第十話 オカンとキマイラ
翌日、タケシとオカンは
次のモンスターを討伐する為、
ギルドの掲示板を見に行った。
タケシにギルド長が話しかける。
ギルド長
「おう、タケシ、見ろよ
この町で初めて討伐四天王の張り紙に
×印がついたぜ!お前の手柄だぜ」
タケシが倒した、事になっている
トレントの張り紙には討伐完了の証として
×印がつけられていた。
タケシは少し嬉しくなって
ギルド長に訪ねる。
タケシ
「おっちゃん、
次に弱い四天王はどれなん?」
ギルド長
「う~ん残りの3体は
どれも相当なもんだが、まだ一番
マシなのは、キマイラじゃねえか」
タケシ
「キマイラもヤバそうやな~」
オカン
「キマイラて何やのアンタ」
タケシ
「キマイラってのはな、ライオンの頭に
ヤギの体で蛇の尻尾のモンスターや
かなりデカいで」
ギルド長
「トレントとはレベルが違うぜ、タケシ
気い引き締めて行けよ」
タケシ
「……ちょお何か怖なって来たってー
どうしよーバリヤバイってー」
オカン
「ほんなら早よ行くでアンタ!」
タケシ
「オカンまた作戦あるん?」
オカン
「お母さんに任しとき!早よ行くで!」
タケシとオカンはキマイラの生息地帯へ
ママチャリで向かった。
町から離れた乾燥地帯へと
タケシとオカンは進む。
タケシ
「ちょー今回大丈夫かなー
怖なって来たわー」
オカン
「キマイラてデカい言うとったけど
どんぐらいデカいんアンタ?」
タケシ
「ゲームとかRPGでしか見た事ないけど
何か象ぐらいちゃう?」
オカン
「象かいな、アンタ頑張らなアカンな。
ほいで何やライオンみたいな子やて?」
タケシ
「そう、ライオンの顔にヤギの体で
尻尾が蛇やねんて」
オカン
「ライオンの頭にヤギの体で蛇の尻尾て
……あれなんかそうちゃうのアンタ」
タケシ
「え?……」
オカンの言う方にタケシが目を向けると
ライオンの頭にヤギの体、蛇の尻尾の
モンスターが二人の方に向かって
走って来る。それはまさしく
討伐四天王の1体、キマイラであった。
タケシ
「ヤバイ!来たー!」
タケシは咄嗟に剣を構え身構える。
迫って来たキマイラは
タケシとオカンの前に立ち塞がり
威嚇の為の叫び声をあげる。
ガオオオオオ!
タケシ
「ヤッバ!」
オカン
「やかましい子やな!」
キマイラが鋭い爪で襲い掛かって来る!
タケシは剣で防ぐが、キマイラの巨体から
繰り出される攻撃は重く、防ぐだけでも
体力を奪われる。
タケシ
「アカン!剣が折れる!」
剣で弾き返せないと判断したタケシは
キマイラの攻撃を飛び避ける事しか出来ず
苦戦を強いられている。
タケシ
「アカンヤバいどうしよ、そや!」
タケシはキマイラの巨体を逆手に取り
両手の爪の攻撃をキマイラの体の下へ
潜り込んで避けてやった。
タケシの予想外の行動にキマイラは
たじろいで一瞬隙を見せた。
タケシ
「今や!」
タケシは下から剣でキマイラの腹を
刺した!
グサ!
グオオオオ!
キマイラは叫びを上げている。
ようやく反撃を与えてやる事が出来たが
まだ致命傷にはなっておらず
キマイラは飛び退いて
タケシと距離を離しまた攻撃してくる!
だが腹の傷と疲れが効いてるのか、
キマイラは手を止め
タケシとキマイラは睨み合う。
タケシ
「イケるかも知れへん!」
オカン
「アンタ!これ使いい!」
その時オカンがタケシの足元に
何かを投げた!
タケシ
「何やこれ!」
オカン
「チャウちゅーるやないのアンタ」
タケシ
「チャウちゅーる!?相手キマイラやぞ」
オカン
「ライオンかて猫の仲間やないのアンタ
ええから早よしい!」
タケシはチャウちゅーるを拾い、
キマイラに見せてみた。
その直後、キマイラの怒りに満ちた表情が
治まりエサをねだる飼い猫のような
表情になった。
タケシ
「もう効いてるやん。まだあげてへんで」
タケシがキマイラの口目がけて
チャウちゅーるを投げると
キマイラがバクリと食べ、
むしゃむしゃと味わっている。
キマイラはあっという間に
大人しくなった。
タケシ
「嘘お?チャウちゅーるバリ凄えやん
キマイラも大人しくなったで」
大人しくなったキマイラに
オカンが近づきなだめる様に話始めた。
オカン
「アンタもうお腹刺されて痛いんやし
もうやいやい言わんと一緒にきい、
わかった?こっちかてホンマは動物とか
いじめたりした無いんやでアンタ」
・・・ウガアアア!
キマイラはオカンに威嚇の唸り声を
上げた。
オカン
「もう!何べん言うても分らん子やな
ホンマに!もうやいやい言わんと
ついといで言うてるやないのアンタ!
怒ってるこっちかて辛いんやでアンタ!」
オカンは怒ってキマイラの髭を
掴み強く引っ張った。
ギャアアア!
キマイラは苦しんでるように声を上げる。
タケシ
「!そうか!オカン!離れろ!」
シュパ! シュパーン!
タケシは剣でキマイラの髭を全て
斬り落としてやった。
直後、キマイラはドスンと倒れ、
また立ち上がろうとしても
生まれたての小鹿のように
足元がおぼつかない様子であった。
タケシ
「やっぱり!ネコ科やから
髭が弱点やねん!髭斬られたら
フラフラなんねんって!おっしゃー!」
キマイラは立ってるのがやっと、
という様子で、両手の爪を振り回す事など
到底出来そうになかった。
タケシ
「いやこれもう絶対キマイラ無理やろ!
俺の勝ちやで!」
オカン
「やったなアンタ、ほんなら連れて帰ろか」
つづく




