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第十八話 オカンの胸中2

 長い夢を見ていたような感覚の中、

タケシは目を覚ました。


タケシ

「……ハ!」


 タケシが目を覚ますとそこは

タケシの部屋であった。

異世界に吸い込まれた時と何も

変わらぬ部屋。

そしてタケシの部屋に出来た

黒い渦巻きの異世界ゲートも

そのままであった。

 タケシは周囲を見渡し、家の中を

見て回るが誰も居ない。

スマホを見てみるとオトンから

LINEと着信が何度も来てた。


タケシはオトンのラインを確認した。




お母さんがパート先で倒れた

〇×病院で入院してるから

タケシも早く来なさい




 タケシはすぐさま家を飛び出し

異世界のRPGのような格好のまま

〇×病院へと全速力で

自転車をこいだ。


 病院に着いたタケシは

オカンが入院してる部屋へ駆けつけ

部屋のドアを開けた。


タケシ

「オカン!!」


 ドアを開けるとそこには

ベッドで寝込み目を閉じたままの

オカンが居た。

タケシはオカンのベッドに駆け寄り

オカンに呼びかける。


タケシ

「オカン!オカン!しっかりしろ!」


 オカンは目を閉じたまま

タケシの呼びかけには答えない。

タケシは傍にいるオトンに話す。


タケシ

「どうなってんのオトン?」

オトン

「パート先で倒れたんやって。

もうずっとこんな状態や。

それよりタケシお前なんやその格好

RPGみたいな格好して。

何処行っとったんや」


 傍にいた医者がタケシに伝える。


医者

「お母さんの病状は心筋梗塞です。

お気の毒ですが、危険な状態ですね。

さっきまで一定の状態を保ってたんですが

だんだん症状が悪くなって行ってますね。

……まるで、役目を終えて

安心したかのように」


タケシ

「……オカン……ハ!」


 タケシは大王城の異世界ゲートでの

オカンとの会話を思い出した。


オカン

(……何か安心したら、

一気に疲れてきたわ……)


タケシ

「俺がこっちに戻った思うて安心して

気い緩んでるんや!

オトン!待っといて!」


 そう言うとタケシは病室を飛び出し

病院の外へ飛び出し自転車でまた

家へと急ぐ。


タケシ

「オカン!待っとけ!今行くからな!」


 家に着いたタケシは

自分の部屋の異世界ゲートへ

迷う事無く飛び込んだ。

 タケシは異世界に残るオカンの事を

思い、黒い渦の中でまた意識を失った。




 タケシが目を覚ますと、そこは

異世界の大王城のゲートの部屋だった。

タケシは飛び起きて近くの兵士に尋ねた。


タケシ

「オカンは!オカンは何処行った!?」

兵士

「急に体調を崩してな、医務室で

寝かせてるよ」


 タケシが兵士に案内され医務室に行くと

そこにはベッドで寝込んでる

幽霊のオカンが居た。

タケシは幽霊のオカンに

無理矢理に声をかける。


タケシ

「オカン!オカン!起きろ!

俺戻って来たぞ!」


 タケシの声に気付いたのか

幽霊のオカンはゆっくりと目を開き、

タケシを見つめる。


オカン

「……タケシ…アンタなんでここにおるん。

元の世界戻ったんと違うん?」

タケシ

「俺な、やっぱ戻って来てん!

もうずっとこっちで暮らすわ!

もう学校も行かへんわ!

勉強も部活も辞めるわ!

こっちでダラダラ暮らすわ!」

オカン

「何やてえ?」

タケシ

「学校ダルいねん!勉強ダルいねん!

俺もう頑張るの嫌やねん!

もう頑張るのやめんねん!」

オカン

「何言うてんのアンタは、せっかく

元の世界に戻ったのに、意味無いやないの」


 オカンはベッドから起き上がった。


タケシ

「俺もうこっちで暮らすわ!

こっちやったら勉強も受験も無いねんもん!

バリ楽やん!

楽な方に流されて何が悪いん!?」

オカン

「!!何やてえ!アンタもういっぺん

言うてみい!」

タケシ

「おうなんぼでも言うたるわ!

楽な方に流されて何が悪いん!?

俺元々そういう奴やねん!

もう一生頑張らんわ」

オカン

「!!何言うてんのアンタ!!

お母さんとアンタで賞金王とか討伐とか

頑張ってやってきた事

全部無駄になるやないの!

それでもええんかいな!」

タケシ

「ええよ!頼んでへんし!

あーもう頑張んのやーめたー!

こっちで一生

ダラダラして暮らそーーっと!!」

オカン

「!!!!!

アンタ!ええ加減にしいーーー!」


バチーーン!!


 オカンはタケシに思い切りビンタした。


タケシ

「……どや、オカン、

まだ死ねへんって思えたか?」

オカン

「?何言うてんのアンタは!

……!?ええ?何やの?」


 オカンがそう言うとオカンの体は

少しずつ宙に浮き始めた。


オカン

「タケシ―、何これー?」

タケシ

「オカンどうなってんねん!?」


 宙に浮いたオカンはオカンの意思とは

関係なく動き出し、医務室の外へと

飛んで行った。


タケシ

「オカン!待てー!」


 タケシはオカンを追いかける。

オカンは何かに吸い込まれるように

城の廊下を飛び続ける。


タケシ

「オカーン!」

オカン

「タケシー!」


 オカンは吸い込まれるように飛び続け

ゲートの部屋に着いた。


オカン

「タケシー!」


 オカンはそのまま

異世界ゲートに飲み込まれて行った。


タケシ

「オカン!生きろーー!

生きるんやーーー!」


 タケシもオカンの後を追うように

異世界ゲートへ飛び込んだ。


つづく

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