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禁断アタック

新キャラさらに投下です。

今日のHRはいつもと違う。時間になっても先生が来ない。


「土方先生どうしたんっすかね?」


「さあ~、今まで休んだことないって話だしな」


クラスメイトもざわつき始めた時、教室の戸が開けられ、教頭先生が入ってきた。


「起立、礼!」


学級員長が号令をかけた。


「みなさん、おはようございます。土方先生は身内の不幸により2、3日お休みです。

ですから土方先生が不在中は代わりの先生にやっていただきます……といいたいところだったんですが、その先生は遅れているそうなので後々紹介を……」


とその時、廊下から音楽が聞こえてきた。

やたら音声が悪いところ見ると、ラジカセだな。

今の時代のアレは……こだわりを感じる。

それはいいとして、


「ね、姐さん、これって『ワルキューレの騎行』じゃないっすか?」


「……いやぁ~な予感がするな」


ガラガラ

教室の戸が開く。


「SUっみませ~ん! 寝坊したもので遅れてしまいまし~た」


ゲッと叫ぶ生徒が数人。

入ってきたのは、茶髪混じりの髪の毛で、胸元が開いたシャツを着て、赤いスラックスを穿いていた。ビジュアル系のロックバンドの人と言えばいいのか?

てかその服装、場違いにも程があるでしょ?


「はぁ~い、みなさん、ぐっもぉ~~~に~~ん♪」


クラス全員が凍りついた……気がした。

この人誰!? 先生? ぜってぇ認めたくない!


「……はい、今日から2,3日副担任をしていただく……」


「マルクブリュンヒルデ加藤こと、加藤ヒデミでぇ~す☆」


「「「……」」」


な、何このノリノリな人? 俺を遥かに凌ぐノリ……完敗だ。

教頭の声などもうすでに聞こえない。

それをわかってか、教頭はトボトボと頭を押さえながら教室を去っていった。


「おい、そこ何ガッカリしてやがる?」


ね、姐さん。俺の敗北心を感じ取ってくれたんですね? 俺は嬉しいです。


「いや、顔に書いてあるしな。ライバル出現!って感じで」


俺ってそんなにわかりやすい顔?

って、ライバルぅ? むぅ~、そうかも。


「はい、そこのボーイあんどガール! 何ストロベリってんの? ラブラブでいい感じだねぇ~♪ 正直、ウラヤマシイZO ゴルァ!!」


この人怒ってんの? それともからかってんの?

俺としてはボケはいいとして、ツッコミセンスは姐さんの方が数段上だし何と答えていいやら……


「おい、マジであの先生なのかよ?」


「あぁ、確か音楽の加藤だろ?」


「え!? マジかよ。そんな身近な存在!?」


「落ち着け、音楽は選択科目だ。それほど身近じゃない」


「ううう、あの授業が走馬灯のように……」


クラスメイトでもってもらった人にはあまりいい思い出はなさそうだ。


「でも案外、竜輔と気が合ったりして……」


「姐さん、冗談よしてください! あの人がいると俺ってばかなり冷静になっちゃいますよ、きっと」


「あぁ、そのボケって今まで意識してやってたんだな?」


もういいです。

すべてあの人のせいだ。あのビジュアル男が全てを狂わせているんだ。


「はぁ~い、では特別に質問タイムを設けてあげよう! さぁ、Let’s go!」

まぁ誰も手を挙げようとしなかったわけだが。

しかし、1人手を挙げた。女子だ。

あれは……岩倉さん!?


「そこのベリーロングヘアーのガール、どうぞ~♪」


「先生はもてるんですか?」


いきなりストレートな質問だ。

何を考えておられる、岩倉さん!?


「う~ん、なかなかナイスなクエスチョンをしてくれるじゃないの! 答えよう。

バレンタインディーにチョコ100個は貰うYO! それで答えになったかな?」


むっ、100個だと?


「もう一つ、男のハートをゲットする方法を教えてください」


ななななな何~~~~!!?

今日の岩倉さんはなんかトリッキーですねぇ。


「んんんん? 好きなボーイでもいるのかな? いいだろう、私としては~beautifulで

softでかつ……beanなガールがいいかな~。 HAHAHA」


岩倉さんはそれを聞いて必死にメモしている。

マメなんだなぁ~。

ん? そうかbeanはマメな人を指していたのか!

って、今更ながら答えになってないぞ! あんたの好みのタイプは聞いてないって!


「あれはエセ英語だ。この場合のマメはdilligentが正しい。あれは本当に教師か?」


呆れ顔で姐さんが呟いていた。

う~ん、勉強できる姐さんは見ていて最高だ。

あ、そういえば、ラジカセから流れていた『ワルキューレの騎行』がこの時ようやく終わった。


「う~む、時間切れDA! 諸君、また終礼で会おう! 愛について聞きたいなら音楽準備室のマルクスアウレリウス加藤こと、加藤こう~じまでCome on!」


阿婆擦れビジュアル男は教室を疾風の如く出て行った。

クラス内に-360℃ほどの空気が昼休みまで漂っていた。





「うへぇ~~、教室にいるのがつらい」


「同感だ。まったく、こんな時に土方先生が来ないとはな」


放課後、俺と姐さんはいつもの道を我が家に向かって歩いている。

終礼でも勿論あのビジュアル男が来て、その場にあわない『剣の舞』を流しながら愛について語ってやがった。連絡事項がないならとっとと帰してくれよ!


「あっ、姐さん! 手ぇつなぎましょ♪」


「あ……あぁ」


差し出してきた手を俺はしっかり握った。

う~ん、これこそラブラブの王道!


「や、やっぱりこれって恥ずかしいな、今更ながら」


「そうっすか~?」


そういえば、姐さんの顔が真っ赤だ。


「いいじゃないいっすか! 見せつけてやればいいんっすよ、こんな具合に……」


俺は姐さんを引き寄せてキスしようとしたが、


「はい、ストップ! 調子こいてるとこうだ!」


姐さんは俺の小指の根元の間接をコリコリしてきた。


「いたたたた、イタいっす」


うお、まじで今のは効いたぜ!

わりと家庭的な(?)技だが、そんな姐さんも素敵だ。


「あっ、そういや今日は久々に妹が帰ってくるんだった。悪いな、今日は急いで帰る」

がぁ~~ん!!

そりゃねぇぜ、姐さん!


「じゃ、また明日ぁ~」


駆け足で去っていく姐さんの後姿を姿が見えなくなるまで見つめていた俺だった。

せっかくいいムードだったのに……

何もかもあのビジュアル男のせいだと一方的に決め付けることにした。





「たっだいま~」

姐さんがかまってくれないので、寄り道せずに帰宅。

いつもの調子で誰もいない家に帰ってきた事を報告したのが、前例があるため油断はできない。

「今日は返事が返ってこないだろうな……って何これ?」

足元に見慣れないものを発見した。

いつもはこの時間だと何も置かれていないはずの玄関にヒールの高い茶色の靴が一足置いてあったのだ。


「むぅ~……泥棒!? しかも女ですか?」


いやいや、泥棒がこんなにおしゃれでいいのか?

走りやすさを考慮してもこれはないわ。

すると、居間の戸が開かれた。

思わずファイティングポーズをとる俺。

なぁ~んか、姐さんみたい~。

などと呑気な事を考えている余裕はあるらしい。

しかし、出てきた人物は……


「りゅ、竜くん? 久し振りぃ~~~」


髪を腰まで伸ばした背の高い美女が俺に抱きついてきた。

髪からはいいにほいが……ってそんな事言ってる場合じゃない!


「あ、あの、どちら様ですか? も、もしかして小さい頃にお世話になった方ですか?」


なぜか微妙に冷静に反応する俺って何?

すると、その女性は俺から離れて腹を押さえて笑った。


「あははは~、私よ、明音あかねよ!」


はい!? 明音? 誰だっけ?

う~む、幼馴染みにはそんな名前のやつはいなかったと思うし、ここまで大人のおねえさんとなると~(プスプス)

自分からじゃ確認できなかったけど、頭から煙が吹き出る俺。


「……マジで忘れたの?」


「い、いや、その……今まで姐さんのことで頭が一杯であと1200秒くれたら思い出せそうっていうか、あはは……」


言いわけしてみせ、頭を捻りながら考える。

明音、あかね、ねねね……音音音!? 


「お、おとちゃん!?」


「せいかぁ~い♪」


えーと、やっとのことで思い出せた。

この方は俺が小学5年の時(本人は高1)フランスに留学に行った“姉”です。

はい、実姉です。姉さんです。俺とは5つ年上になる。

なんで覚えていなかったかというと……ううう。(涙)

「竜くん、私が帰ってきてそんなに喜んでくれるなんて、姉さん嬉しいわ」

またもや抱きついてきた。

てかそんな理由で泣いてたわけでは


「むごぉむむふんば……」


「会いたかったよぉ。ずいぶん男前になちゃってぇ~。ところで姐さんって誰?」


そんなこと聞かれても、姉さん、通称おとちゃんのダイナマイトボディーに俺は失神していた。





「おぉ~、竜くんっていつのまにこんなに料理できるようになったの?」


「親父がたまにしか帰らないってのに、これくらいできないと生きてけないからね」


今日の晩飯はチンジャオロウス。


まぁ、素を買ってきて野菜と炒めるだけの物だから大したものじゃない。


「今日はお父さんは?」


「帰ってこない。いつパツキンの人連れてきて今日から新しい母さんだぞ!って言い出さないかってビクビクしてる毎日だよ」


「あははは~それはないと思うなぁ~。お父さんってお母さんとラブラブだったらしいから」


けど、海外で知り合った女の話したり、ブレザーが香水臭かったりするんですけど……

まぁ敢えて言わないでおこう。


「ねぇ、さっきの質問に答えてよぉ!」


あのぉ~目がやけにギラギラしてるんですけどぉ~。

まぁいずれは言わなければいけないのだしな。


「“姐さん”っていうのは俺のカノジョで、今すっっっごくラブラブなの! 今度紹介するから楽しみにしててね!」


両手を腰にあてて大声で言ってやった。


「へ、へぇ~~~、そうなんだ……」


何っすか? そのうろたえたような口調は。

顔はニコニコしているが、右頬がひくひくしている。

何考えてんの、おとちゃん?

しかし、おとちゃんってば、かなりのベッピンさんになったもんだ。

子供の頃なんか俺とそう変わらなかったのに今じゃ170はあろうかのモデル体型で、顔も姐さんと負けず劣らず、声も高くて綺麗だ。

これは男が放っておかんでしょ?


「おとちゃんこそカレシできたぁ?」


「え? あぁ、全然だよ~あはは……」


何かあるとみた! 別れたのかな?





晩飯が終わって、自分の部屋に行く。


「さあて、どうすっかな? 宿題はないし、姐さんにメールでも打っとくかな?」


ベッドに寝っ転がって携帯を取り出して、メールを開く。


「竜くん♪ なぁ~にしてんの?」


「おとちゃん……部屋に入る時はノックくらいしてよ」


「あ、ごめんごめん! で、メール?」


「うん、Myカノジョにね♪」


「ふぅ~ん……美佳ちゃん?」


つまらなそうな顔でこちらを見つめている。


「違~う、別の人! で、何か用?」


「え!? あぁ、何でもないよ。どうぞ、続けて」


言われなくとも続けますがね。

ストロベリーなメッセージを送信してからおとちゃんの行動を見る。


「何してんの?」


物置やら、押し入れやらを開けていろいろ物色している。


「え、そんなの決まってんじゃん! 竜くんの“アレ”を拝見したくてね(ニヤニヤ)」


「“アレ”?」


「もう、わかってんでしょ? あれよ、エロスな本よ(はあと)」


「ぶっ!!!」


何を言い出すかと思えばそれですか?

まったく、姐さんと同じ事言ってやがる。


「ないっすよ! 俺は姐さんさえいればそれでいいの!」


「え~~~~、つまんな~い」


本当につまらなそうな顔をして押し入れの襖を閉めた。


「おかしいよ、竜くん! もしかして不能!?」


「……つくづく姐さんと同じことを」


「失礼な、私も姉さんよ!」


もういいです。わかったから早く出てってくださいよ。

そう言おうとしたのに声が出てこない。

何でって?

そりゃ、もうかれこれ6年は会っていない姉が帰ってきたんだ。

しかもかなり美人になってだぞ?

その……見とれてました。すいません姐さん、それと姉さん。


「どうしたの? ほっぺた真っ赤にしちゃってぇ~。あぁ~もしかして竜くんたら今えっちぃこと考えてたでしょ?」


「ええええ!? そそ、そんなんじゃないって!」


「……いいのよ、竜君」


なぜかすっげー色っぽい声になった。色っぽ過ぎて金縛り状態なんすけど。


「私ね、竜くんだったらその……いいと思ってるの」


「ははははははいぃ!?」


頭は真っ白。

おとちゃんはベッドで寝転がっている俺に馬乗りになって手を胸に置いた。


「ああああああああ……」


「ねぇ~え? 私のことどう思う?」


「う、おとちゃんはおとちゃんかと……」


この状況なんなんだよ!?

おとちゃんの目は本気っぽいし、あぁ~これってば近親相姦ってやつ?

禁断の姉弟の姉弟よる姉弟の為の姉弟な時間!?

俺の意識より先に理性が逝ってしまったらそれこそ世間を敵にまわしてしてしまう!

しかも姐さんはどうなるんだ?

せっかくラブラブだったのにぃ~~!!


「竜くん……」


おとちゃんは目を閉じて唇を差し出してきた。

NO~~~~~!!!

このままじゃキスの本場(?)で鍛えられてきたおとちゃんの唇の餌食になってしまう。

やっぱ……ディープなのか?(ドキドキ)

じゃなくて!


俺は迫り来るおとちゃんの体をどうにか押さえて横に転がした。

思ったより軽い体は上手いこと俺とおとちゃんの位置を逆転させた。

「やあん、竜くんったらぁ~その位置じゃないとダメなの~? まぁ私としてはどっちでもばっち来~いなんだけど。(はあと)」


まぁそれは置いといて、


「おとちゃん……“俺の”おとちゃんは何処に行ったの?

むしろ何処に“逝った”の?」


「何処ってここにいるじゃなぁい?」


ここにいるのはただ俺と姐さんの恋路を邪魔しようとしているセクシーなお姉さまにしか見えないです。

昔の俺なら満更でも……いかんいかん、不潔だ。近親相姦だぞ!? 世の中認めてくれない禁断の交わりですぞ! しかも俺には姐さんいるし、あぁ~~~もややこしい!!

メチャクチャじゃないかYO!


「とにかく、なんだっておとちゃんは俺に誘惑するかなぁ?

昔はかなり真面目で俺のことちゃんと叱ってくれたじゃないか!

あれはダメでこれはイイって感じでさ」


「えぇ~、あれって単にお母さんの真似して竜くんの気を引こうと思ってただけなんだけどぉ~?」


「ぶっ!!」


なんてこと言ってくれるのよ、おとちゃん!

俺は尊敬してたんたぞ。勉強もできて運動もできて、なおかつ俺と美佳の世話もしてくれたし……。

かあちゃんが死んでから木城家にお世話になっていた時、部活も一生懸命やりながらいろいろな事をやってくれたおとちゃんはそれはもう俺の憧れの的!

俺もいつかはおとちゃんのような素敵な女性をばゲットするべくそれはもうメラメラに燃えていたさ。

しかし、そのオチがこうとはね。俺、死にたくなってきました。

後で思い出した事。

俺と美佳が仲良く遊んでいる時、おとちゃんはかなり嫌そうな顔をしていた。あれは嫉妬だったんだな。

そこまで好きならなんで留学しにいったんだろうかって?

……今度聞いておこう。


主人公の身長は160cm、姐さんは170cmの設定です。

お姉さんは保健室の先生とキャラがかぶりますが、姉はセクシー系、先生は天然系と言い張ります!

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