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輪廻創世 アルヴァーナ  作者: ひやニキ
Chapter4 伊忌島からの凱歌 後編
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第62話 滅びの虚影 〜Vanity of Destruction 〜

「おい、クニさん!早くヤクシャ直してくれってよ!」

「待て待て、伝達ケーブルを丸々換えれば……おぉっ、上半身は動くぞぉ〜!」


ドゴォン!

突然の揺れで2人してすっ転ぶ。

「あいてててて……なんだなんだ?」

「お、おいあれ見ろ。クニさん……」

「なんだよ……って何だ〜〜ッッ!

あの馬鹿でかい兵器はッッッ!」


格納庫壁面の窓にへばりつき、2人が見る先には……。


30m以上の巨大な体躯。

背中から伸びる2本の蛇腹鞭

4連装ビーム砲のついた4本の太い腕。

砲塔だらけのぶっとい足。

真ん中に見える、バイザーのついたFSの顔

まるで、人の形をした重建設機械のようないかつい兵器が、海岸に上陸していた。



「ラインハルト!俺の戦いを邪魔するな!!」

「おいおい、邪魔とは失礼じゃあねえか?

お前さんが死ぬ前に助けに来てやったんだぜ?」

「俺が?」



へらへらとしたラインハルトの態度と言葉に、内心据えかねるエムルの表情が歪む。


「戦場で女の安否ばっか、怒りに任せて力を振るうばかり?

こーんなにも戦いに集中してねえヤツが、勝てる訳ねぇだろうよ!」


崖岩が音を立てパラパラと剥がれ落ちた。

その一瞬の間に、腕の一本が飛んでいきエムルを掴む。


「!?」

「こうやってスキを突かれておしまいだろうなあ?

海水浴でもして、頭冷やしてな!」

そのまま思い切りぶん回し、メドラードを海へ放り捨てる。


「ぐわああーーーーァッ!」

水飛沫を上げ、彼はそのまま沈んでいく。

無理もない、あのスピードで振り回されたら気絶もするだろう。


「さて、邪魔はいなくなったな。

砂浜のガキ、てめえとあの艦をぶっ壊してやるぜええーーーッ!!」

ワイヤーロケットアーム2本が飛んでくる。


「まずい!リィロン、敵の攻撃予測お願い!」

「ヤットデバンカヨ!マカセロ!!」


前後上下左右から飛んでくるビームの雨。

飛びながら避けるだけで精一杯で、攻撃する暇すらない。



「アマテラス、巨大な不明機と交戦開始ネ!」

「なんですって!あんな大きいFSと!?」


ジェイが、おもむろに口を開く。

「あれは、F(フレーム)G(ギガント)

前大戦末期に、FSと戦車・航空機の概念の融合から生まれた、巨大な起動兵器。


構想のみで終わった、過去に埋もれた兵器」

遠い目をしながら、独り言とも解説ともとれる言葉。


きっと彼にはわかっているのだ。

あれに乗っている人間が"誰"なのかを。

(全て終わらせる気か。

この戦いも、己すらも。クニヒトよ)


「リンドウ司令官!!あれは、一体!!」

「……幻、でしょうね」

部下の問いかけに、リンドウは表情すら変えぬ。

ただ、モニターに映った男を見つめていた。


(あなたも、その機体も。

過去よりきた亡霊、ということでしょうか)



両腕はワイヤーで戻っていったが、次は体中の砲塔から弾があちこちへと飛ぶ。


「近づけない!!どうすれば!」

「敵両腕部、クールタイムハ30秒ゴト!ソノ30秒間ノ間ニ懐へ!」

「無茶言いなさるなら!」


避けきれない弾は、日照を使いビームで撃ちさるなら落とす。


「後ろがお留守だぜええ!ガキィ!」

「グウウーーゥッ!」


再度飛んでくる左拳のパンチ!

背後から食らい地面に叩きつけられる。

かと、思ったが地表スレスレで体勢を立て直し、振り返ったままビームカービンを乱射する。


「このまま低所から!」


セイバーを抜き、ホロボロスの足を狙う。


「甘ェよ!」

「お前がなーーーッッッ!」


挟み込まれるように前から飛んでくる右拳。

それをスレスレで避け、すれ違いざまにセイバーで真っ二つにする。

さらに右脚を斬ろうとするものの、振りに合わせ後退されてしまい、砲塔を切り落とすに留まった!


「なんだと………なあんてな!」


飛び回るアマテラスを残った右腕でガッチリと掴む。


「羽虫がちょろちょろとうるせえなーあ?

家の中に蚊が入ってきて、刺してきたらどうするよ!

誰でも殺すだろうが!羽虫を握り潰して始末するのはなぁ!!」


掴んだアマテラスを、地面に思い切り叩きつける!

何度も何度も地面に打ちつけられ、果ては意識が飛びそうになる。

まるでアマテラスの痛みがヒヅルにダイレクトに伝わっているかのようだ。


最後には機体を手から離したかと思うと、そのまま拳を作りだした。


「飛びそうかあ??じゃあそこでおねんねしてな。

永遠になぁーーーーーッッッ!!」


大地にぐったりとするアマテラスに、その拳が振り下ろされる!!!

本を読んだらあった本棚にキッチリと戻す!

それと同じくらい当たりめぇーなことなんだよおおおおおーーーーッッッ!


→知ってる人は知っているオマージュ表現です

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