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11話 ダンジョン産の武器です?

『蒼天の園』第3層。ルナ先輩による無双はとどまるところを知らず、あっという間に第3層まで来てしまった。

第2層までは青空が広がる草原やら森林、山林だったんだけど。

第3層に入った途端、景色は一変。洞窟の中にいた。

松明などの照明は一切ないのにも関わらず、内部は一定の明るさが確保されている。


「あっという間でしたわ…」

「簡単だったね〜」


のほほんと言ってのける先輩だけど、ここまで爆速だった原因は9割この人の影響だったりする。


「ギャッギャッ!」

「っ!」


奥から下賎な声が聞こえ、その方を見ると。

私たちを見つけたゴブリンが下卑た笑いを浮かべていた。


ゴブリンは魔物の1種だけど、特徴として雌個体が存在しない。

ではどう繁殖するのか。無性生殖をする訳ではない。

その繁殖方法、それは。

別の種族のメスを捕え、苗床として陵辱するのだ。

そして質が悪いことに、ゴブリンが好むメスは人間や魔族などの人型の生物なのだ。

だからゴブリンによる拉致や陵辱は毎年何件か発生しており、不幸にもゴブリンの餌食となってしまった女性は誰かに助けられるか、その巣に棲むゴブリンが全滅するか、その命が尽き果てるかのいずれかが起きるまで、永遠にゴブリンの苗床として筆舌に尽くし難い行為を行われるのだ。


そして今。私たちはその苗床に選ばれたらしい。

私たちを見つけたゴブリンはニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべながら、不用心に近づいてくる。


「アイシャちゃん、アレ倒してみて〜」

「へ?わたくしですの?」

「うんうん。人型に限りなく近い魔物だからねぇ、これが倒せるかどうかで冒険者としてやっていけるかが決まるんだよ〜」

「な、なるほど…」


言われた通り、ゴブリンを倒そうと1歩踏み出すと。


「ギャギャッ!」

「ふぅー…」


ゴブリンは更に笑みを深め、私を捕まえんと襲いかかってきた!私は立ち止まり剣を構え──


「シッ!」

「グギャッ!?」


居合の要領で一閃。残念ながら頭をスパン、とはいかず、ゴブリンの右足を切り飛ばすに留まった。


「くっ…鈍りましたわね…」

「いや〜、十分だよぉ?初めてとは思えない剣筋だったし。それに〜、見た事ない型だったけど綺麗だったよ〜」


ま、まあ、人型というか人相手は前世にちょっと色々ありまして…ね。

居合は刀の型なので、西洋剣でないのは当然っちゃ当然。


「これでトドメですわ!」


ズバッ!と頭を斬り、胴体と泣き別れをさせたところで戦闘終了。ゴブリンの体は泥のように消え、後には魔石が残った。


----------


「あ、ここ宝箱あるよ〜」


ふとルナ先輩が言った。行ってみると、そこにはいかにもな宝箱が1つ鎮座していた。


「アイシャちゃんあけてみて〜」

「い、いいのですか…?」

「勿論。というか、わたしのレベルだとここから出る装備とかの方が弱いんだ〜」

「あ、そういう…」

「あとたまにミミックみたいに宝箱に擬態してる魔物もいるから気をつけてね〜?」

「も、もう少し早く言って欲しかったですわ…」


無警戒で宝箱を開けようとした瞬間にそれを言われ慌てて手を引っ込める。

そして今度は何が起きてもいいように恐る恐る宝箱に手を触れ、開けてみると──


「こ、これは…」

「なんだろ〜?剣?みたいだけど」

「もしや、刀…?」

「カタナ、って何か分からないけど、人間の武器なのかな?」


宝箱の中には、1振りの脇差が入っていた。

なんで?


手に取ってみると、その刀の情報が頭に入り込んでくる。


『備前虎秀・天岩斬(あまのいわきり)


それが、この刀の銘らしかった。


「天岩斬…?」

「アマノイワキリ?珍しい名前の剣だね〜?」

「えぇ…。ですが」


脇差を構え居合の構えを取る。嗚呼、懐かしい感覚。精神が研ぎ澄まされ、極限まで集中力が高められる。1度目を閉じ、全ての歯車が噛み合った瞬間──


「──シッ!」


開眼と同時に刀を振り抜く。すると、目の前にあった大ぶりな岩が音も無く上下に分かれ滑り落ちた。


「…ふぅ」

「ほゎ〜…。す、すごいよアイシャちゃん!」

「そ、そうですか…?」

「うんうん!Eランクの実力じゃないよ!」


ルナ先輩がこれでもかという程褒めちぎってくる。

やばい、天狗になりそうだ。


それから小一時間、私はルナ先輩からの熱い賞賛の声を頂くのだった──。


----------


「落ち着きましたか?」

「うん〜。ごめんねぇ、急に。わたし、すごい才能を持った子を見ると我を忘れて褒めちぎっちゃうんだ〜」

「それは…別に悪いことでは」

「いや〜、勘違いして求婚してくる男が多かったんだよね〜。だから封印してたんだ〜」

「ああ、そういう…」


まあ普段ゆるふわな先輩、しかも顔が良くてスタイル抜群なルナ先輩からいきなり褒めちぎられたら、勘違いの一つや二つはしそうなものだ。


「さ、先に進みましょう」

「大丈夫?結構飛ばしてきてるけど〜」

「わたくしの体力はまだまだ大丈夫ですわ。それよりも、一刻も早く試し斬りがしたくてたまりませんの!」

「およよ〜?アイシャちゃん、バーサーカーみたい〜」


はっ、つ、つい前世の血が…。

最後までお読みいただきありがとうございます!よければいいねでの応援・星評価・感想コメント等をいただけると嬉しいです(作者のモチベにつながります)。次回ものんびりお待ちいただければ幸いでございます。

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