表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
19/20

第十九話 オカンの胸中3

 タケシはまた自分の部屋で目を覚ました。

タケシは大急で〇×病院へと自転車をこぐ。


タケシ

「オカン!オカン!オカン!

生きろ!生きろ!生きるんやー!」


 病院に着いたタケシは自転車を乗り捨て

オカンの病室へ走る。階段を、廊下を、

全力で走り抜け、

オカンの病室のドアを空けた。


タケシ

「オカーーン!」


 そこには意識を取り戻したオカンが

タケシを見つめていた。


タケシ

「!オカーーン!」

オカン

「タケシー!」


 タケシはオカンのベッドへ駆け寄り

オカンとタケシは抱き合った。


タケシ

「オカン!オカン!オカン!」

オカン

「タケシーーー!」


 タケシとオカンは涙を流して抱き合う。


オカン

「タケシ、ありがとうな、

お母さんの事わざと怒らせて

生きる気力、湧かせてくれたんやな」

タケシ

「どや、まだ死んでられへんやろ!」

オカン

「ありがとうやで、アンタホンマ

立派な息子やで」

タケシ

「そうやろ!任してくれ!」

オカン

「……なあ、タケシ」

タケシ

「どしたん?」

オカン

「ここも異世界ちゃうやろか?」

タケシ

「アホか!地元じゃ!

オトンもおるやないか!」

オカン

「そうかー……」



 


 その後、タケシは異世界に転生する以前の

普通の生活を続けていた。

いつも通り学校に通い、

いつも通り部活に参加し、

いつも通り目覚まし時計で起きる、

ごく有り触れた生活を。

 今でも自分の部屋にはあの黒い渦巻きの

異世界ゲートはあるが、

異世界に行こうと思えば

いつでも行けるのだが、

異世界に行けば

また町の皆からチヤホヤされ、

モンスター討伐で手に入れた賞金で

優雅に何不自由無く暮らせるのだが、

タケシはそうはしなかった。


 異世界でオカンと共に冒険する中で、

オカンがどれほど

自分の事を思ってくれていたのか、

自分の事を心配してくれていたのか、

自分が異世界に逃げる事を

オカンがどれだけ止めようとしていたのか、

タケシは気付いてしまった。


 勉強、学歴、競争、格差、

この過酷な現実から

異世界へ逃げてしまいたいという思いより

自分をあれほど思ってくれるオカンを

悲しませるわけにはいかないという

思いの方が、タケシの気持ちの中で

大きくなってしまっていた。

 そしてオカンが退院した時に

自分が現実の世界で頑張ってる姿を見せて

オカンを安心させてあげたいという思いが

タケシの思いの中で宿っていた。




 数日後、いつも通りタケシは

学校から帰宅し家の玄関を開けた。

そこには病院から退院した元気なオカンが

タケシを待っていた。


オカン

「おかえりタケシ」

タケシ

「……ただいま…オカンもな」


つづく


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ