60話 第一王子…いや、第一王女です!?
10/4 今確認したら昨日更新できてなくて大焦りな作者です。昨日色々と忙しくて確認できてなかったのが敗因です、申し訳ございませんでした。
「実は私は、女なんだ」
スカイ第一王子殿下のいらっしゃるという部屋に入ると現れた、スカイ殿下の顔をした女性。
それから1悶着あって、どうやら目の前の女性がスカイ殿下らしいということが判明。
そして冒頭の発言に至る。
「…はい?いえ、まあ、それは見れば分かるのですが。…え?殿下の影武者…身代わりなどではなくですの?」
私はアイシャとして生まれてから、ずっとスカイ殿下は男性であると思っていたから大混乱に陥ってるよ。
そんな私の疑問に答えたのは、殿下(?)本人ではなく殿下の隣に座っていたレイア様だった。
「アイシャ様、信じられないかとは思いますが、こちらの殿下は殿下ご本人です」
…ま?
いや、殿下が男性だと思ってたから、スカイ殿下の顔をした女性とばったり会って、影武者と出会ってしまったと思ったのよ。それで影武者の存在を知るのは良くないだろうと思ったから「殿下が実は女性でした!」という事で口裏を合わせようと思ったんだけど…。
目の前の殿下が、「男性である殿下の影武者の女性」ではなく「女性である殿下ご本人」ということが他でもない殿下の婚約者たるレイア様から説明され、後者が真実ということが公式発表になってしまった。
「スゥー…フゥー。他でもないレイア様がそう仰るのであれば、そうなのでしょう」
ここで終わっておけば、全てが丸く収まるだろう。逆にこれ以上踏み込むと、イグルー王国のちょっとした闇に触れてしまう気がする。
しかし私の信条として、女の子には全員笑顔になってもらいたいというものがある。そのためなら、相手の抱える闇を土足で踏み荒らすのだって厭わない!スカイ第一王子殿下…もとい、第一王女殿下の抱える闇にも喜んで踏み込んでみせようじゃないの。
「…しかし、何故殿下は男性に扮しておられたのでしょうか?」
「それは…」
答えて良いものか、と悩んでいる様子のレイア様。それをスカイ殿下が手で抑え、
「いいんだ、レイア。アイシャ嬢、私がキミにこの話を伝えるということは、国家機密を共有することになる。アイシャ嬢はその覚悟があるかい?」
「当然ですわ。そもそもその覚悟がなければ、このような質問は致しませんもの。国家の闇どんとこいですわ」
「ふふ、そうだったね。ではまずどこから話すべきか──」
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まず私は父上と母上──国王陛下と王妃陛下の間に生まれた第一子であることは知っているね?…ああ、すまない。常識だったね。謝らなくていい?ふふ、そうか。
さて、私は陛下の第一子である訳だけれども、先ほど明かした通り、私は女として生まれた。本来であれば王女として過ごすはずであり、生まれた順番であれば王位継承権第一位のはずなんだ。
だけどまあ、アイシャ嬢も知っていると思うけど、残念ながら我が国は男性優性主義が未だに根強く信じられている。当時、父上は私が生まれたことは隠しつつ、王女に王位継承権第一位を与えることについて聞いたそうだ。結果は多くの貴族から反対を受けたというし、1部の貴族からは『女が王位につくなど納得がいかない、もしそうなったら女は外交の駒にして陛下はさっさと王子を産ませるべき』という意見まで出たらしい。
そういう訳で、私は男として──王子として育てられることになったという訳だ。その2年後にランドが生まれ、晴れてきちんとした王子が誕生したんだけど…。はあ、あいつが私よりもマトモで有能ならまだ良かったのに、あの体たらくだから未だに王太子の選出に至っていないんだから。
あぁ、話が逸れたね。うん?なぜ私が王太子にならないのかって?それはやはり、私が女だからじゃないかな。
私が王子として王太子になったとしよう。しかし、それでいつか私が女であることが判明したとき、貴族の信頼は揺らぐだろう。下手をすると、あの無能でバカなランドにつくという貴族が増え、無能が王になる最悪のシナリオが発生してしまうかもしれない。それに私が王位についたとて、私はレイアに子を産ませることができない。かといって王子として王位につく以上、男子を娶ることは女神教の教義にある同性愛の禁止に反することになってしまうだろう?
だから、王太子の選出を遅らせているんだよ。まあ、問題の先送りでしかないんだけどね…。
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「なるほど…。確かに、殿下の仰る通りですわね。ここでも足を引っ張るのですわね、女神教は」
「父上と母上は私を男として育てたことに引け目を感じているみたいだけどね。やはり宗教の恩恵には中々逆らえないようだ」
「…そういえば、わたくし学園にいた頃、殿下とレイア様のすれ違いを正させて頂きましたけれど…。もしかして、わたくし余計なお世話をしてしまいまして?」
あの時すれ違っていたのが、実はおふたりとも好きな男性ができてその人たちと仲を深めようとしていたんだったら少し申し訳ない。
「いや、それはないと断言させて貰うよ。私とレイアが愛し合っているというのは私が女であることのカモフラージュではなく。あまり大声では言えないんだが…私もレイアも、本当にお互いに愛し合っているんだ。つまり、私たちも同性愛なんだ」
な、なんだって〜!?
まさかこんな近くに同志(?)がいたとは!まあ私はTS転生しての女好きなので私の中では異性間恋愛だから明確に同志とは言えないかもしれないけど!
あれ?だとすると前に…
『例え同性愛者であることが判明しても、堂々としているキミの姿が、とても眩しく感じられたからなんだ』
って言ってたのって、そういうこと?
「あはは…。そんなこともあったね。あの時はまさかキミに秘密を打ち明けることになるとは思ってもいなかったから、遠回しに本心を言ったんだ。キミも今の今まで気づいていなかったみたいだし」
「あの一言でここに辿り着く人間はまずいないと思いますわ…」
と、ここでコンコンとノックが。
「ご歓談中失礼します。旦那様より、これからについて話がしたいとの言伝でございます」
「ああ、分かった。すぐに向かうよ」
「は、かしこまりました。旦那様にはそのように申し上げておきます。そうそう、今回はお嬢様も同席頂くようにとのことでございます」
「かしこまりましたわ」
「それでは、私めはこれで」
ガチャリ、とドアが閉められる。
「さて、それでは行こうか」
「はい!」
「かしこまりましたわ。…そういえば、殿下はご自身の秘密についてどこまで明かされているのですか?」
「うん?父上と母上はまず知っているとして…。レイアとアイシャ嬢、2人だけだよ」
ふむふむ、つまりレイア様と同じくらい私を信用してくれている、と。
ッシャァ!!(心の中で渾身のガッツポーズをする私)
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