8話 武器も買いました。すっからかんです。
ゼネスさんの店を出て、次は武器を手に入れようということでこれまた裏通り…ではなく、今度は普通に表通りの武器屋に入店。
「いらっしゃいませっス!」
「ユーリちゃん、やっほ〜」
「ルナさん!こんにちはっス!装備の修理ッスか?」
店内に入ると、金髪ウルフカットのエルフらしき女の子がいた。
「今日はね、この子の武器を見ようと思ってきたの〜」
「そうなんスね!あたしはユーリっス!よろしくっス!」
「アイシャと申しますわ。よろしくお願いしますわね」
「ほわ〜…ルナさんルナさん、アイシャさんなんかお姫様みたいっス!」
「はい?」
ふんすふんすとルナ先輩に言うユーリさん。お姫様…本当の姫はもっとちゃんとしてるよ、例えばスカイ殿下とか…あ、あの人は王子だったか。
「ふふ、ユーリちゃん、アイシャちゃんの装備考えてあげて?」
「ハッ…も、申し訳ないっス!またやっちゃったっス…」
「い、いえ…大丈夫ですわ」
「それじゃ、どういうのがお好みっスか?剣とか杖とかあるっスけど」
「そうですわね、剣をお願いしたいですわ」
「剣っスね!大剣とか片手剣とかあるっスけど?」
個人的には脇差が1番使い慣れてるんだけど…多分この世界には片刃の小型剣なんてものはないだろうなぁ。
「できるだけ片手で扱える剣がいいですわね」
「了解っス!でしたら…」
ガチャガチャと在庫を漁るユーリさん。
「うーん…アイシャさん、予算聞いていいっスか?」
「8万レソが上限ですわね」
「ふむふむ…ならこれなんかどうっス?」
ユーリさんが取り出したのは、剣身が太めの両刃の剣。
「初心者の人には大体これをオススメしてるっス。基本中の基本っスけど、素材にドラゴニュートの鱗を使わせて貰ってるので硬度は高いっス!」
「ふむ…重いですわね…」
「強度持たせるために厚く鍛えてるっスからね。軽いのだとポキポキ折れちゃうっスよ」
「もう少し剣身が細いものはありませんこと?」
「細身のっスね?ちょっと待って下さいっス」
再びガチャガチャと在庫漁りをするユーリさん。
「レイピアみたいなのはどうっス?」
「突きよりは斬るタイプの方がいいですわね。…申し訳ございません、注文が多いですわよね」
「いえいえ!武器は人によって合う合わないがあるっスから!」
ええ子や、ユーリさん。多分年上だけど。前世のやたら注文の多い年寄りとか、頑固な店員とは雲泥の差だ。
「ちょっと扱いには技術がいるっスけど、こんなんはどうっス?」
そう言ったユーリさんが取り出したのは、細身の剣。レイピアのように突きを主軸に置かず、但し大剣や剣身の太い剣のようにパワーと重さでへし折るタイプでもない。
「硬さは保証するんスけど…」
ヒュンヒュンと素振りしてみる。いいね、軽くて取り回しやすい。あとデザインが綺麗。買おうかな?
「いいですわね、おいくらですの?」
「買ってくれるっスか?ちょっと値が張って7万5千レソなんスけど…」
ぐっ…買ってやらぁ!
「まいどありっス!またご贔屓にっス!」
「良かったねぇ」
「懐はほとんど空になりましたけれどね…」
ユーリさんの店を出て帰路につく。
「明日からまたシフト入らなくてはですわね…」
「ふふ、頑張ろうね〜」
すっからかんになってしょぼんとしている私とは対照的に、ルナ先輩はどこか楽しそうだ。
「そうかな〜?そうかもねぇ。だって初めての後輩ちゃんが冒険者でも後輩ちゃんになったんだもの〜」
なるほど、そういう理由か。確かに学校の後輩がバイトでも一緒になったら楽しくなるか。
そのバイトがバニーカフェなのは目を瞑るとして。
「この調子では冒険者として活動できるのはまだまだ先になりそうですわね…」
「そうでもないよ〜?新人の間は受けられるクエストも簡単なものしかないし、お昼にクエストして夜にお仕事するなんてこともできるよ〜?」
そっか、駆け出しだから別に時間かかるクエストはないのか。
「わたしは、昔はお昼にクエストやって夜はお仕事してたんだよ〜」
「なるほど…それもありですわね」
「うんうん、無理しない範囲でね〜」
先輩のありがたーいアドバイスを貰い、俄然やる気が湧いた。
「ちなみに、はじめたての冒険者ができるクエストは、大きく分けて3種類あるよ〜」
曰く、
・住民のお助けクエスト
・採集クエスト
・討伐クエスト
の3種類とのこと。
1つ目のお助けクエストとは、住民のお困り事を解決する何でも屋のような感じらしい。探し物や荷物持ち、あとたまにいかがわしい内容のもあるらしいけど、そういうのは通報する義務があるんだとか。
2つ目の採集クエストは、その名の通り薬草やポーションの材料となる植物の採集を行うクエスト。街の外に出て行うため、魔物との遭遇の危険がある。
3つ目の討伐クエストとは、街の周辺に出没する、雑魚な魔物…スライムとか、狼とかを討伐するクエスト。これは冒険者として魔物を狩ることが出来るかどうかの判断材料になるとのことで、討伐クエストをこなすと他の2種類をやるよりも早く昇級できるらしい。
よーし、頑張って討伐クエストやろう。
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