第7話 真実
私は一瞬で刀を抜き、鬼の顔めがけて斬りかかった。
しかし、鬼は軽々とそれをかわした。そして嘲るような笑みを浮かべ続けていた。
「遅すぎるな。どうだ、私のようになってみる気はないか? 老いなど永遠に忘れられるぞ。」
私は刀の柄を強く握り締めた。しかし、私はまだ目の前の存在が何者なのか理解できなかった。
「お前は何者だ!? 私の村を滅ぼしたのはお前か!? 私の家族を殺したのもお前か!?」
答える代わりに、鬼は突然狂ったように大声で笑い始めた。その笑い声は寺中に響き渡り、私の正気を奪っていく。
私の視線は鬼の首だけを見つめていた。私が望むのは、その首を斬り落とすことだけだった。隙を見て、私は再び斬りかかった。
しかし、鬼はまたもあっさりとかわした。
「質問をしておきながら、返事も待たずに斬りかかるのか? 両親から礼儀を教わらなかったのか。」
「黙れ! お前に私の両親を語る資格などない!」
「少し訂正してやろう、源蔵……お前が言いたかったのは、『俺たちの両親』だろう。」
私はその場で凍りついた。足元から力が抜け、何を言われているのかまったく理解できなかった。
「驚いたか? 弟よ。」
「弟……? まさか……お前は……武政なのか?」
鬼はさらに笑みを深め、両腕を大きく広げた。
「その通り! 俺だ。お前の兄だ!」
その瞬間、私は最後まで自分の耳を疑っていた。私の兄が、この上位の鬼だというのか。
「そんなはずがない! なぜだ!? どうしてこんなことをした!?」
「あの夜、俺は普通の人間では誰も夢見ることすらできない力を手に入れた。」
「力だと? お前はもともと最強クラスの侍だった! 皆がお前を目標にしていた。私も、そして泰村も!」
「その通りだ。だが俺は、『最強の一人』では満足できなかった。一度たりとも満足したことはない。俺は常に『最強』そのものになりたかった。」
「だが、どうやってそんな化け物になった!?」
「偶然、古い巻物を見つけた。そこには力を手に入れる方法が詳しく記されていた。俺は寺で儀式を行い、望んでいた力を手に入れた。」
私の目には涙が浮かんでいた。しかし、それ以上に怒りが込み上げていた。
「だが、なぜ私たちの村だった!? なぜ皆を殺した!?」
「分かるか? 儀式を終えて力を手に入れた瞬間、俺たちは激しい血への渇きと人間の肉を食いたいという衝動に襲われた。」
兄は少し間を置き、私の目をじっと見つめながら続けた。
「そんなに家族のことが気になるなら教えてやる。父さんも母さんも逃げようとはしなかった。ただ静かに、自分たちの運命を受け入れた。」
「だが、弟の泰村だけは最後まで俺を止めようとしていた。死ぬ間際まで『やめてくれ』と懇願しながら……最後に小さく、お前の名前だけを呼んでいた。」




