第十五話 オカンと大王
タケシとオカンはギルドに行き
ケルベロスの倍の賞金を手に入れた。
翌々日、タケシの部屋に手紙が届いた。
タケシが手紙を読んでみると、
それは首都の大王城からの手紙であった。
招待状
タケシ殿
貴方のモンスター討伐依頼の
獲得賞金額は第一位となり、
見事町の賞金王となりました。
おめでとうございます。
貴方に賞金王としての表彰式を
大王城にて執り行います。つきましては、
〇月×日昼1時に首都大王城まで
この手紙を持参の上お越し下さい。
関係者一同お待ちしております。
タケシ
「おっしゃ!表彰式呼ばれたって!
オカン、これで異世界ゲートに行けんで」
オカン
「やっとやなアンタ、早よ家帰って
学校行かなアカンねやでアンタ」
タケシ
「うん、わかってるって……」
(ホンマは帰らへんけどな、オカンだけ
先にゲートに入れて、
俺だけ町に戻ったんねん。その後は
手に入れた賞金でリタイヤ生活や~)
タケシとオカンはついに大王城へ
正式に招待されたのであった。
翌々日、タケシとオカンは
大王城正面ゲートに居た。
タケシとオカンが待ってると城の中から
秘書らしき女性が二人の元へ歩いて来た。
秘書
「こちらから招待したお客様でしょうか?」
タケシ
「そやで、タケシって言うねん。
招待状の手紙も持って来たで」
タケシは招待状を見せた。
秘書
「お待ちしておりました。ご案内致します。
どうぞこちらへ」
タケシとオカンは秘書について行き、
王の間へと案内された。
門番が王の間の扉を開け二人が中へ進むと
とても広い王の間の奥、中央に
立派な玉座に座った大王が
二人を待っていた。
大王
「うむ、良く来たな戦士達よ。寄るが良い」
タケシとオカンは王の間中央辺り
謁見の段上に立った。
大王
「お前達がモンスター達を討伐したか。
見事であるぞ。褒めてつかわそう。
しかもお前達、
殺さずに生け捕りにしてくれたな。
お前達が生け捕りにしたモンスター共、
全てここで飼いならしておるわ。
今は暴れとるが、その内大人しくさせて
軍事利用出来るようになるのも
時間の問題じゃろう。
お前達、本当に良くやってくれたわ。
ワシから褒美をやろう。
欲しい物はあるか?家か?土地か?
それとも女か?遠慮なく言ってみろ」
タケシ
「マジで?ほんならなー
家と土地と女ぜーんぶ…」
オカン
「ちょお待ちーーー!」
オカンがタケシをさえぎり大王に話す。
オカン
「欲しいもんはな、異世界ゲートやわ。
アンタあのゲート隠してるんとちゃうん?」
大王
「!?な、何故それを!?」
オカン
「わたしら異世界から来たんよ。せやから
元の世界に帰りたいんよ。
異世界ゲート貸してえな」
大王
「やめよ!お前達がその名を
気安く口にするでない!
あのゲートはかつて、重要な兵器として
使ったのだ。この国がここまで繫栄したのも
あのゲートのお陰なのだ!
あのゲートは我が国の
最も大切な切り札であり秘密なのだ!
たとえ賞金王であっても、
あの異世界ゲートに近づける事は
断じて許さんぞ!」
オカン
「ええやないの減るもんやなし。
ちょっとぐらい貸してえな」
大王
「何だと!?もう我慢ならん!!」
大王の怒りは頂点に昇り、
玉座から立ち上がりオカンを指さして
言い放った。
大王
「この無礼者め!ワシを本気で怒らせたな!
覚悟するが良いわ!」
王の間の壁際で並んでいる兵士達が
一斉に武器を構えた。
大王
「待て!兵士達よ、お前達は手を出すな!
よかろう……
ワシが直接お前達を葬ってやろう」
大王は腰の剣を抜きオカンに差し向けた。
オカン
「何やの危ないなあアンタ!
ゲート貸して言うてるだけやないのアンタ」
タケシ
「ちょおオカン謝れって!
今やったら許してもらえるかも
知れへんやろ!」
オカン
「アンタは黙っとき!アンタ下がっとき!
このおっちゃんはお母さんが相手したる」
大王
「ははは、ほざくが良い……
ワシの魔法の力を見せてやるわ……」
大王が左の手の平を前に出すと、
手の平に突然炎が沸き上がった。
タケシ
「アカン!そいつ魔法使いやー!
オカン逃げろー!」
オカン
「アンタは黙ってそこで見ときい!
このおっちゃん懲らしめて
異世界ゲートで帰るんやで!」
魔法使いの大王とオカン、
両者は激しく睨み合う。
大王とオカンの戦いが
今まさに始まろうとしていた!
つづく




