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輪廻創世 アルヴァーナ  作者: ひやニキ
Chapter4 伊忌島からの凱歌 後編
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第51話 天空の艦の光

 「キャッシード、中破。戦闘続行不能との通信です」

「ケッ、猫娘もここまでか。

まぁいい、あいつがいなけりゃあいねぇで、俺も楽ってもんよ」

ラインハルトが邪悪な笑みをいっそう深める。

「は、それはどういう」



「分からなかったのかよ、オールアイ。

あいつは本国から俺が故郷に寝返らねえよう寄越した見張り役よお。


ま、裏切る気は毛頭ねえが。

それでも監視の目があるってのは嫌な気分になるからな?


これでせいせいしたぜ」



オールアイは漸く気づいたのだ。

キャッフェを降下部隊に入れたのは、切り込み隊長としてだけではないことに。


「さあ、程々に潰そうか!

絶望をぶち込んでやろうぜ、ハハハハハ!」




 「地上砲台、13台ロスト!

ラインハルト軍の艦砲射撃により被害甚大!」

「地下壕に攻め入られるまでは、なんとか耐えてください」

「しかし!!」


リンドウが部下に向き直る。

「私が知るあの男なら、私の読みが正しければ。

今日1日でこの島を陥落はさせないはずです」

その言葉には不思議な説得力があった。

目で訴えかけている。


「……地上、オーガルド隊。

上陸したPS部隊を各個撃破せよ。

地下壕の待機部隊は、攻め入られるまで撃たずに待機せよ」

「ご理解のほど、ありがとうございます」



 伊忌島の林中では、PS部隊が拠点入り口を探している。

「ここまで楽勝だったな!このままこの島を落とし切るぞ……ガッ!」

「マディー!なんだ!?うわっ!」


オーガルドのガトリング音が林に鳴り響き、PSが弾け飛ぶ。

『パワードスーツ』の名だけあって、FSほどの強度は無い。

「帝国軍め!ぐああぁぁ!」


だが、そのオーガルドもビスクドールのライフルの前に撃ち抜かれ沈む。

地上は今や泥沼の乱戦だ。



 「イチマルキュウ部隊がっ!」

ヒヅルも必死に日照を乱射して牽制をする。


「制圧のためには、お前を抑えるしかないようだな!ヒヅル!」

「メドラード!接近戦は!」

メドラードから放たれるビームマシンガンがヒヅルの右脇の大地に穴を開ける。


 「アマテラス、メドラードと交戦中!

ヤクシャ、エネルギーダウン!」

「チョウ、フィリスは呼び戻せる?」

「イゾルディアの攻撃により動けません!」


ミランダの紅瞳にも焦りが見え始める。

「…………主砲、準備!」

「ラインハルトは射程圏ギリギリですぞ」

「敵戦艦だけでも減らせれば御の字です。

それが、現在本艦の取れる最善策と私は考えます」


副長との間に一瞬の沈黙が流れる。

「フム、他に手があるわけでも無し。

良手ではないが悪手でもない」

「時間は?」

「ここで使うと思わなんだ、10分頂きたい」

「……ありがとう、ジェイ」



 「一機でも落とさないと!」

「させるかッ!」

ヒヅルがビスクドールにプラズマキャノンを発射するも、エムルはそれをマシンガンで相殺する。


「味方を、守った……?」

「フン、俺も落ちたものだな」

メドラードがバスターソードを構える。

「あんな奴の言葉通りにするとはなぁぁ!」

「何を!」


アマテラスもすかさず後方に飛び、バスターソードの袈裟斬りを回避する。

「早く行け!島の裏側を叩け!」

「ハッ!」

「あそこには!行かせるわけには!」


日照を構えようとするが、エムルにより即座にマシンガンで邪魔をされる。

「お前の相手は、俺達だ!」


「分断されたままでは……!」

エムルの後方では、イゾルディアのミサイルを必死に落とすフィリスの姿が見えた。



 「接近、散れ」

「あなた、本当にヒヅルを忘れちゃったの?」

蛇腹剣がフィリスに襲いかかるが、射程を理解し始めたフィリスも射程ギリギリからクローで薙ぎ払う。


「私は1人、生まれてからも。そしてこれからも」

「違う!人は1人では生きては!」

「猫は喋らない」


しなる剣が鞭のようにフィリスを襲うその瞬間。


「……飛んだ?」

「約束したから」


空から無数の射撃を浴びせ、イゾルディアを後退させる。

「約束したから、あなたを取り戻すって!」

「風力エンジン、安定!」

「リィロンちゃん、肩部シールドの8×2砲門全部開いて!」


メアリーの上空を縦横無尽に飛びながら、絶え間なく射撃を浴びせる。

「あの子を向いてない砲門は、海へ!やれる!これなら!」



 「フィリス機、イゾルディアを押しつつ海上部隊へ奮戦!」

「ジェイ、主砲の準備は?」

「完了だ……本当にやるのか?」

「やらなきゃ、未来あるあの子達もここで沈むことになります」


フム、とジェイが腕を組み目を瞑る。

「主砲『ガーンディーヴァ』準備!

各員、衝撃に備えよ!」



 「なんかヤバめの雰囲気だ!!

オールアイ!艦を下げろ!」

ラインハルトの勘が冴え渡り、トライトーンと護衛艦が即座に下がり始める。


同時にカンナギの、剣のようなその姿が中央から開く。

「!」

「なんだ!?」

鍔迫り合っていたヒヅルとエムルも、一進一退をしていたフィリスとメアリーも一瞬手を止める。



「照準、敵艦隊。

ガーンディーヴァ、撃てーーーッ!」

ミランダの一声と共に、空を切り裂く眩い光が敵本陣へと走り抜けた。


【ライナーノーツ】

1 タイトル元ネタ:東方妖々夢 4面道中BGM 「天空の花の都」

前半の徐々な盛り上がりと後半の一騎な盛り上がりが素敵なBGMです

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