第六話 オカンとコカトリス3
タケシは剣を振りかぶりながら
コカトリスに向かって駆け出す。
タケシ
「オラア!」 ブン!
タケシは剣で攻撃するが、コカトリスは
ジャンプして避け、
足の爪で反撃して来る。
タケシはコカトリスの爪を避けたり
剣で防いだりするのに
精いっぱいであった。
コカトリスは気性が荒く、攻撃の手数が
多くタケシは防戦を強いられている。
タケシ
「ちょおヤバイヤバイヤバイ!
無理無理無理無理!」
コカトリスの猛攻に戦意を喪失し
タケシは死を予感し始めていた。
その時、
「キエエエエ!」
コカトリスが突然叫び苦しみ始めた。
タケシ
「え?何何何?俺なんもしてへんで」
オカン
「タケシ!アンタもやりい!」
タケシ
「え!?」
タケシが後ろを振り向くと
オカンが化粧に使うコンパクトの鏡を
コカトリスに向けて
太陽の光を反射させていた。
オカン
「鳥はキラキラしたもん嫌がるんやで。
アンタも田んぼとかで
CDぶら下がってるん見た事あるやろ」
「キエエエエ!」
コカトリスは嫌がってるようだった。
タケシ
「おおスゲエやんむっちゃ利いてるやん」
オカン
「アンタもその剣でやりい!
銀色でキラキラしてるやろ!」
タケシは剣を高くかざして
オカンと同じく太陽の光を
コカトリスの顔に反射させた。
「ギエエエエ!」
コカトリスは光が増えた為か更に嫌がり
タケシに背を向け逃げ出した。
羽に矢を撃たれたせいか空に飛べずに
背を向けドタドタと走って逃げて行く。
タケシ
「待たんかい!」
タケシはコカトリスを追って
コカトリスの蛇の尻尾を斬り落とした。
ズバ!
「ギエエエエ!!」
ドスーーン
直後、コカトリスは断末魔の叫びを上げ
地面に倒れ込み動かなくなった。
タケシ
「やったか!?」
オカン
「やったやないのアンタ、
何かしっぽが弱点やったんちゃうか?
アンタもも肉だけやのうて
ムネ肉も切らずに倒すなんて
凄いやないのアンタ。
ええ肉いっぱい取れるでアンタ」
タケシ
「そやろ、俺に任してや」
オカン
「ほなお肉持って帰ろ。
タケシ、アンタがその剣でお肉切ってや」
タケシはコカトリスのもも肉を
剣で斬り落とす。
タケシ
「……何か剣の使い方間違ってへん?
これもうほとんど料理やんけ~」
オカン
「文句ばっか言うてんと
ちゃっちゃとしいアンタ!」
タケシ
「ちょお俺何かスーパーの
精肉コーナーのバイトみたいに
なってるやんけ~」
タケシ
「様になってるわ。高校卒業したら
お肉屋さんになりいアンタ」
タケシとオカンは大量の鶏肉を
持って帰る事に成功したのであった。
その日の夕方
タケシとオカンはギルド長に
コカトリスの討伐報告に行った。
タケシは証拠に持って来た
コカトリスの足を見せつけた。
タケシ
「ほらおっちゃんどうや!
コカトリス倒してきたで!」
ギルド長
「おお!やるじゃねえかタケシ!
お前さん最近大活躍だな!」
タケシ
「へへへ、任してえや」
オカン
「ギルドの兄ちゃん、ちょっとええか?」
オカンが会話に乱入して来た。
ギルド長
「なんだよおっかさんよ」
オカン
「アンタホンマは異世界の事
何か知ってるんとちゃうん?」
ギルド長
「だから知らねえって前も言ったろ」
以前と態度を変えないギルド長に
オカンは作って来たから揚げを見せた。
オカン
「兄ちゃんから揚げいるか?」
ギルド長
「!?何だこれは?いい匂いだな」
オカン
「遠慮せんと食べえ」
ギルド長はから揚げを一つ食べてみた。
ギルド長
(もぐもぐ……)
「うめえええ!何だこりゃ!
こんなうめえ料理、食った事無えよ!」
オカン
「もっと欲しい?」
ギルド長
「ああ!もっとくれ!」
オカン
「異世界の入口の事教えてくれたら
全部あげるで」
ギルド長
「う……何の事だ?」
オカン
「ほなタケシ、
二人でから揚げ全部食べよか」
ギルド長
「わかった!
異世界でも何でも教えてやる!
だからそのから揚げとか言うヤツ
俺にくれ!」
オカン
「はいどうぞ。た~んとお食べえな」
ギルド長は狂ったように
から揚げをむさぼり食っている。
オカン
「ほらな、男なんてから揚げ食べさせたら
落ちるんやで。
お母さんの言うた通りやろアンタ」
タケシ
「……俺これから
から揚げには気いつけるわ」
から揚げを食べつくしたギルド長が
話し始めた。
ギルド長
「……ふ~食った食った~。
まったく、こんなにうめえもん
食わせてもらったら、嘘つくわけには
行かねえなあ……
いいだろう、おっかさん。
教えてやるよ。この国に隠されてる
異世界と通じる謎の渦巻き、
異世界ゲートの事をな」
つづく




