4話 バイト先はバニーコンカフェ!?
「確かこの辺りだったはず…」
どうも、拾われた淫魔の屋敷から自立したはいいものの働き先がないので冒険者の装備も買えず、バイト先を探している系人間のアイシャです。
今は、ミリアさんの紹介してくれたであろうお店を探して街中をさ迷っているところです。
「ん〜…なんかこれっぽい?ですわ?」
大まかな場所を伝えられていたのでその辺りに来ている。
んー、東区画3丁目12番通りって言われてたし、店の看板にお酒のマークあるしここっぽい?
「すみませーん」
「はーい。…あっ、もしかして?」
「あ、はい。アイシャと申しますわ」
「やっぱり!入って入って〜」
事前に話が行っていたのだろう、女性が出てきて、すんなりと話がすすんだ。
「じゃ、とりあえず今日からよろしくね。私はアカリ、魔族だよ。ここの店長兼オーナーなの。アイシャちゃんは人間だよね?」
「はい、そうですわ。魔族だったのですね、あまり見た目に差異がないので分かりませんでしたわ」
「そっかそっかー。そうだねー、魔族なんてそんなもんだよ〜。うーん、見た感じサイズはこの位かな?よいしょ、とりあえずこれに着替えてねー」
「かしこまりましたわ」
すごいすんなり話が進む。前世のバイトでももっと色々聞かれたのに、ミリアさんパワーすごい。
──この時、実は私は12番通りではなく10番通りにいて、ミリアさんの紹介してくれた店とは全く違う店に入ったと知ったのは、もっと後になってからだった。
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更衣室で貰った服を広げる──んなっ!?
「ば、ばばばバニースーツ!?」
それは、典型的なえっちなバニースーツだった!
上半身は胸元どころか横と上は全く布がなく、胸の部分をぺろんとめくればピンクのさくらんぼがこんにちはするような構造だった。
そして黒の網タイツ(網目は細かく、それがより扇情的に見える)の上から着ることによってよりえっちっちなバニーガールの出来上がり。
上着として燕尾服風のジャケットがあるにはあるが、前を止めるファスナーやボタンなどというものはなく、胸をより主張させるに留まる。
仕上げにうさ耳を付ければ、そこには顔を真っ赤にしたバニーガールが誕生していた。
「アイシャちゃーん着替えたー?ってうお、えっろ」
「こ、これ本当ですの?」
「?そうだよ?うちの制服」
「そ、そうなんですのね…」
ミリアさんのことだから、もしかしたらこういうところを紹介してきた可能性も無くはない。なにせ淫魔だから。
「じゃー、仕事について教えるね。うちは基本夜の営業なんだけど、うちはお触り禁止だからおっぱいとかお尻揉んでくる不届き者がいたら容赦なく追い出してね。あと別にお客に媚びる必要もないよ」
「そ、それでやっていけるんですの…?」
「これがねぇ、やってけるんだ、不思議と。あとお酒の作り方分からなかったら聞いてね〜。はい、これお酒のリスト」
そこには割とよく見るお酒の名前が並んでいた。作り方も同じようだ。
──前世でカクテルとかの名前とか作り方とか、趣味で覚えててよかった。初めて役に立ったよこの知識。
「…ふん、ふん。基本的には作り方は分かりますわね」
「えっ、すごい!前にやってたことある?」
「あ、いえ…以前、趣味で調べていた程度で…」
「へーそうなんだ!これは即戦力確保かなぁ?」
「お、お手柔らかにお願いしますわ…?」
その後、フロアの清掃や他の従業員との顔合わせ、キッチンの確認などをして、営業開始に備える。いつしか日が暮れて、夜の街が顔を覗かせ始めていた。
「そろそろだよぉ。アイシャちゃん、頑張ろうね〜」
「はい、よろしくお願いしますわ、ルナ先輩」
他の従業員…と言っても、店舗の規模が小さいこともあって店長と私ともう1人の先輩の3人体制。
よって顔合わせしたのはルナ先輩ただ一人だった。
ルナ先輩はピンクゴールドのセミロングで、ゆるふわ系の半魔族。なんと人間と魔族のハーフなのだ。見た目はあまり変わらないのでお察しの通り言われるまで気づかなかったけど。
「それにしても…」
「ん?どしたの〜アイシャちゃん」
「いえ…ルナ先輩の制服って、その、わたくしよりも大胆といいますか…」
私の制服は網タイツの上からバニースーツ──下はレオタードタイプ、上はさくらんぼと下半球だけを守る典型的なもの──に燕尾服風の上着を着ているのだが。
だが。
ルナ先輩は上着を着ていないことに加え、背中がガッツリ空いたデザインになっていた。
大胆というか誘ってるというか…な、デザインである。けしからん。
「えへへ〜、そうでしょ?うち、制服の改造オッケーなんだ〜」
「そ、そうなのですね…」
「ちなみに店長はもっとすごいよ〜?」
え?これの上があるの?
「お待たせ〜」
「お、噂をすれば。てんちょー、制服見せたげて〜」
「ん〜?」
「んなぁっ!?」
店長の制服は大胆を超えた大胆だった。
網タイツの上からバニースーツ…はまだいい。
お腹にハートマークの穴が空いていて、おへそが丸出し。更には背中がほぼ布がなく、上着という概念を持ち合わせていない。
これでお触り禁止なのだから、客には少々同情する。
お触りしてくる輩は追い出すけど。
「さ、それじゃ開店よ!」
「は〜い」
「は、はいですわ」
私、これからやってけるだろうか?
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