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41話 『血の魔王』と対決です!

古城跡に進入し無事にゲイザーを倒した私。

聖狼との『精霊調和』と『精霊鎧装』は解除せずその身体能力を活かして一気に内部へ進む。少しでも魔物とのエンカウントは避けたいし、そもそもの目的は事件の手がかりを探すこと。

うおお、魔物と出会いませんように!ゲイザーはともかく太刀打ちできないような激つよ魔物にぶち当たりませんように!


----------


…と思っていたけど。


「魔物がいない…?」


どれだけ走っても大型な魔物だけでなく小型の魔物とも接敵しない。今は留守にしてるとか?


「…あら?」


と、遠くに異常な光景が目に入った。近づいてみるとそれは魔石や素材が乱雑に散らばっている状態。


「一体誰が…それに、回収もせずに放置…?」


考えられるのは大量の魔物に追われて回収する余裕もなかったとか、この魔石分の魔物は倒したけれど残念ながらこの場で命を散らしてしまったとか。しかし冒険者のものとみられる遺品などは見当たらないので後者の可能性は低いかも?

あと考えられるのはこんな感じで魔石をあえて散らしておいて、目が眩んで回収に勤しむ冒険者を背後から襲撃しようとしてる、つまり罠の可能性…?

だとしても自分たちもいつ魔物に襲われるか分からない中でそんな罠を仕掛けて潜んでいることができるんだろうか。

私は周囲を十分警戒し見回った上で罠の可能性が低いと判断し、ありがたく魔石を回収することにした。


「これだけの魔石が放置されているなんて…一体どういうことですの…?」


その真相を解明すべく、私はさらに古城跡の奥へと突撃した。


----------


おかしい。絶対におかしい。どれくらいおかしいかというと私が俺様系の男と結婚して毎日子作りするくらいおかしい。

かなり奥まで来たにも関わらず、1度として魔物と接敵しなかった。ここまで来ると魔物が棲みつくということが嘘なのではないかと疑うレベルでいない。

内部構造の資料を見るに、既に城内のほとんどを探索したのにも関わらずだ。

残るは私の目の前の大きな扉の奥にある謁見の間のみ。

この先になにか強大なものがいるのか、それとも拍子抜けのもぬけの殻なのか。ええい、いざゆかん!




──ウェステフェストン城跡・謁見の間──




その部屋に入ると、「その人」は玉座に座っていた。

蒼銀の髪をサイドアップにまとめ、個性的な服装に身を包む女性。資料にあった、『血の魔王』レベッカ・フォン・アルテリアその人だった。

しかし様子がおかしい。私が入ってきたことに気づいていないのか顔を伏せたまま動かない。


「あの…?」

「腹ガ…ヘッタ…血ヲ…血ヲオォ!」

「なっ!?」


様子のおかしい彼女は、突然そのような呻きにも聞こえる声を発したかと思うと私に襲いかかってきた!


「ぐっ…!」

「人間…穢レタ血…『血晶西剣(ブラッド・サーベル)』」

「っ!」


どうやら彼女は正気を失っているみたい。一瞬顔が見えたけど、目のハイライトがなかった。


「我ノ愛スル民ニ仇ナス穢レタ血メ…ソノ命、ココデ散ラセェ!!」

「わたくしはあなたの敵では…ぐぅっ!」


私を「敵」と認定した彼女の攻勢は正に苛烈だった。

もし私がスキルを使わずにいて、強化された身体能力と研ぎ澄まされた感覚がなかったならば、私はとっくに首か胴を切り裂かれ、絶命していただろうということが容易に想像できる。

それどころか、スキルを使っている今でさえ防戦一方なの。なかなか隙を見せないし、一撃離脱戦法を取ってくるから余計に厄介。立ち止まっていると縦横無尽に斬りかかってくるから、常に全速力で走りながら戦わなくちゃいけない。

そもそも彼女がなぜ正気を失っているのか分からない以上、正気に戻すための対策が分からない。昔の家電みたいに斜め45度くらいから叩く?いやそもそも近づけないんだって。


----------


戦闘開始から5分程が経過。未だ明確な攻略策は見つけられず防戦一方だけど、ある程度パターンが見えてきた。これは恐らく彼女が正気を失っているからこそ見えてきたことだと思うけど、特定の攻撃パターンを繰り返しているみたい。よくRPGゲームとかである、攻撃→全体攻撃→デバフ付与の繰り返しみたいな。それと、何度かルナ先輩と手合わせをしていたことも観察の余裕が生まれる要因になっていると思う。あの人も超スピードタイプだし…。


中段横薙ぎの斬撃、これをバックステップで回避!私の横を通り過ぎるので方向転換、次は上段から唐竹割りのような縦1文字の重い斬撃のはず!…よし、予想通り!

ここで鞘も使って全力でガード!相手の動きが一瞬止まったところで綺麗なお腹に全力で蹴りを一発ぅ!


「ゴフッ…!」

「ようやく一撃…ですわね…」


ここまでに何発か浅いのを貰っており出血もある。この隙に体力回復薬と魔力ポーションゴクゴク…まっず。


「『ヒール』!」


傷口にヒールをかけとりあえず止血。

さて、彼女も体勢を立て直したみたいだし、第2ラウンド突入といきますかぁ!!

最後までお読みいただきありがとうございます!よければいいねでの応援・星評価・感想コメント等をいただけると嬉しいです(作者のモチベにつながります)。次回ものんびりお待ちいただければ幸いでございます。

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