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15話 スキル発動!です!

「第4層、長いですわね…まだ階段が見つかりませんわ…」


どうも、バニースーツでゴブリンを斬り捨てながら第5層への階段を探しているアイシャです。

もうかれこれ1時間くらい彷徨っているのではなかろうか。このままでは埒が明かない。


「そろそろスキルの使い時かもしれませんわね…」


そう、私は今の今までスキルを一切使わずに冒険していたのだ。それはゲイザー戦の時も同じ。その理由は…

普段の魔物相手にスキルを使うと魔力の無駄遣い感が酷い。なにせスキルを使わなくても技術と経験だけで乗り切れる魔物しか(現状は)相手できず、ゲイザー戦の時は装備が1度壊れたこととただのバニースーツを着ていたという不安感からスキルの存在が意識の外に放り出されていた。それにあのバニースーツで下手にスキル使うとそれこそバニースーツ壊れそうだし…。

このバニースーツのデザイン大好きなので壊したくないのだ。


でも今の特注バニースーツならいける。多分大丈夫。

ということで──


「『精霊調和・不死鳥(フェニックス)』!」

『ピョオォオ!』


精霊調和スキルを発動し、不死鳥を召喚。すると空間から真っ赤に燃える火の玉が発生し、次第に鳥の形をとって行く。そして炎を振り払い霧散させ現れたのは、燃えるような赤い羽毛に身を包んだ鷹のような鳥。それは私の肩にとまった。

この鳥こそが不死鳥である。


「よろしくお願いしますわね」

『ピョオッ!』


任せろ、とばかりに鳴いた不死鳥が私の肩から飛び立ち、私の周囲をぐるぐると回る。そして1度上に飛び上がり、私目掛けて急降下!


「『精霊鎧装』!」


と唱えると、不死鳥が私の中に飛び込み、私の体に変化が起きる。私の周囲が炎に覆われ(私と私の身につけているもの、そして私が味方と判断した存在に火がつくことも火傷することもない)、5秒ほどして炎が消える。

そして、私は。


背中から赤く透き通る翼が生えていた!


これにより私は空を飛び、高速で移動することが可能になる。


「いきますわよ」


翼をはためかせると、ゴウッという音と共に私の体が浮き上がる。


バサバサッと翼をはためかせ、移動を開始。

私はまるでジェット戦闘機のように洞窟内を高速で飛び始める。途中で遭遇するゴブリンどもを刀の錆にしながら飛び(ゴブリンは私に気付くことなく消滅する)、コブラ機動のように急激に角度を変え方向転換(正直Gがすごいので慣れるまでは吐きそうになる)を繰り返し、ついに私は次層へ続く階段を発見したのだった──。


----------

『蒼天の園』第5層。

そこは第4層と同じような構造ではあるが、最奥まで行くと大きな広場があり、そこにはボスが待ち構えているという。


道中の魔物も強く、また数も多いらしいので警戒は巌とする。


「鎧袖一触ですわ」


とは言いつつ、不死鳥との調和による高速移動と経験に裏付けられた刀の技術により、アワレ敵は爆発四散(実際には首チョンパで泥と化す)。


「この広さ…ボス部屋のようですわね」


暫く飛び続けていると、大きな部屋の前までやって来ていた。恐らくここはボス部屋なのだろう、他の区画と違い明らかに大きい。


「さて…何がでるやら」


精霊調和の燃費はすこぶる悪いため、部屋の前で下手に長時間観察なんてしていると魔力切れでぶっ倒れてしまうので、早々にボス部屋に入室。

すると──


「グギャァア!!」


()()をつけた、普通のゴブリンよりも大きく、気持ち上等な布を身にまとったゴブリンが現れた。


「あれは…ゴブリンキングですわね」


暇な時にギルド併設の図書館で読んだ魔物図鑑に載っていた。またルナ先輩曰く、


『いい〜?ゴブリンの変異種は〜、強いのからゴブリンロード・ゴブリンジェネラル・ゴブリンキングっていうんだよ〜。ゴブリンキングはただの王冠だけど〜、その上のはもっと豪華なんだ〜』


とのことだった。目の前のゴブリンは王冠を被っていて、ただのゴブリンよりも体格が大きいこと以外には特に違いがないのでゴブリンキングで間違いない、と、思う。


「不死鳥、いきますわよ」

『ピョッ』


正直あんまり魔力に余裕がなく精霊調和も長くは使い続けられなさそう。某ウルトラの戦士でいうところのカラータイマーピコピコ状態みたいな感じ。

体の中にいる不死鳥に語りかけると、頼もしい返事が帰ってくる。今のは『任せろ!』と言っている。


「『豪炎柱(イラプション)』!」


そう唱えると、ゴブリンキングの足元から大きな炎が噴き出す。これは精霊調和によって使えるようになる、不死鳥が持っている魔法みたいなものだ。よくあるじゃん、特定の装備を身につけると呪文とか特技とかが使えるようになるやつ。あんな感じ。


「ギ!?ギャギャアァア!!??」


ゴブリンキングは突然自身を包み込む火柱に混乱し恐怖している。多分死にはしないが、かなりダメージを与えられたはずである。

実際、火が収まったころには全身コゲコゲプスプスのゴブリンキングが辛うじて立っているような状態になっていた。焼きゴブリン、売れないね。


「介錯して差し上げますわ。豊前柴咲流・散華──!」


トドメとばかりに肉薄し、居合によってゴブリンキングに攻撃する。放たれた斬撃は寸分の狂いなくゴブリンキングの首に命中し、1発で首を撥ねた。


「…思ったより呆気なかったですわね」


もう少しなんかこう、手に汗握る戦いになるかなと思っていたんだけど、蓋を開けてみれば秒で決着が着いてしまった。とは言っても相手は変異ゴブリンの中でも最弱なので拍子抜けとまでは行かないけど。


私はゴブリンキングの身につけていた布(なんかオスの臭いが濃かったので早々にマジックバッグに収納させて頂いた)と魔石を拾った。魔石はゲイザーのよりも小さかったので、あのゲイザーはもっとやべー奴だったと再認識できた。

最後までお読みいただきありがとうございます!よければいいねでの応援・星評価・感想コメント等をいただけると嬉しいです(作者のモチベにつながります)。次回ものんびりお待ちいただければ幸いでございます。

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