第十七話 オカンの胸中
タケシはオカンの言ってる事が
予想外過ぎて呆然としていた。
オカン
「お母さんな、パート先で倒れたんよ。
ほんで病院で寝てんねんホンマは。
危篤状態なんやて」
タケシ
「何言うてんねんオカン!
オカンここにおるやんけ!」
オカン
「…病院のベッドでもうアカンわーて
思うてな、ほんで、最期にアンタに
一目会いたいて思うとったらな、
何か幽体離脱って言うん?
あんなんなってフワフワ浮いとったわ。
ほんでアンタに会いに行こう思うて
幽霊のままアンタの部屋行ったら
アンタがおらんで、
何か黒い渦巻きみたいなんがあったから
タケシがこん中吸い込まれたんちゃうか
思うて、幽霊のまま中入ったら
アンタ見つけたんやでアンタ」
タケシ
「え?オカンマジで言うてんのか?」
オカン
「ホンマやでアンタ。お母さんな、
こっち来てからずっと幽霊なんやで」
タケシ
「あ!だから大王の魔法も剣も
効かへんかったって事か!?」
オカン
「そういう事や。幽霊に攻撃したって
当たるかいなアンタ」
タケシ
「……でも待てよ、オカン大王に
ビンタしたやん。それに、前に
ゴブリンチーフにもビンタしてたやんな。
普通にビンタ当たってたやん。
あれなんでなん?相手の攻撃
当たらへんのになんで
オカンのビンタは当たるん?」
オカン
「…それはな、多分やけどな、
お母さんの思いが形になったんとちゃう?
お母さんにもよう分からへんけどな、
この子をちゃんと叱ってあげなあかんって
強く思ったから、その思いが
実体化してビンタ出来たんやと思うわ。
……ママチャリもそう、
タケシに会いたいって思ったらママチャリ
出て来たわ。
ゴブリンチーフの棍棒傘でガー避けれたのも
アンタを守らなって思うたら
自然と出来たわ。
カバンからミンダモンやら雑草コロリやら
チャウちゅーるやら出て来たのも、
タケシを守らな、助けてあげなって思うたら
その思いがこっちで実体化するみたいやな。
タケシ、わかる?お母さんはいつだってな、
それ位アンタの事を
大切に思ってるって事なんやで」
タケシ
「・・・・・」
オカン
「アンタも立派になったなあ……
モンスター相手に
ようやったやないのアンタ。
もうお母さんおらんでも大丈夫やわ」
タケシ
「オカン!ホンマか?ホンマに
死にかけてんのか?」
オカン
「もうあとはこのゲートで戻るだけやな。
タケシ、アンタ元気でな。
ちゃんとごはん食べや、
ちゃんと歯あ磨きや、
ちゃんとお肉ばっかり食べんと
野菜も食べえや、
ちゃんと寝る時Tシャツズボンに入れて
風邪引かんようにして寝えや、
タケシ、アンタはほんまに、
お母さんの立派な息子やで」
タケシ
「オカン!何言うてんねん!
なんでそんな事言うねん!」
オカン
「……何か安心したら、
一気に疲れてきたわ……」
タケシ
「オカン!ちょお俺見て来るからな!
頑張れよ!」
タケシは元の世界のオカンを
確かめる為に異世界ゲートに飛び込んだ。
異世界ゲートに飲み込まれ上下左右も
分からない中、タケシはオカンが
危篤状態になっているらしい
元の世界への帰還を強く願いながら
異世界ゲートの渦に身を任せる。
タケシ
(オカン!オカン!待っとけ!
今行くからな!)
つづく




