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第十六話 オカンと大王2

タケシ

「オカンやめとけ!相手魔法使いやぞ!

今までのモンスターとは違うねんぞ!

範囲攻撃とかしてくるから

避けられへんで!勝ち目無いって!」

オカン

「ええからアンタはそこで離れて見とき!」

大王

「愚かなり……許しを乞う最後の機会も

逃したか……良かろう!

ワシの魔法を喰らうが良いわーーー!」


 大王は左手をオカンに向けて突き出した!


大王

「ファイヤー!」


 大王の左手から炎の玉が放たれ

オカンに襲い掛かる!


タケシ

「オカーーーン!」


ゴゴオオオ!


 オカンは激しい炎に包まれている!


タケシ

「オ…オカン……」


 タケシは膝から崩れ落ちた。

炎が収まると、


タケシ

「!?オカン?」


 そこには無傷のオカンが立っていた。

ファイアを正面から受けたにも関わらず

オカンの体には火傷の一つも無かった。


大王

「!!?バ……バカな!

ワシの魔法は当たった筈なのに!」

オカン

「何や危ない事するなあアンタ

ええ年して」


 オカンは一歩ずつ大王に近づいていく。

大王が左手を前にかざすと

左手にバチバチと電気が走り始めた。


大王

「喰らえ!サンダー!」


 王の間の天井から突然オカン目がけて

雷が落ちた!


バチーン!


オカン

「えらい眩しいやないのアンタ

もうかなわん事する人やなホンマに」


 オカンはサンダーを受けたにも関わらず

無傷のまままた一歩一歩と

大王に近づいていく。


大王

「!?何故だ?ワシのサンダーは

当たった筈だろう!何故効かん!?

ええい、次は無いぞ!

喰らえ!アイス!」


ピキピキ、ズシーン!


 大王がアイスを唱えた直後、

オカンの頭上に巨大な氷の塊が現れ、

オカン目がけて落下し、

オカンを押しつぶした!

氷の周りは冷気で覆いつくされている。


大王

「ははは、死ぬが良いわ、無礼者め……

ハ!!バカな!!」


 氷の冷気の中からオカンが無傷のまま

現れた。


タケシ

「何でや?……魔法が効かへん……」


オカンは更に一歩一歩と進み

大王の近くまで着いた。


オカン

「何やのアンタさっきから

火いやら雷やら氷やら

危ない事ばっかりする人やなホンマに」

大王

「何故魔法が効かん!?くそ、

ならこうするまでよ、

今度こそ死ねーーーー!!」


 大王は右手の剣でオカンを突き刺した!


タケシ

「オカーーン!…ええ!?」


 オカンの腹に剣が刺さってるにも関わらず

オカンは平然と立ったままでいた。


大王

「何故だ!?何故死なんのだ!?」

オカン

「アンタ何してんねんな、そんな

とがったもん人に向けてガー刺したら

危ないやないのアンタ!」


 オカンはさらに大王に近づく。


大王

「ヒイ、近づくな!化け物め!」

オカン

「アンタ人に向かって化け物やなんて

言うたらアカンやろ、失礼やないの」

大王

「ヒエエ、来るな!やめろ!」

オカン

「アンタさっきからなあ、

火いボーやって雷バリーンやって

氷ピキーンやってな、人にそんな

とがったもんガー刺してな、

おまけに化け物て言うてどういう事?

ええ年してそんなんして

恥ずかし無いのアンタ?

今までずっとそんなんして

生きて来たんかいな!?」

大王

「ヒイ、ヒエエエエ…」

オカン

「アンタ!ええ加減にしいーーー!」


バチーーン!!


 オカンは大王に思い切りビンタした。


大王

「ウワーーー!

ワ、ワシが悪かったーー!

ゲートでも何でも使ってくれーーー!

もう二度と来るなーーー!」


 大王は半泣きでオカンに異世界ゲートの

使用を認めた。


オカン

「ほな行くでタケシ!」


タケシはオカンに駆け寄る。


タケシ

「オカン!何で死んでへんねん!

魔法も剣も当たったやろ!?」

オカン

「後で教えたる!早よ行くで!」


 タケシとオカンは兵士達に案内され

異世界ゲートの部屋に着いた。

兵士が扉を開けると部屋の中央に、

タケシの部屋に現れた

黒い渦巻き状のゲートと同じゲートが

静かに渦巻いていた。


タケシ

「俺の部屋に出来た奴とそっくりやん!

なんかめっちゃ帰れそうっぽいで!」


 タケシとオカンはモンスター討伐の

日々を乗り越え、ようやく

異世界ゲートへ辿り着いたのであった。


 ゲートの前でタケシとオカンは

立っている。


タケシ

(オカン先帰らして逃げな。オカンを先に

ゲートに入れたらなアカンな……)

「ほな帰ろうか。オカン先行きいや」

オカン

「……いや、お母さんな、

ここまでやねんで。アンタ一人で帰り」

タケシ

「え?何言うてんのオカン早よ行きいや」

オカン

「あかんねん、お母さん帰れへんねん」

タケシ

「何で帰れへんの?」

オカン

「……お母さんはな……

幽霊なんやで……」

タケシ

「え?…何言うてんのオカン……」


つづく

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