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第五話 オカンとコカトリス2

 タケシとオカンは二人以外

起きている人が居ないギルドを出た。

町は早朝故に人の気配は無く、

外を歩いてるのは

タケシとオカン二人だけであった。


オカン

「ほな行こか」

タケシ

「どこ行くねん、コカトリスの

生息地帯そっちちゃうで」

オカン

「ええから黙ってついてきい!」


 オカンは討伐依頼書に書いてあった

コカトリスの生息地帯とは

逆に歩き始めた。

タケシもオカンについて行き

着いたのは昨日聞き込みに行った

レストランであった。


オカン

「思った通りやわ。生ごみいっぱい

捨ててあるわ。

タケシ、これ拾っていくで」

タケシ

「はあ?オカン何言うてんねん」

オカン

「ええから言う通りにしいアンタ!

お肉とかお魚とかが

入ってるのん選びいや!」


タケシは渋々肉や魚が入ってるゴミ袋を

選び両手に持った。


タケシ

「オカンこれどうするん?」

オカン

「行ったらわかるわ。ほな行くで」


 オカンはママチャリに乗り

タケシはオカンの後ろに乗り

ママチャリ二人乗りでタケシとオカンは

コカトリスの生息地帯へ向かった。





 広い草原、森の入口手前辺り、

コカトリスの生息地帯に

タケシとオカンは着いた。

オカンは自身満々な様子で

作戦を話し出した。


オカン

「早速始めるでアンタ。

タケシ、アンタここにゴミ置きアンタ」


 タケシは草原の真ん中辺りに

レストランから持って来た

生ごみを置いた。


オカン

「よっしゃ。ほんならこれの出番やな」

タケシ

「オカン、どしたんそれ」


オカンはカバンの中から網を取出した。


オカン

「ホームセンターコナーンの代わりに

道具屋で買うて来たんやでアンタ」


オカンは網を生ごみの上から被せ、

網の四隅を石で押さえた。


タケシ

「……何かこれってさ……」


 それはどう見てもカラスの

ゴミあさり対策にネットをかけてる

朝のゴミ捨て場そのものであった。


オカン

「エサは出来たでアンタ。ほんなら

ニワトリちゃん来るまで隠れとこ」

タケシ

「……まさかこれでゴミ捨て場に

寄って来るカラスみたいに

コカトリスが来ると思ってるん?」

オカン

「当たり前やないのアンタ」

タケシ

「いやこんなんで来るわけないやろ!

相手コカトリスやぞ

カラスとちゃうねんぞ」

オカン

「カラスかてニワトリかておんなじような

もんやろアンタ。

ほなニワトリちゃん来るまで隠れとこ」

タケシ

「も~大丈夫かいな~」


 タケシとオカンは草むらに身を隠し、

コカトリスが現れるのを待つことにした。


タケシ

「ホンマにあんなんで

コカトリス来るん?」

オカン

「黙って見とき!」

タケシ

「絶対来えへんって……え?ちょ、待って

何か聞こえへん?」

オカン

「何やの?何か聞こえる?

お母さん年やから

モスキート音聞こえへんねん」


 遠くから鳥の羽ばたく音が

近づいて来る。

巨大な鳥のモンスター、コカトリスが

タケシとオカンの前に姿を現した。


タケシ

「うーわ、絶対あれや。

絶対コカトリスや」

オカン

「いやーでっかいニワトリやねー」


 コカトリスは生ゴミの匂いに

釣られたのか、生ゴミの前に降りて

それをくちばしで突っつき出した。


オカン

「作戦通りやわ。

エサにかかったみたいやな」


 コカトリスはゴミの袋の中の肉や魚を

食べようとしてるようだが、

網をかけてるので上手く袋を取れずに

困ってる様子だった。

 食べたいエサに網がかかって

取れないと言う状況はコカトリスにとって

初めてだったのだろう。

コカトリスは生ゴミに気を取られ

ハッキリ言って隙だらけであった。


オカン

「よっしゃ隙だらけや。

ほんならタケシ、アンタこれ使いい」


 オカンはカバンから弓矢を取り出した。


オカン

「昨日道具屋で買うて来てんで」

タケシ

「え?俺こんなん使った事無いで」

オカン

「もうやいやい言わんと速ようやり!

グー引っ張ってバッて放したら

ビューンなるやろどうせ」

タケシ

「いや外したらどうするん」

オカン

「大丈夫や。でかいニワトリって事は

そんだけでかい的って事やろ」

タケシ

「そうやな、ほんならやってみるわ」


 タケシは草むらからコカトリスに

狙いを定め弓を引く。


オカン

「足は当てなやアンタ。鶏ももは

から揚げにすんねんからなアンタ」


 タケシは弓を限界まで引き絞り、

コカトリスに矢を放った。


ビュン!


グサ!


キエエエエエ!


 矢はコカトリスの手羽元の部位に

刺さった! 


オカン

「アンタやるやないの!

あっこに刺さったら多分あの子

もう飛ばれへんで」

タケシ

「おっしゃ!めっちゃラッキー!」


 コカトリスは突然の矢の襲撃による

痛みと驚きで

パニックになってるようであった。


オカン

「こんだけ弱らせたらいけるやろ。

タケシ、行ってきい!」

タケシ

「おっしゃ!行ってくるわ!」


オカンの作戦により

コカトリスは弱体化したようであった。

この好機に勝機を感じたのか、

タケシは草むらを飛び出し

コカトリスに向かって走り出す!


タケシ

「コカトリスーー!

斬り刻んだるーーー!」

オカン

「足は斬ったらアカンで!

斬るんやったらムネ肉にしいや!

パサパサして美味しないからな!」


つづく

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