19話 来ちゃったらしいです
本来の投稿期間に合わせるため、連日にはなりますが投稿します。
「おかえりなさいませご主人様」
「いらっしゃいませ〜」
今日はあんまり受けられるクエストがなかったので昼間はぽけーっと過ごしての夜。
今日の客入りはちょっと少なめ。ルナ先輩も私も、そして店長もちょっとだけ暇。
その時、カランカランとベルがなってお客さんの来訪を伝える。
「おかえりなさいませご主人さま゛っ!?」
入ってきたのは──
「きちゃった〜」
「来たぞ〜」
「あら、ホントに働いてるのね」
「お、お邪魔します…」
モニカさん、ベリルさん、アリスさん、ミィシャさんの4人。
「おお〜淫魔さんだ〜。アイシャちゃんどうしたの〜?固まってるよ〜?」
「え、ええと…」
なんて言おうか迷っていると、
「わたしたちはアイシャちゃんのお姉さんよ〜」
「うむ。アイシャはワタシたちの妹だ」
「ミィシャが拾ってきたんだけどね」
「え、えへへ…」
などとのたまわれたお姉さん方。
「そうなのそうなの〜?アイシャちゃん言ってくれてもよかったのに〜」
「いえ、わたくしは魔の森で死にかけていたのを拾われただけですので…」
「うん?あれ、皆さんヴァレンティア様のところの」
「アカリちゃん久しぶりね〜」
「モニカ様、お久しぶりです。お世話になってます」
あれ?
「店長、モニカさんたちとお知り合いですの?」
「そうだよ〜。と言っても、仕入先の1つなんだけどね」
「し、知りませんでしたわ…」
入り口のところで立ち話をしていると、店内の男どもの下心のこもった視線を感じる。まあモニカさんたち、スタイルも抜群だし服装も際どいから分かるよ。けどね、
「店内の皆さま?わたくしの家族に不埒な行為をなされた方には即刻出て行って頂きますのでご注意あそばせ?」
「わお、アイシャちゃんきびし〜」
「けどそんなアイシャちゃんが〜?」
「好きぃぃい!」
これはいつものノリなのでモニカさんもアリスさんも気にしないで下さい。
「お客さんとしていらっしゃったんですよね。どうぞお席に」
「そう?なら遠慮なく」
「ワタシたちはテーブルでいいな」
4人仲良く──厳密には誰がミィシャさんの隣に座るかの仁義なきじゃんけんという微笑ましい対決があったが──着席。
「店員さ〜ん」
「アイシャちゃんお呼びですよ」
「わ、わたくしですの?」
「アイシャちゃんいってらっしゃ〜い」
ルナ先輩にも行ってらっしゃいを言われ、逃げられなくなってしまったのでしぶしぶお席へ。ここの仕事は楽しいけどその楽しいの内容を知られたくなかったというか、この人たちの前ではもう少し真面目な人間でいたかったというか。
え?手遅れ?ならいっか(混乱)
「ご注文お伺いしますわ」
4人それぞれお酒をご注文。なおベリルさんはカシオレだった。
「ドリンクお待たせしましたわ」
「ありがとね〜。アイシャちゃん、すこーしお話いいかしら〜?」
「ええ…ちょっと確認してきますわ」
店長に確認すると、「いったれいったれ」とのことだった。
「アイシャちゃん、調子はどうかしら〜?」
「楽しくやらせてもらっていますわ」
「冒険者としてはどうだ?」
「そちらも問題…まあ、無いことはないですが概ね。もうすぐCランクになるかもしれませんわ」
「そう。ウチも、姉様も心配してたのよ?母様から『アイシャが働く店を間違えてバニーカフェで働いてる』って聞かされた時のモニカ姉様の動揺はすごかったんだから」
「アリスちゃん、お口チャックよ〜」
「フフ、あの時のモニカ姉様は面白かったな」
「ベリルちゃんも」
何があったんだろう?あとでこっそり聞いてみようかな。
「うん、アイシャの作ったカクテルが美味しいな」
「ありがとうございますわ」
「さっきのは嬉しかったな。ワタシたちを家族と呼んでくれて」
「ああ…お客さんの中には劣情を抱いて来る客もいますので…」
「アイシャあなた少し見ないうちにでかくなったわね?」
「アリス姉様…お水…」
あ、アリスさん酔っ払ってたんだ。ナチュラルにセクハラ発言したから気づかなかった。
「アリスはお酒が好きなんだが、弱くてな。それに酔っ払うとキス魔になる」
「だから手遅れになる前に水を飲ませるのよ〜」
意外なアリスさんの弱点だ。
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あれから他のお客さんには申し訳ないけど、しばらくお話していた。
小一時間くらいして4人は帰るということになり、みんなでお見送り。
そして閉店時間、店内の清掃と閉店作業を終わらせて更衣室でみんなとお着替え(眼福)して店を出る。
そして帰路につく。
疲れていた私は気づかなかった。帰路につく私をこっそり追跡する4つの影に──。
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