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57話 家族と再会です

レオナード公爵領に進入し屋敷に急ぐ途中、弟のミハイルが指揮を執る弟、ミハイル・レオナードを見つけ大急ぎで救援に向かう私。


「はぁぁぁぁあああ!」


強化された身体能力を最大限活かし一気に突撃、体勢を崩した騎士に襲いかかろうとしていたオークの首を1振りで切断。オークは断末魔を挙げることなく崩れ落ちる。そのまま他の魔物を倒しにいく!

騎士である彼らにとっては脅威かもしれないけど、冒険者である私にとっては小遣い稼ぎ程度の魔狼、群れてなければ楽勝なゴブリン、腕の鳴るオーク。

オークは数が少ないしゴブリンもさほど群れている訳ではないのでこれなら数分で片をつけてみせよう。


----------


宣言通り、ものの数分で魔物たちを殲滅。その間騎士たちはただ見てるだけだったのが実力の差を感じでなんだかなーと複雑な気持ちになるね。


「姉…うえ…?」


一息ついて騎士たちの方に振り返ると、ひと足早く我に返ったらしいミハイルが呆然と呟いた。

……ってあれ?なんかやっぱりミハイル茫然としてない?なんか理解を拒む顔してるんだけど!?


「えっと…ミハイル?」

「…姉上?」

「ええ。わたくしは間違いなくアイシャですわ」

「よくぞご無事で…!」


ミハイルは感極まったかのように瞳に涙を浮かべ敬礼と共にそう言った。


「おかえりなさい、姉上」

「ええ、ただいま帰りましたわ」

「ぐすっ…。それで姉上、その…その衣服は一体…?」

「あ〜…。向こうで少々ありまして」

「向こう…ハッ、魔族ですか!?魔族にそのような布面積の少ない破廉恥な服を着ろと命令されたのですか!?許せない!」

「落ち着きなさい!魔族の皆様は関係ありませんわ。とりあえず、お父様…レオナード公爵閣下にお会いしたいので案内を頼めるかしら?」

「分かりました…。皆、ここの防衛をしばらく頼む」

「ああ、そうそう。わたくし以外にも何名か来ているはずですし…『ライトボール』」


光魔法のなかでも基礎的な魔法で冒険者なら誰でも使える『ライトボール』を空中に放つ。これは出発の際に支部長から言われていた共通の連絡手段で、「手が空いていたらとりあえず来てくれ」という意味。


放ってから数分もしない内に冒険者がやって来て、


「あ、アイシャさんでしたか。どうやら私は一番乗りとはいかなかったみたいですね」

「わたくしはスキルも使っておりましたし、この辺りの出身でしたので。それよりもリンさん、確か魔力通信が使えましたよね?向こうの冒険者の方々に到達の一報をお願いしますわ。それと、この辺りに魔物がやってきているようですので、他の冒険者と一緒に魔物の対処をお願いしたいですわ」

「へぇ、こっちの出身なんですね。わかりました、届くかわかりませんがやってみます。あと魔物の対処の件も」

「助かりますわ。わたくしはこちらの領主と話をして参ります」

「お願いしますね」


恐らく近くに来ていた魔族の冒険者であるリンさんに色々とお願いしておいた。向こうもいつまでも魔物狩りは大変だろうし、そもそも私たちが辿り着けた時点で魔物の陽動は不要になるしね。


「お待たせしました、閣下のところへお願いしますわ」

「姉上、今の方は?」

「わたくしの仲間…とでも言っておきましょうか。とりあえず、信用できる方ですわ」

「そうですか。姉上が信用しているのなら大丈夫なんでしょう。こっちです」


----------

レオナード公爵領・騎士団本部改め作戦本部──


「失礼します。父上、ただいま戻りました」

「戻ったか。無事か?」

「それに関して、お会い頂きたい方が」

「なに?一体だれ──が──」


私が部屋に入ると、お父様があんぐりと口を開けて持っていたペンを落とした。まあ、そういう反応にもなるか。


「お父様、お恥ずかしながら帰って参りましたわ」

「アイ…シャ…?」

「はい、お父様の娘、アイシャですわ」

「…騎士たちよ、少し外に出ていろ」

「「はっ!」」


空気を読んだ騎士たちは部屋を後にする。何人かは私が屋敷にいた頃から騎士団に在籍していたので私のことを知っている人もいるはず。


「アイシャ…無事であったか…!」

「ええ。この通り、ぴんぴんしておりますわ」


お父様ははじめは涙を堪えていたけど、私が本物で目の前にいるという事実を認識した途端涙が溢れだした。

その端正な顔がくしゃっと歪んで、


「アイシャ…!」


と思いっきり抱きしめられた。

これが他の男なら拒否するところだけど、お父様はお父様だからオッケー。大人しく抱きしめられることにする。

私はあれから魔国に行って、色々な人と出会えたけれどお父様たちは私がいなくなってそのまま。再会の感情も変わってくるんだろう。


「話はあとでしよう。まずは母さんに顔をみせてやりなさい。それと、今屋敷では第一王子殿下を匿っている。殿下にもご挨拶申し上げてきなさい」

「第一王子殿下がいらっしゃるのですか?殿下は無事なのですね?」

「ああ、今のところは無事だ」


私はそれを聞くなり作戦本部という部屋を後にし、屋敷へ急ぐのだった。

最後までお読みいただきありがとうございます!よければいいねでの応援・星評価・感想コメント等をいただけると嬉しいです(作者のモチベにつながります)。次回ものんびりお待ちいただければ幸いでございます。

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