表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/44

33話 首都滞在延長です!

ミミちゃんの失踪に伴い、急遽首都フィヨールの滞在を延長することにした私は、冒険者ギルドへ急いでいた。

昼過ぎにミミちゃんの失踪を知り、結局冒険者ギルドに着いたのは後ろの3の刻が過ぎてからだった。


この時間になると首都周辺で活動していた冒険者たちがちらほらと帰ってきており、ギルドの施設内は混雑し始める頃合い。


受付カウンターには、既にクエストの達成報告や各種申請の列が形成され始めていたのですぐに並ぶ。まだ列が出来始めたタイミングだったので5~6番目くらいだったのはラッキーだった。


多くの物語などではこういう時、かませ犬ポジの性根の腐った荒くれ冒険者が主人公の前に割り込んで殴り合いに発展した挙句返り討ちにあい、主人公の「あれ?俺/私、なんかやっちゃいました?」が発生する所だけど、ここフィヨール冒険者ギルドこと冒険者ギルド魔国本部においてはそれは起こらない。


まるでデモンストレーションとばかりに丁度いいタイミングで割り込みを仕掛けた、恐らくは今日来たばかりであろうスキンヘッドの大男が。


「おい、割り込むなよ!」

「あん?ハッ、俺様を誰と心得…「割り込みは禁止ですよ〜」へぶらっ!?」


まるで犬や猫を躾るような声が聞こえたかと思うと、自慢げに自分語りを始めようとした大男が地面に這いつくばっており、けれども周囲の冒険者たちは「またか…」や「バカだなあいつ」と、まるでこれが日常であるかのように冷静である。私含めて。


そう、これがここは違うという理由であり、ギルドの秩序を乱そうとする輩には、手すきの職員が容赦なく鉄拳制裁を行うのである。尚、フィヨール冒険者ギルドの職員は多くがそこそこ実力のある元冒険者である。

これにより、「バカな真似をすればただでは済まない」という認識が広まり、結果ギルドの秩序が保たれるのである。


…いやー、私も初めてこれを見た時はびっくりしたもんだよ。屈強な冒険者、それも種族を問わず、例外なく制圧されるんだもん。



閑話休題(それはそれとして)


しばらくして自分の番になったので、受付嬢にハルトさんと話したい旨を伝える。受付嬢は少しの間奥へと引っ込み、第3応接室に向かうよう指示を受けた。


----------

冒険者ギルド魔国本部・第3応接室


「やあ、アイシャさん。お待たせしてすみません」

「いえ、こちらこそ突然のお願い、申し訳ございませんでしたわ」


応接室で待つこと数分、突然の話にも関わらずこうして話をしてくれるハルトさんやギルド職員の皆様には頭が上がらない。


「このまま世間話を、といきたいところですがお互いあまり時間も無いでしょうし、早速本題に移りましょう。して、お話というのは?」

「ええ、先日の指名クエストについてなのですけれど、事情が変わりましたの。今からでも受けることは可能でして?」

「あぁ、その件ですか。丁度若手の職員を調査にあたらせたところですので、引き受けて頂けるのであればこの上ないことですが…。よろしいので?」

「ええ。あまり多くは語れませんが、知り合いが被害に遭ったとのことですので」

「そうですか…。かしこまりました。それでは正式に、冒険者ギルド魔国本部はCランク冒険者アイシャさんに、首都フィヨールにおける少年少女失踪事件の調査を依頼いたします。本件は本日中に指名クエストとして処理が行われ、以降、アイシャさんは冒険者の活動として本件クエストを優先して頂きます。なお、本件クエスト実行中は冒険者ギルドより支援を行いますので、必要に応じて申請をお願いします。何か質問等はありますか?」


へぇ、指名クエストの締結ってこんな感じなんだ。たぶんギルド職員にはこういう時のテンプレートがあるんだろう。というか支援がもらえることは知らなかったな〜。

質問、質問ねえ。


「指名クエストに期限はありますの?何日以内だとか、何月以内だとか」

「厳密には期限は存在しませんが、一定期間以上クエストに対する報告が無かったり国内に点在する冒険者ギルドのどこにも訪れた記録が無い場合はクエストを放棄したとみなし、失敗扱いとなります」


ふむふむ。なら、特に進捗が無くてもとりあえず報告には行った方がいいってことね。


「あと、カルストに滞在を延長することを伝えたいのですけれど。どうすればよろしいのかしら?」


イグルー王国ではまだ情報伝達が進歩していなかったので早馬という前時代的な手段を用いていたけど、魔国はどうなんだろう。


「それでしたら、魔力通信便をお使いになられると良いでしょう。宮殿前広場にある『ユズリハ新聞』本社横に魔力通信便フィヨール局がありますので、そちらに行かれるのがよろしいかと」


魔力通信…そういえば、前にアカリ店長とルナ先輩の間で魔力通信を交わしていたことがあったっけ。魔国では近距離の個人同士の通信だけでなく、遠距離の通信も出来るのか。前世で言うところの無線通信みたいなものかな?

イグルー王国を含む人間族各国が未だ伝令や早馬という手段に頼るしかないというのに、この国では魔力通信という手段を用いることで他国に比べ圧倒的に速く情報を伝達できる。恐ろしいことだね。


----------

魔国・宮殿前広場・魔力通信便フィヨール局


「ではお伝えする内容は『急用ができたので、フィヨールの滞在が伸びカルストへの帰還が遅くなります。申し訳ございません』と、こちらでよろしいでしょうか?」

「はい、問題ございませんわ。よろしくお願い致しますわ」

「かしこまりました」


早速私は魔力通信をお願いした。料金は1回800レソ、そこそこお高いけど人件費を考えると妥当なところかな。


店長、ルナ先輩、ごめんなさい!!

最後までお読みいただきありがとうございます!よければいいねでの応援・星評価・感想コメント等をいただけると嬉しいです(作者のモチベにつながります)。次回ものんびりお待ちいただければ幸いでございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ