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第91回 日本の高速道路建設

 今回は、ちょっと変わった視点から話します。


 今やモータリゼーションによって、日本中に高速道路が張り巡らされていますが。


 そのきっかけについて。


 元々、欧米では第二次世界大戦以前から自動車が普及し、高速道路が走っていましたが、日本では高速道路の建設自体が遅れていました。


 高速道路の建設の着想自体は、実業家の菅原通済(つうさい)が1929年(昭和4年)に東京-大阪間に306マイル64チェーン(約493キロ)の自動車専用舗装道路を事業費8000万円で建設を構想していました。


 この頃は、東海道新幹線の原型となった鉄道が「弾丸列車」と呼ばれていたことから、「弾丸道路」と呼ばれていたそうです。


 ドイツの有名な高速道路、アウトバーンに刺激され、1938年(昭和13年)頃から高速道路の議論が始まります。


 1943年(昭和15年)には、全国自動車国道計画を策定します。

 この計画によれば、北は樺太の国境から北海道の稚内-札幌-函館間、本州は青森-下関間までを結び、九州は門司-福岡-長崎間まであり、総延長は5940キロ、設計速度は平坦部が150㎞/h、丘陵部が100㎞/hだったそうです。


 ただ、戦局の悪化により、最優先区間だった東京-神戸間の調査も打ち切りになります。


 戦後になって、田中清一と田中角栄という二人の政治家によって、日本の高速道路が誕生するきっかけが出来ます。


 日本の高速道路の本格的な実現は、昭和30年代になってからで、高度経済成長期とモータリゼーションを背景にして、大都市間を結ぶ幹線高速道路、東京や大阪などの大都市内の都市高速道路が急ピッチで建設されます。


 日本初の高速道路は、意外なことに、東京とは関係がない区間で、1963年(昭和38年)に名神高速道路の栗東《りっとう》IC-尼崎《あまがさき》IC間(71.7キロ)です。


 これは、東海道新幹線開業の前年になり、自動車が時速100キロで疾走する道路誕生のニュースは、世間を大いに沸かせます。

 つまり、最初に高速道路が通った政令指定都市は、実は京都市でした。


 1965年(昭和40年)には、名神高速道路の名古屋-阪神地区間の全線(小牧《こまき》IC-西宮《にしのみや》IC、193.9㎞)が完成し、それまで車で5、6時間もかかった移動時間が2時間に短縮されます。

 この頃、名古屋から大阪まで日帰りで行けるようになったそうです。


 東名高速道路は、意外にも少し遅く、1969年(昭和44年)に東名高速道路の東京-名古屋地区間(東京IC-小牧IC、346.8㎞)が全線開通します。


 同じ年に、中央高速道路の富士吉田線が開通。中央高速道路の全線開通はもっと遅く1982年(昭和57年)になります。


 これで、東京-大阪の二大都市が高速道路で結ばれ、物資輸送の大動脈が出来上がったわけです。


 以降は、北海道から九州・沖縄までの全国各地で次々と開通していき、2014年(平成26年)時点で、北海道の一部を除いて国土開発幹線自動車道網はすべて完成しています。


 ただ、本来であれば2015年までに高速道路網がほぼ完成する予定でしたが、バブル崩壊により実現せず、一部にはミッシング・リンク、つまり中途半端につながっていない高速道路が各地に存在します。


 ちなみに、欧米では日本以上に高速道路網が張り巡らされていて、地震や災害が発生した時に、国土のどこにでもすぐに行けるようになっているそうです。


 その意味では、能登地震が起こった時に、高速道路がほとんどなくて、道が寸断されて、復興が遅れた日本は、まだまだ欧米には追い付いていないとも言えますが、今後人口減少が確実になるので、実際どこまで必要か、という議論は必要かと思います。


 また、欧米では高速道路はほとんどが無料ですが、日本では、建設費の償還のため、道路整備特別措置法によって、原則すべて有料になっています。


 そして、新幹線同様に、地方出身の政治家が「ウチの故郷に高速道路が必要」という謎理論によって、優先的に通されたりする(新潟県出身の田中角栄の事例が有名)わけですが。


 あと、首都圏に住んでいる身としては、毎週末に、東京から周辺に放射状に延びる高速道路全てが、必ず渋滞する(3連休やお盆、年末年始は平気で40キロくらい渋滞)という事態は、閉口しますが、そもそも一極集中で、東京圏に人が集まりすぎる、という問題があるから仕方がないですね。


 大体、ざっくり言うと、日本の全人口の3割くらいは東京圏(関東平野含む)に集中しているわけです。


 これは集まりすぎで、戦前までは大阪にも大きな会社があったりしたんですが、今やほとんどが東京に集まっています。


 個人的には、IT業界で働く身としては、「ネットさえ繋がればむしろ地方の方が仕事がやりやすい」とすら思えるのですが、そもそも本社が東京の会社が多すぎるんですね。


 なので、地方活性なんて、夢のまた夢というのが現状です。


 ということで、ざっくりですが、日本の高速道路についてでした。

 私も、たまに使いますが、日本の道路は基本的に綺麗でよく整備はされてます。私は海外でもバスなどで高速道路を走ったことがありますが、向こうは結構いい加減なので。

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