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40話 古城跡です

冒険者ギルドで古城跡について尋ねたところ、資料を持ってくるから待っててと言われたので応接室で待つ私。

少しして、スピカさんが資料を持ってきた。


「お待たせしました。古城跡…正式には『ウェステフェストン城跡』といい、魔国成立前に建設された城と見られています。かつては観光地として有名でしたが、次第に魔物が棲みつくようになり現在では一般人の立ち入りが禁止されております。魔物が棲みついていることから冒険者ギルドで管理がされており、申請を出せば完全自己責任にはなりますが立ち入りも可能です」


説明を聞きつつ外観の絵などを見る。かつてはロマネスク様式のような城塞だったみたいだけど、現在では内部で魔物が暴れたのか崩壊が進んでいる。特に東側の崩壊が酷く、1部の城壁と構造物を除いて瓦礫の山と化しているらしい。

冒険者ギルドで申請を出すことで中への立ち入りが可能。でも強い魔物が棲みついていることから、Cランク冒険者以上、もししくはBランク冒険者が最低でも1人は所属しているDランクパーティ以上にしか許可されていないんだそう。


「立ち入りの申請をさせて頂いてもよろしくて?それと、この内部構造についての資料を貸して頂くことはできますかしら?」


内部の構造はある程度把握できた。ならば少しでも早く現地に行くべきだろう。うだうだ悩んで、その間に手がかりが消失しましたなんてことになったらいけないからね。


「そういうと思ってました。今日から行くんですか?」

「いえ、明日からにしようと思いますわ。今日は準備に充てようと思いますの」

「良かった、無鉄砲に突っ込むのではと心配していたんです。では明日から…長めに考えて5日間で申請にしましょう。ではアイシャさん、こちらにサインを」


署名欄に記名。後はギルドが受理して認可を出せば私は古城跡に入ることができる。


「はい、ありがとうございます。ではこれで申請しますね。私からは一つだけ。絶対に生きて帰ってくること。いいですね?」

「善処しますわ」



その後、私は消耗品や食料の調達に勤しんだ。

体力の回復薬や魔力ポーションは多めに。特に魔力ポーションは向こうで早着替えの魔法を使うことを考慮してより多めに確保しよう。

食料は生鮮品や惣菜などは避けて。何日かかるか分からない以上足の早い生鮮品は避けるべきだし、そもそも料理ができる余裕があるかも分からないから。

干し肉やオイル漬けの魚介、酢漬けの野菜などをメインで調達。この辺は長期保存ができるし、マジックバッグに入れておけば最悪そのまま頂けるし。


必要な物品の確保が終わったら後は魔力の回復に務めることに。それと、スキルである『精霊調和』で、誰を喚ぶかを考える。相手がパワー系の場合はあの子、スピードならこの子…そんな感じであらゆる可能性を考える。スキルを使わずに切り抜けられるほど古城に棲む魔物は易しくないと思う。慢心ダメ絶対。


----------

翌日──


「ここが『ウェステフェストン城跡』…確かにボロボロですわね」


首都フィヨールの西門から出て約4時間…こちらの世界でいえば4刻程移動を続け漸く到着した城跡は、絵に書いてあったよりもボロボロになっていた。

元は城塞であったと思われることから、小高い丘に建設されており外周は分厚い石垣で囲まれている。内部構造についての資料によれば、城の東側に正面入口が設けられていたそう。東側といえばこの城跡の中でも特に崩壊が酷い方向のはず。まあ、多分だけど魔物が入ってきたところで暴れたとか、冒険者と魔物がドンパチやった結果ぶっ壊れたとかそんな感じじゃないかな。

さて、早速中へ入ろう。なにか手がかりがあるとすれば、奥の無事な構造物の中だと思うからね。


「さて、魔物は…げっ」


ファーストエンカウントは、因縁深いゲイザーだった!


「あの時はまんまとしてやられましたが…今度はそうは行きませんわ。『精霊調和・聖狼(フェンリル)』!」


スキルを発動、聖狼を召喚。すると周囲の空気が不自然な流れを形成し、風が渦巻き始める。そして渦巻く風の中から、1匹の狼が飛び出てきた!


『ワフンッ!』

「よろしくお願いしますわね」

『アォォン!』


返事の代わりの遠吠えをかました聖狼はぐぐっと溜めを作ってから一気に加速、ご挨拶とばかりにゲイザーに突進するとその反動を使って今度は私に向かって突進!


「『精霊鎧装』!」


聖狼は私に衝突──するかと思いきや、その直前で巨大な風に包まれた。その風は私をも包み込み、私の周囲は暴風が渦巻く形に。そしてその暴風が収まると、私の体は風の力を借りて超スピードで行動できるようになった!外見には不死鳥ほど顕著に現れることは無いものの、緑色の風が私の体に沿うように常に吹いている。


「最初っからクライマックスですわ!」


聖狼に一撃入れられたゲイザーはこちらを認識したようで大量の触手をもって攻撃を仕掛けてくる。しかし聖狼の精霊鎧装の効果によりスピードが上がった上、五感が研ぎ澄まされた私は正面から突撃する!迫る触手を右へ左へ、時には瞬時に切り払いながら、多少の被弾は構うものかと前進前進また前進。かつてはルナ先輩と2人がかりでなければ対処できなかったゲイザーも、経験を積みスキルも使っている今ならば無傷とまでは行かずとも迅速に対処が可能ということに成長を感じる…!

そしてゲイザーの閉じた眼球の目の前に迫った私は刀を突き出し刺突!


「ちぇすとぉぉお!!」


刺突一撃、その痛みと衝撃で怯んだところを袈裟斬り一発!

その攻撃を受けたゲイザーはその瞼を開くことなく崩れ落ち、魔石と大人の玩具になるうねうね動く触手を残して消滅。

魔物が魔石と幾つかの素材になって消滅するということは、ここはダンジョンなのだろうか?だとするとダンジョンは形成されるものだけでなく後天的にダンジョンに変化するパターンも存在するということ?

……というかあの触手確定でドロップするんかい。

最後までお読みいただきありがとうございます!よければいいねでの応援・星評価・感想コメント等をいただけると嬉しいです(作者のモチベにつながります)。次回ものんびりお待ちいただければ幸いでございます。

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