


「文字通り奴さんと同じ"手"を使うのが癪だがな〜ァ!」


死地(ここ)で安い茶番してんじゃねぇえ!!」

ラインハルトも、即座にキャノン砲の乱れ撃ちでカンナギ上のヤクシャへ直撃をさせる。


「ぐあっ、やっぱ脚が動かねぇんじゃあ無理だよなァ~……

撤退する!ヒヅル、いいか!

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


小規模の爆発が起こり半壊する様は、ヒヅルの両眼にありありと焼き付いた。

「ウォルノーーーーーーッ!

ラインハルト、貴様アアアァァァ!」


『太極図システム パイロット適合率 127%』

Genetic(ジェネテック) Code(コード)

Fragments(フラグメンツ)AL-VANA(アルヴァーナ)”』



やられっぱなしでは終わらない。

討つ、こいつを!僕がッッッ!!


若草色に輝いたヒヅルの両眼が、強大な邪悪(ラインハルト)を映し出した。

【ライナーノーツ】

1 タイトル元ネタ:「Hold my hand」→レディー・ガガの曲。

いつも思うけどその時聞いてる曲をタイトルにしがちです。


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