足元にすら
毎日投稿をここまで続けられていることが神。
振り上げた剣は田中伸太に当たる……
「ほれ」
前に、デコピンで弾き飛ばされ、逆に俺の肩を切り裂いた。
「……この程度なら問題ないな。ブラックやっていいぞ」
「ワン!」
田中はデコピンをした指を数回スナップさせ、感触を確かめると、何かに満足したのか、隣にいる犬に声をかけて自分の前に出した。
一体何を狙っているのか? スキルは動物に宿らない。舐めるのも大概にしろ。そう思って犬に向かって行った。
――――
数分後、ただの犬に殴りかかった結果、ものの見事にボロ雑巾にされた。
「……!? ……!? !?」
あまりにも驚きすぎて、言葉は愚か、うめき声すら出てこない。あまりにも一方的な戦いだった。
攻撃を躱わしたと思ったら、尻尾が鋭利な刃物に変わり、小型犬の体格でぴょんぴょん飛び跳ねながら、関節を重点的に切り裂いてきた。
おかげで、こちらの体は関節の痛みによってだんだんと鈍くなり、デュールウィングを振るう動きも読みやすくなってしまった。
後は調理。関節以外のところも切り裂いて、まるで揚げ物のように前と後で姿が変わり果ててしまった。
「はぁ……はぁ……」
「ハハ……まるでトマトが潰れた後みたいになっちまったな……はぁ、一方的すぎておもろくもねぇ……」
すると田中は座り込んだ俺に、先ほど見せた鉄球を飲ませようとする。
「……!」
が、鉄球を飲ませようとするということは、それすなわち俺に近づいたということ。戦闘中に近づくということは、俺に攻撃のチャンスを与えるということだ。
(馬鹿め! 最初のラッキーパンチで格上になった時でいやがって!)
「……っ! ここだ!」
俺のデュールウィングは破壊力重視。最初は当たる前に弾き飛ばされてしまっただけだ。しっかり当たればただでは済まない。
「よっ」
そのデュールウィングの刃先を捕まえて……
「反射」
田中に向かうはずだった衝撃が、なぜか俺の方へと反射して炸裂した。
炸裂する瞬間、耳に入ったのは、当然ながら田中の声。
「んじゃ命令だ。俺の正体を秘密にするのは当然だが……これから先、お前らのお姫様のお願いに全て"ノー"と答えろ。本当なら内部の情報も伝えて欲しいが……まぁ、いくら何でもそれは無理だろうな。ま、そこら辺は任せる。せいぜい思い悩んでくれ」
その後、脳を揺らすほどの衝撃に晒され、体中の激痛とともにゆっくりと意識を閉ざしていく中、最後に思ったのはこの言葉。
(負けた……? 俺が……田中なんかに……? 足元にすら……いや、戦いにすら……なっていたのか?)
桃鈴様からの想いでも負けて、力ですら負けたら……一体、俺たちには何が残っているんだ?
――――
東京第二防衛基地。黒ジャケット……田中伸太により壊滅。




