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44話 街に転移するそうです

海竜と『精霊鎧装』をした上で『血の魔王』レベッカに血を吸わせ喘ぎ散らかし、ミミちゃんたちの前で痴態をひけらかしてしまった私。

正気を取り戻したレベッカと、ようやく対話ができそう。


「さて…まずは改めて礼を言おう、人の子よ。自らの血を失うことをも厭わず、また幼き命を守らんとするその心、賞賛に値する」

「はぁ…。ありがとう存じますわ。『精霊鎧装』解除…。さて、ようやく落ち着いて話ができそうですわね?」


もうスキルを使っている必要はなさそうなので解除しておく。ありがとね、海竜。


「うむ。お主は他の穢れた血どもとは違うようじゃからの」

「…わかるんですの?」

「うむ。血の味じゃよ」

「…はい?」

「驚くのも無理はなかろう。じゃが我は吸血姫じゃからの。その者に流れる血の味で善悪の判断はある程度できる。民に仇なす邪な者どもは臭い不味い穢らわしいと酷いものじゃが、お主の血は清く、甘美で艶めかしい」

「…えーと?」

「まあ要するに、お主の血はエロいということじゃ」

「ちょっなっ!?」

「クハハ、冗談じゃ、半分はな。さて、この辺りで本題に移るとしようかの。我はレベッカ・フォン・アルテリア。最後の純血の吸血姫にして『血の魔王』である。人の子よ、お主の名はなんと申す?」

「わたくしはアイシャと申しますわ」

「アイシャか。良き名じゃ。さて、単刀直入に聞こう。アイシャよ、お主何のためにここへ来た」


あ、レベッカの纏う魔力と放たれる圧が強くなった。何も知らない人がここにいたら威圧だと思ってビビるかもしれないけど、私からすればレベッカは私を試してる程度なんだろう。本気で威圧するならこの程度で済むわけがないし、子どもたちの前だもん。本気で威圧したら子どもたち死んじゃうよ。


「わたくしは冒険者ギルドからの調査依頼の一環でこちらへ参りましたの。子どもの失踪が相次いでいることに対する調査ですわ」

「ほう?…因みに聞くが、その依頼を発したのは誰じゃ?」

「え?えー…フィヨール冒険者ギルド所長の名前で依頼があっていたはずですので…グレイシア・ローズワンドですわね」

「なぬ?……く、クク、クハハハハ!そうかそうか!ローズワンドのババアがか!」


え?知り合い?てかババアって。


「そうかそうか、あの悪戯好きのババアならば信頼できよう。して、アイシャよ。その失踪した幼き命とは、あそこで見ておる民たちか?」

「ええ、恐らくは。皆さん長命種の子どもたちのようですし、人数も合っていますわ」

「そうか。やはり長命種を狙っておったのか…。これは我も考えを変えねばならぬやもしれんな」

「何か言いまして?」


後ろの方上手く聞き取れなかったけどなんか言ってなかった?


「いや、なんでもない。さてアイシャよ、この幼き命たちについて調査をしておったのならば、彼らを一刻も早く街へ送り届けねばなるまい?」

「え、えぇ…。ですが外はもうすぐ暗くなりますし、フィヨールの街まで数刻はかかりますから直ぐに移動は厳しいのではないかと思いますわ」

「クハッ、我を誰と心得る?曲がりなりにも魔王であるぞ?転移魔法程度習得しておるに決まっておろう」


へぇ、それはすごい。…あれ?じゃあ子どもたち保護した段階で転移すればよかったのでは?


「それはだな…。あの時点では攫われておる幼き命を皆助けられたとは思っておらんかったし、過去の経験から長命種は一定期間こちらで保護すべきと思うたのじゃ。それに、攫われた幼き命をどの街へ送り届ければよいのか分からんかったのでな」


なるほど…。確かに、フィヨールの街で失踪が相次いでいたことを彼女は知らないし、長命種の子どもだけが失踪していたことも知らないのか。そう言われれば転移魔法を使わなかったのも頷ける。


「それにな、今でこそ魔力が回復しておるが、それまでは魔力が足りずあまり遠くまで転移ができんかったのじゃ」

「そうなんですの?ですがそんなあっという間に魔力が回復することがありまして?」

「それがのう。我は魔力を回復させるのに、本来であれば10人分程度の血が必要になるんじゃが…。なぜかお主の場合、お主の血だけで魔力が全快した上、まだ余裕が残るんじゃよ。きっとお主と我は身体の相性がすこぶる良いんじゃろうの!」


なんか如何わしい響きにするのやめてもらっていいですか!?


「さて、夜になってしまう前に転移してしまうとしよう。民たちよ、こちらへ来るのじゃ」


レベッカが手招きをし、子どもたちが近くへやってくる。


「さて、お主ら、全員我かアイシャに触れるのじゃ。でなければ取り残されてしまうからの。そしてアイシャよ、もっと近う寄れ」

「これでよろしいですの?」

「もっとじゃ、もっと。うむ、それでよい」


肌と肌が触れ合うくらいの距離まで近づいてようやくOKが出た。


「よしよし、皆触れておるな?では──」


もみぃっ!


「みゃうっ!?」

「クハハ、極上の揉み心地じゃ!それでは転移するぞ!」


なぜか私はおっぱいを鷲掴みされながら転移することになった。

最後までお読みいただきありがとうございます!よければいいねでの応援・星評価・感想コメント等をいただけると嬉しいです(作者のモチベにつながります)。次回ものんびりお待ちいただければ幸いでございます。

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