↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
輪廻創世 アルヴァーナ  作者: ひやニキ
Chapter4 伊忌島からの凱歌 後編
PR
77/120

第61話 スタートライアングル

「ヒヅルゥゥゥゥ!」

「まだやるか!」


激しい怒りの刃が、執拗に鍔迫り合っては激突する。

星のような燐光が幾度となく中空に散る。

が、ヒヅルが一歩先をゆく。


蹴りを入れ、その勢いで後方へ宙返った上にダメ押しにビームカービンを入れる。


「もうやめろ!」

「誰がっ!」



体勢を直し咄嗟にシールドで弾くメドラード。

ピピピピピピ!

エムルの耳に、アラートが鳴り響く。


「後ろか!」

「ちいっ、早い!」


加勢したフィリスが忍者刀で斬りつけようとしたのだ。

そのまま食らうはずもなく、エムルもソードで受ける。

その隙のヒヅルの斬りかかりもビームダガーで三度鍔迫り合う。


応戦したエムルのビームダガーと干渉しあい、綺麗な燐光を放つ。


「エムル、お前こそ僕ばかり!」

「何度も踏みにじるだろう!お前が!俺を!」


2人を力づくで弾き返し、頭部機関砲で更にマドゥ=クシャを牽制する。


「どけぇ!」


ヒヅルは彼との出会いを思い出す。

最初はあの神社でのこと。

次の時は海上。

彼が父から認められないことと、僕が周りから認められてると思ったこと。

そのギャップと怒りを彼はぶつけてきた。


そして、今。

"何度も"僕が彼を踏みにじる?


「何も知らぬお前に!」


虚を突かれ、蹴りを喰らう。

踏みつけられたまま、なす術なく流星のように地上に叩きつけられる。


「いつも!俺を刺激する!お前は!」

言葉と共に強く踏みつけるメドラード。

冷たく鈍い音が地を這う。


「やめろーーーーッッッ!」

フィリスが後ろから仕掛け、それをいなすエムル。


だが、その一刃がスキを作ってくれた。

踏みつけてくるメドラードの足を掴んで機体ごと投げ捨てる。


「ありがとう、フィリス!」

また彼女に助けられてしまった。

それが心のどこかで嬉しくも、気恥ずかしくなる。


すっかり明けた空の下、アマテラスとメドラードのチェイスが再開する。


「今度は女!助けられてばかりで、情けない!」

「そういうお前だって、セイラに助けられてから!」


セイラ?アイツはメアリーをそんな名前で呼んでいるんだ?


振りかぶったバスターソードの一撃を、アマテラスが盾で受ける。


「誰だ、セイラセイラと!彼女はメアリー、メアリー・ブルーオードだ!」

「いいや、違う!」

「分かるわきゃあないだろうが!」

「それはお前の方で!あの子は、僕の……僕の妹、セイラ・オオミカだ!」


いも…うと……だと!?


「セイラはいつも笑顔で花が好きで!

でもちょっとだらしなくて算数が嫌いで!

君に"メアリー"は自分の話を打ち明けたりしたか!

してないさ!

見たことか!

部下のことを何にも知らずに喚くばかりで!」


「知らなかったらどうだというのだ!」

「僕も,あの子も同じネックレスをしている。顔も瓜二つだ!

メアリーなんて名前でもない!」


嗚呼、ヒヅル。

お前は俺だけじゃなく、"メアリー"も否定するんだな。

頭の中が熱くなる。



「メアリーという人間を、人格を!

貴様は認めようとすらしないのだろうに、そうだ!

過去に囚われて縋って、ただ確証も無い一縷の望みにしがみつく!

妹を追い求める気持ちは、俺は感じず感じられない。

ああ!別人だろうと、本人だろうと!

だが俺にはメアリーだ。あの女は……間違いなく。

本人の自負ですら素晴らしくメアリーだ。

何故あの子の新しい人格を、在り方を認めようとしない!お前が兄だというなら尚更!」



「…………ッッ」


エムルの言葉と気迫、何より初めて見せた彼の人間臭さに返す言葉を失う。

確かに記憶を失っているのなら。

もし彼女が本人なら。


今のセイラが思うような場所・所属・人間関係で生きてくことを認めることも大事だ。

それから無理やり引き剥がすことは、言いなりにならぬ子を殴る毒親と大差がない。


「お前が妹を取り返そうと。

大事な部下を攫っていくというのなら……貴様が俺から奪うのなら!!」


大きくソードを振りかぶるメドラード。


「ディヤァァァァ!」


来る!!


「まあ、その辺にしとけよ。皇太子サマよ」

「「!!!」」


突如どこからともなく、ミサイルの雨が降り注ぐ!

2人は飛び退いて回避をする。


「どこだ!?」

「一体何が!」


2人があたりを見渡すと突如、海中より巨大な影が姿を現す。

50mにも届きそうな、巨大で無慈悲な鋼鉄の魔人。

"それ"が、島に降り立った。


「さあ大詰めだ。堕ちな、絶望の底によぉ!!!」

【ライナーノーツ】

1 タイトル元ネタ:スタートライアングル

→スター・トライアングル

→スタート・トライアングル


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。