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第九話 オカンとトレント2

 オカンの使った除草剤雑草コロリで

トレントはすっかり弱っていた。


ウグ~ ウグ~


 トレントはうめき声を上げている。


タケシ

「おっしゃ!とどめ刺したろ!」


 タケシは剣を振りかぶる。

その時、


オカン

「ちょっと待ちい、アンタ!」

タケシ

「何い?邪魔せんとってや」

オカン

「アンタその子生け捕りにして

持って帰ったら

賞金倍になるんとちゃうんアンタ」

タケシ

「あ、そうやった。でもどうするん?

しばって連れて帰る?」

オカン

「植物が除草剤で枯れたんやったら、

水吸うて元に戻りたいんとちゃう?

アンタ水あげてみい」


 タケシはオカンに言われ、試しに

水筒を出してトレントに水をかけてみた。


ウウ! ウウ!


何やらトレントは喜んでるようであった。


タケシ

「何かめっちゃ嬉しいっぽい感じやぞ」

オカン

「ほんならアンタそのまま町まで

引っ張って来られへんかアンタ」


 タケシは水筒をトレントに

見せつけながら、後ずさりして行く。


ウウ! ウウ!


 トレントは水に釣られて

タケシについて来た。


タケシ

「どうや、水欲しいか ほーれ

こっちやこっちや」


タケシとオカンは水でトレントを

誘導し続け、森の外に出た。


タケシ

「このまま町まで行けそうや!オカン!

先に町行って皆に捕まえる用意するよう

言っといて!」

オカン

「ほんならアンタそのまま

つれて来るんやでアンタ!」


 オカンはママチャリで

町へこいで行った。


オカン

「男の人呼んでー!


男の人呼んでーー!


おーーとこの人呼んでーーー!!」


 オカンは町の兵隊などの男達を

呼び集めた。


 タケシはそのままトレントを水筒で

町まで誘導し続け、町に着く頃には

町の入口で縄、槍、網など

捕獲の為の装備を構えた男達が

大勢待ち構えていた。


タケシ

「みんなー!トレント捕まえたでー!」



「やるじゃねえか!」


「凄いなタケシ!」


「あいつマジでやりやがった!」


 町の人達の声援がタケシを迎えていた。

町の入口で男達による

トレントの大捕物が始まり、トレントは

生きたまま捕獲された。


 タケシにギルド長が声をかける。

ギルド長

「やったな!タケシ!お前凄えぜ!

討伐四天王を初めて、しかも生け捕りで

捕まえるなんて、この町で初めてだぜ」


「タケシ様~カッコイイ~」


「タケシ様ったらすごーい」


「お嫁さんにして欲しいわ~ん」


 町の女性達もタケシに憧れの眼差しを

送っている。 タケシは完全に

町の英雄となっていた。


タケシ

(……いや俺ほとんど

何もしてへんねんけどな~

オカンの作戦のお陰やねんけどな~

でもこんだけヨイショされたらもう

後に引かれへんみたいな空気に

なってもうてるしな~)


「……ど、どうや凄いやろ!

俺やったで!」

ギルド長

「ああ!お前大したもんだぜ!

さあ、ギルドで待ってるぜ!

賞金取りに来いよ!」


 タケシは賞金が倍になる事を

思い出し、タケシとオカンは

町の人達の声援に手を振って答えながら

ギルドに着いた。


ギルド長

「約束通り、用意してるぜ。

いいかタケシ、モンスターを

生け捕りにしたらな、首都から報酬として

町に支援金が送られるんだ。これで

この町も更に潤うってもんよ。

倍の賞金くらいなんて事無え!

そらよ!持って行きな!タケシ!」

タケシ

「うわ!おっちゃんありがとう!」


 タケシはトレントの生け捕りに成功し、

倍の賞金を手に入れたのであった。


 


 その夜、賞金も手に入れた

タケシとオカンは勝利の宴も兼ねて

町のレストランで夕食を取る事にした。

店からの計らいで店のおごりで

御馳走になった。

 タケシとオカンは豪華な食事を

楽しみながら話す。


タケシ

「なあ、おかん。トレント捕まえたの

ほとんどオカンの作戦やねんから、

ホンマはオカンの手柄やねんけど、

町の皆俺がやったみたいに思ってて

俺ばっかりちやほやされてるみたいな

感じになってもうてるけど、ええん?」

オカン

「かまへんねん、お母さんそんなん

興味無いねん。息子が皆から

感謝されてるんやったら母親としては

そらアンタ鼻が高いもんやでアンタ。

せやからお母さんの事気にせんと

受け取っとったらええねんアンタ」

タケシ

「そうか。オカンが怒って無いんやったら

ええねんけどな」

オカン

「そんな事よりアンタ、

アンタが本来居る場所は

この世界とちゃうんやでアンタ。

元の世界に帰らなアカンねんでアンタ」

タケシ

「……わかってるよ」

オカン

「しっかりしいやアンタ、お母さんが

いつまでもアンタと一緒におるとは

限らへんねんからなアンタ」

タケシ

「……え?どういう事?」

オカン

「ええから早よう食べえアンタ!

野菜も食べえや、

ちゃんと野菜お肉お吸い物て

バランス良う食べえや!」

タケシ

「いやわかったって!」


 オカンが何を言いたいのか

良く分からなかったが、

タケシはトレントを生け捕りにして、

称賛を受け、倍の賞金を手に入れた

その日の夜の御馳走を楽しむのであった。


つづく

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