55話 魔の森を突破しました、レオナード公爵領に進入です!
累計評価100Pt&10,000PV突破!!
『血の魔王』レベッカと共にイグルー王国支援のため、魔の森を全速力で駆け抜けつつ魔物を(レベッカが)瞬殺する私たち。
「…あら?この不自然な痕跡…」
「む?その折れた木がどうしたのじゃ?」
私たちは少し開けた場所に出たので、ここでちょっと休憩をしようということになった。
それまで走ることや周囲を警戒することに脳のリソースを割いていたのが、少し余裕ができたので冷静に周囲を見渡せるようになり。
周りを見渡してみると、脳裏に引っかかる感じを覚えた。
「折れた木…倒木…そしてこちらに行くと…やっぱり」
「アイシャよ、休憩はよいのか?」
「いえ、少し気になってしまって」
まるで魔法か何かで吹き飛ばされたかのような折れ方をしている木や、不自然に抉れた地面。そして小さめな倒木、そこから数メートル横には何かしらのベリーの低木。
もしかして…。
「…あら?これは」
地面をよく見てみると土や木の根とは違う物体が。
拾い上げてみると、それは狼サイズの牙だった。
「さっきから何をしておるんじゃ?」
「間違いなさそうですわね…。わたくしの記憶が正しければ──」
「ここは1年前、わたくしが倒れた場所かと」
「なんじゃと…?」
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私は倒木にもたれかかり周囲をじっくり見てみる。
「レベッカはわたくしの出自について、どこまで知っておりまして?」
「お主の出自か?以前お主が言っておったように、魔国の出身ではないということくらいしか…あぁ!あとミリアから聞いたが、森で倒れておったところをあやつの娘が助けたということは聞いたの」
「そうですか。その倒れていた場所はまさしくここですわ」
「ここ?…お主もしや」
「はい、わたくしは──」
「家族と喧嘩して家出した挙句、この森に迷い込んで行き倒れたのか!?」
「──はい???」
?????
---(少女説明中)---
「そうか…。弁明の機会も与えられず、家族と別れも済ませられず…辛かったであろう」
「ええ。追放された直後や今の生活を与えられてからしばらくは、いつか復讐をしようと企んでいた時期もありましたわ。しかしお姉様方やママ、アカリ店長やルナ先輩。そして首都で出会った皆様やレベッカ、あなたと出会って交流するうち、その気持ちもどこかへ飛んで言ってしまいましたわ。その点では感謝申し上げなければなりませんわね」
「う、うむ?少しばかり小っ恥ずかしいが、受け取るとしよう」
「ふふ、そこまで照れることもございませんでしょうに」
「照れてなどおらぬわ!」
「ふふ…」
「クハ…」
それから少しばかり、2人して笑いあった。
「ふふ…ふう。さて、気を取り直しまして…。ここに辿り着いたということは、イグルー王国も近いと思いますわ」
「む?そうなのか?」
「ええ。以前ここで倒れた時、直前に相手をした魔物はダークウルフでしたわ。それも、当時のわたくしでも倒せる程度の。ならば、魔の森の相当浅層であると考えられるでしょう?」
「そうじゃったか。確かに、冒険者でもなく、ましてやそれまで一介の令嬢に過ぎなかったお主でも対処ができたと考えればここはかなり森の端に近いのやもしれぬの。この森の深層は、そのような者が生き残れる程易しくはないでな」
どうやら私よりも遥かに魔の森について知っているレベッカからも同意を得られたので、ここがイグルー王国寄りのかなり浅層である可能性が高まった。
戦闘経験のない貴族令嬢時代の私が数日間迷いながら辿り着いたことからも、恐らくレオナード公爵領…故郷はもうすぐそこだと思われる。
というかお姉様方、よくこんなところで倒れてる私を見つけられたね?
「ふむ、ならばアイシャよ、お主は先に行っておくがいい。我は変装をせねばならぬからの」
「かしこまりましたわ。ではお先に」
言い終わらぬ内に私は走り出す。頭では冷静なつもりでもどこか逸っているのかもしれない。国や政府はどうでもいいとしても、家族仲が良かった影響か家族のことを考えるとどうしても足が急げ急げと言ってくるように速く動いてしまう。
そうして数分間全速力で走り続けた末、ついに魔の森の端が見えた。あの境界を抜ければそこはレオナード公爵領!
私は逸る気持ちそのまま、速度を落とすことなくそこへ向かって走り抜け、ついに森を抜けた!!
「帰ってきたのですね…」
空気が違うとか、懐かしい平原だとかいうことはない。もしかするとここはレオナード公爵領ではなくて、1周回って魔国なのかもしれない。
だけど何故かは分からないけどここはレオナード公爵領だという確信があった。
「こうしてはいられませんわね、頂いた情報が確かならば公爵家が危険に晒されているはずですわ」
再び走り出す。走る内に記憶に残っている風景や建物が見え、確定していなかった「レオナード公爵領に到達した」ということが事実として確定できた。
そしてこの建物がここにあるなら公爵家の屋敷はあっち…ここを通過したならそっち…と記憶を辿りながら公爵家を目指す私なのだった──。
前書きにも書いた通り、累計の評価ポイントが100Ptを突破&累計PVが10,000PVを突破致しました!これもいつもお読み頂いている読者の皆様のおかげでございます!
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