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輪廻創世 アルヴァーナ  作者: ひやニキ
Chapter4 伊忌島からの凱歌 後編
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第48話 mATch Card open!

 「敵襲!敵襲!直ちに備えよ!」

伊忌島基地全域に警報が鳴り響く。


「とうとう来たか!カンナギ隊、全員出撃!」

「ウム、カンナギは海上を制圧。

ヒヅル、ウォルノ、フィリスの3人は長距離砲で拠点防衛、ジェゴ隊、キャーシャ隊は艦上から護衛!」


ミランダが号令をかけ、ジェイは指令を飛ばす。

その声の鋭さが、嘗て無い緊迫した事態を表している。


「ってワケだ。お前さん達とは別行動だが、俺の作った"アレ"で状況はわかっからよォ!」

「はい!ウォルノ隊長もご武運を!」

「カルジ、プレディ!いっくわよぉ!」

3人組が、自分の任を心にジェゴに乗り込む。


「クニさん、結局俺はアームズ外して長距離砲かい」

「安心しなすって。ハヤテ2つ背負って、接近戦だけ換装しなね」

「ヘッ、ミランダに口利きしたなァ?」

「毎度どうも」


漢の魂に配慮したクニトモの心配り。

ウォルノの戦い方を尊重してのことだ。


「ヒヅル!また……あの子が襲ってきたら?」

「それだけで、それだけで十分だよ。ありがとう」


「え、それは」

「フィリス、君が言ってくれたじゃない。

僕は大丈夫だよ、君がセイラを取り戻す助けをしてくれるなら」


ヒヅルは、フィリスの言葉を胸に深く刻み込んでいた。

それはフィリスのことを信頼している証だ。


(ふふふ……こちらこそ)

各員、気持ちを胸に自分の機体に乗り込む。



「エンジンチェックOK。リニアキャノン『ハヤテ』接続完了。

アマテラス・アイズ出撃準備完了!」


クニトモとウォルノがくれた装備。

フィリスが支えてくれるという想い。


前とは違う、僕は戦える!


「俺ヲ忘レルナヨ!」

!?な、なんだ!

初めて見る黄色い鈴にアームのついたようなロボが話し出す。


「オレ、戦術連携支援システム、鈴仙龍(リイシェンロン)

カンナギノ親機ヲ介シテ、子機搭載機体状況ガワカルニィ!

照準ヤ索敵モ任セルンヤニ!」


あぁ、ウォルノがいじっていたのはこれか。

ちゃんとした人格もあって、どことなく可愛らしい。


「これからよろしく、リィロン!」

「リィロン……カワイイ、気ニ入ッタ!」

ご機嫌のようで、目が青く点滅する。


「カンナギ、発進!」

中央部の山が開き、空を裂く白銀の戦艦が繰り出す。


「続いて各機、発進!」

「ヒヅル機、ウォルノ機、フィリス機。発進ドウゾ!」


「ヒヅル・オオミカ アマテラス行きます!」

「ウォルノ・マイシー ヤクシャ出るぜ!」

「フィリス マドゥ=クシャ出る!」


沿岸にそれぞれが長い砲身を構えて揃い踏み、海上の大空にカンナギがそびえる。

巨大な影が、3人を覆う。


「カンナギ隊、気をつけてください。

ラインハルトが無策で正面から攻めてくるとは思えません」

「リンドウ師団長、ですが海上の物量。

我々でやらねば厳しい戦いになるかと」


イチマルキュウ師団の戦艦も海の彼方へ砲塔を向ける。

その向こう、黒黒とした鉄の津波が押し寄せる。


ジェイはパイプから口を離し、命令を出す。

「各員、照準に入り次第撃ちたまえ」

「フィリス機了解、ヒヅルもウォルノも構えて」


「ウォルノ、上陸前にできる限り!」

「とは言えヒヅルよォ。俺ァ苦手だぜ」

「何が」

互いにスコープを覗き、目を逸らさない。


「撃ち抜くってヤツ」

「それ、得意そうじゃない」

「何がだ」

敵の先陣に照準を合わせる。


「女性のハートを!」

「撃てーーーーッ!」

3人がミランダの号令とともにハヤテを撃ち込む!

大きな轟音、敵陣の5機が爆発する。


「やるじゃあねェかフィリス!」

「一発外す誰かさんよりは!」

「ウォルノ、リィロンガ照準カワル」

「うるせーーーェェ!お前らッッ!」


「カンナギ、下部機関砲!

ジェゴ隊、キャーシャ隊!各機射撃開始!島に奴らを通すな!」

「ゴブ・オーグ、次々とヒヅル達が撃墜ネ!」


イチマルキュウ師団の艦砲射撃も、敵の波へ鉛の雨を降らせる。

だが、ラインハルトの軍は減ることを知らない。



「おーう、やってるねぇ。敵の目は海っぱただけ、か。

オールアイ、そろそろ上から仕掛けてやんな!」

「輸送機、高度下げ!降下準備入れ!」


ラインハルトの一声で輸送船が、開く。

「降下!全員続け!このエムル・V・ブラダガムにィィ!」

真紅の機体が、空を切り裂き島の上空へ降りかかる。


「空襲ネ!」

「索敵!敵は何機で何が来るの?」

「敵機識別…ビスクドール10機と……こ、これは!

メドラードとイゾルディア!そして不明機が1アリ!」

「!!!」


カンナギ隊に衝撃が走る。

「メドラード、エムルかッ!それに、セイラ!」

「貴様とまた殺りあえるとはなぁ、ヒヅルウウゥゥ!!」


リンドウの読みは、当たっていた。

「海上の部隊はこのための……防衛チーム各機、降下・上陸前に!」

「言われなくても!」

フィリスがハヤテと共に両肩シールドのビーム砲で弾幕を張る。

1機、2機とビスクドールの羽をもぐ。


「まずは敵を減らす!日照起動、当たれえーーーェ!」

ヒヅルの眼は一発も漏らすことなく、ビスクドールに当てる。

ハヤテの2発に至っては、コックピットを撃ち抜いている。


「不明機接近!超スピード!コッチ来ル!」

「あいよ!」

ウォルノがハヤテを猫のような影に撃ち込む。

が、右へブーストをふかし回避される。


「躱した!?」

「遅いにゃあ~~」


「ハヤテ分離!ドウスル?」

「その辺立てかけとけ!」


バクン!という音と共にハヤテが外れ、本当に岩に立てかけてる。

ヤクシャが振り向いた瞬間


ガキィン!

「隊長!!」

艦上のリンが遠くウォルノを振り返る。

そこには、両腕で敵のダガーを防ぐヤクシャの姿。

ダガーを振り抜くその機体は、まるで猫のようだ。


「おやぁ~パイロットの反応だけは、いいみたいだねこの子」

「なんだァ、てめぇ……」

宙返りをし、キャッフェが着地する。


「おやぁ、パイロットもワンちゃんなのかにゃ?」

「ハッ、野良猫風情が!」


睨み合う2人。緊張が走る。

「おやおや?一人で私とキャッシードに勝てるかにゃあ♡」

「ほざけ、猫耳女!犬猫で白黒つけようじゃあねェか!」


伊忌島地上戦、最初のカードがオープンした瞬間であった。

【ライナーノーツ】

1 機体について:「キャッシード」→ケット・シーより。アイルランドの伝説に登場する妖精猫のこと。


タイトルも大文字だけ並べ替えると「CAT」になります。

おかげでDaiGoみたいな大文字混じりのタイトルに。

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