いわゆる定型句
今、今日を通して太陽が一番高い位置にあった。要は、今は昼過ぎということだ。そんな俺は数日前にアーノルド氏の遺族に合った時のことを思い返す。夕方に迎えが来て素直にアーノルド氏の家というか館に強制では無いが連行された。その後自己紹介の後アーノルド氏の遺族に故人の最後を告げた。この世界では冒険者は誰に対しても束縛されないというルールがあるのであからさまに上流階級とおぼしき人達にへりくだる必要が無かったのは助かった。上級の冒険者でも新米の冒険者でも対応は変わらない。夕飯をごちそうになり、生まれて初めてコースメニューを食べることになった。ナイフやフォークは外側から使うという程度しか分からないが間違いは無かったようだ。料理のたびに交換する理由は全く意味が分からなかったが。
その後、故人と生前仲が良かったアーノルド氏の友人が数名席を同じくしておりいかに彼が素晴らしいかを説明された。ここまでは良い。俺に適用されるかは分からないが、故人を思うという気持ちは民族的に分かる。これも良い。遺族に遺品などを渡し少額ではあるがお礼を貰う。これも問題ない。問題があっても感謝の気持ちを金銭に置き換えるなという程度だろう。だから問題ない。
「何で俺はここに居る?」
問題があるとすれば、アーノルド氏の遺族と会っていろいろあり、宿に戻ることも出来ずにその足でこの国の王都まで連れてこられた。すごいよね、まさにファンタジーとしか思えないよ。だって飛行船ですよ。全長は百メートルくらいだったが上向きに幾つもプロペラが付いていた。設計者は子供?とういデザインだった。科学的には絶対に飛ばない形状だが、飛ばしているのが魔法らしいので気にしたら負けだろう。かなりの速度が出るようでなおさらプロベラは本当に必要だったのかどうかが気になった。今は関係ないか。現在俺は全長が一キロ近い闘技場にいる。コロッセオ、決闘場でもいい。些細な違いでしかないからね。俺の前方二百メートル付近に俺の決闘の対戦相手となる金ピカの古プレートの鎧がいる。この金ピカが問題の中心人物だ。自己紹介もしていないので名前すら知らない。決闘する理由も知らない。何故かこうなった。俺の知っているのはアーノルド氏の館でこの金ピカが指を指しながら「決闘だな」と言ってきたことと、その発言を受け俺とティアラ、金ピカの三人以外がドン引きしていたこと、現在の俺のかなり後ろで、ビーチパラソルのような物の下で椅子に座って冷たい飲み物を飲んでいるティアラが居ることと、かなり日差しが強くて熱く暑いこと。それと金ピカの左右に外見が満点に近い女性が二人居て、その後ろには五百人くらいの男女混成の兵が居ること。そして、この場に立ってからもう三十分以上立っていることくらいだった。
「なんでだろう?何でこうなったんだろうか?」
この満員の闘技場に連れてこられて中央付近まで兵隊さんにエスコートされた。その後決闘に関してのルール説明を受ける。ルール説明の後、決闘を申し込んだ相手がこの決闘の理由を述べてから決闘開始だそうだ。ただひたすらに暑い。
そして現在、決闘の理由を述べているところらしいが、内容が理解できない。距離があるために何を言っているのか聞こえない。左右の女性は頷きながら金ピカの頬にチュッチュッしている。後ろの兵は奴が何か金ピカが口パクするたびに叫んでいる。奴は俺が生まれる前に存在していたというリア充と呼ばれる人種のようだ。観客も静かにしておりヤジを飛ばさないので、観客も奴のリア充と認めているということになるのか。
「あれがリア充か、今回ばかりはファンタジー感がすごいな。作り話だと思っていたが実在するとはな。何を言っているのかかなり気になる。」
この世界での決闘は、決闘を希望する者が直接相手にその旨を告げ相手が承諾した場合、決闘の第一段階が成立する。その後王族に承認を得て決闘が成立する。王族の承認が必要な理由は、有望な強者が死ぬ場合国力の低下に直結するのでそれを避けるためである。決闘のルールに関しては禁止事項はない。己の全てで相手を叩き潰す。勝敗は敗者の死を持って決まるり勝者は敗者の全てを奪い。敗者は自分の命を含め全てを失う。観客は国公認の賭博に参加するためにここに来る。観客が集まれば商人が集まり露店が賑わう。露店などには税がかけられ税金を国が回収する。資金がくるくる回る経済的なイベントとして親しまれてはいないが重宝されている。
俺の場合は金ピカが俺に決闘を申し込み、俺の後ろに立っていたティアラが「受けて立つ」と俺の声真似(似ていない)をした。そのあとはとんとん拍子に事が運び俺はここに居る。ちなみに俺は決闘を受けると明言した覚えはない。だからこそ俺がここに居る理由が俺には分からない。
振り返るとティアラが手を振ってきたので返事をする。
「貴様、無礼であろうが!」
「話長いのが悪いだろう?」
「何を言っている聞こえんわ。男であれば何か言いたいことは声を張り上げてはっきり申せ!」
「お前の声も聞こえてなかったわ!話が長い!」
やっと聞こえた金ピカの声に返事をするが金ピカもこちらの声が聞こえないことに苛ついているようだ。話が長いという部分は聞こえたようでかなり切れているようだ。
この闘技場でこの配置は問題があると思うのだがこれまでは問題なくやっていたんだろうか?金ピカの横から女性が離れていくのでそろそろ始まるのだろう。決闘云々よりも冷たい飲み物が欲しい。魔法で出してしまって良いのかな?闘技場の中心に立っている司会?の決闘の開始を告げる叫び声が聞こえる。ルール説明の時にもきちんと聞こえたのでこの職業に最適な人材難だろう。開始の合図(叫び)が聞こえると観客もはしゃぎ始める。観客は自分の賭けている相手の応援が大多数で金ピカのファンも意外にいるようだ。
「とりあえず水でも飲むか。」
目の前に水道から出てくる程度の水を作り喉を潤す。俺の前方では兵隊達が隊列を整え、剣を抜きを構えて前進してくる。意外に重装備の出で立ちなのでここまで来るのに時間かかるな。眺めていると金ピカのニヤニヤした感情を逆なでする顔が見えた。伝説のリア充が俺の感情を逆なでにする。今の俺に対してここまで感情を逆なでするような生き物、これがリア充か。確かリア充に対抗するための呪文があったような気がする。お約束が好きなティアラなのだから対抗呪文を唱えないと駄目だろう。あとで絶対に小言を言われる。息を大きく吸い込み対抗呪文を発する。
俺の対抗呪文が発動した瞬間、前方の隊列を形成する大半の兵隊が内股で地面に崩れ落ちる。ん?崩れ落ちたのは金ピカを含めた男性だ。残り三割ほどの女性兵士は突然のことで挙動不審になっている。観客の声援が大きくなる。突然のことだったのでそちらに注意が向く。ああ、俺に賭けた奴らだな。視線を観客から敵対している兵士に戻す。対抗呪文の餌食となった男性陣はうめき声を上げているので死には至っていない。それは伝説の金ピカリア充もあの中で生存しているということを如実に示していた。気を締めてかからねば、相手は伝説上の生き物。笑顔一つでこちらの精神を乱す生き物なので油断できない。さあ、もう一撃。対抗呪文はまだまだある。大きく息を吸い込み発する。
「このリア充が!はぶっ」
突然のことに振り返るといつの間に接近してきていたのかティアラが立っていた。
「危ないぞ、伝説のリア充はまだ生きている。」
「リア充は伝説じゃないよ。もう戦えないと思うし、戦い方が酷い。」
「リア充用の対抗呪文が効いている過ぎないぞ。次は、」
「あのね、リア充っていうのは・・・」
言葉を被せてきて淡々と説明を始めるティアラ、説明を聞きながら俺の表情はきっと無表情へと変化し続けただろう。勘違いをしており、自分がやってしまったことが分かってしまった。最初に叫んだ<もげろ>の効果を理解した。もげたのだ。強引に。切断ではなく引き千切られた。申し訳ない気持ちが強くなりティアラをその場に残るように言ってから金ピカの様子を見に行く。接近してくる俺に対して女性兵士が攻撃を仕掛けてくるがスキルの制限をしていないので剣を摑んで折っていく。幾度か繰り返すと女性兵士の皆さんは座り込み始めた。邪魔する者がいなくなりすぐに金ピカの前に到着する。
「おい金ピカ、降伏しろよ。ルールは生死による決着だろうが、もう戦えないだろう。お前もこいつらも。」
「ぬぅぅぅぅぅぅ。」
「女性兵士の中で回復魔法が使える奴がいるならこいつにかけてやれ。こんな茶番で全滅したくないだろ?」
金ピカに返答を求めても出来ないよな、もげたんだし。何人かの女性兵士が金ピカに回復を施していく。回復魔法は回復する部位に触れなければならない、という法則はないので手を向けているだけで済んでいる。もしも回復する部位に触れないと駄目なのであればきっと見捨てられていたのではないだろうか。上位の回復魔法には切り離された身体を結合したり欠損部分を回復する魔法などいろいろバリエーションがある。結合の場合は触らなければならず、欠損部分の修復には人体の切断面を直接見なくてはならない。それによって気分が悪くなると、精神状態が安定せず魔法が起動しないことがあるので、スキルのレベルよりも場数が頼りになる。兵士の練度の問題でもげたまま回復する可能性が非常に高いが自分のことではないしルール上俺が悪いわけでもない。
回復するまでの手持ち無沙汰で残念ならがもげてしまった不幸な司会の人を治療する。欠損部分修復バージョンで。結合するには触らないといけないんだよ?
「この場合でも、あいつ殺さないと終われない感じか?」
「王族がなんというかですが、今回はオリバー侯がなんと言うかでしょう。オリバー侯はかなり身分が高いので他の大俗の方はあまり異を唱えるようなことはありません。」
下半身を露出したまま、ニヒルな感じで返答を返されても困りものではある。治ったので余裕があるのか、右手にもげたソレを持ちながらというのも普通ドン引きになる状況だ。
「そのオリバーさんって王族の人なの?」
「王族には詳しくないのですな。」
「ここが出身じゃないんでね。」
「他国出身の方でしたか。まあ、我が国家の国民全てが王族の方々のことを把握しているわけでもありませんし。他国の方であればなおさらかもしれません。時間もありますし少々説明でも致しましょう。」
結構話せるタイプだな。気さくな感じだ。ただ、こいつはズボンを履く気が全くないな。
「オリバー侯は現在の王の直系であり三男、王位継承六位中第三位に位置するお方です。長男のノキオ侯、次男のルター侯に次ぐ王位継承権を持っていらっしゃいます。ノキオ侯は文官タイプでいらっしゃいまして、ルター侯は戦人ですな。オリバー侯は両者の資質を受け継ぎながらお二人には未だ及ばないとの評価が強くあります。」
「特化型には勝てないか、長男に産まれていれば楽だったんだろうがな。」
「同感ですな。そのことから自らの生まれの不運を呪うかのような言動が次第に見え始め、内面が攻撃的になられたのは致し方ないかと。現在では王族としての見栄えや、虚栄心を満たすことに熱を注がれております。」
「恵まれていた立場にいるのに自分で墓穴を掘るタイプだな。その下に三人も兄弟がいるのか?」
「下にはお一人様だけです。この国では女性も王位を継ぐことが出来ますが、年長者でも男性よりは下になるのです。」
「血統に頼った君主制というやつか。あまり長続きしないよな。」
「そのために継承権を持たない王族の方がいらっしゃるのです。政治的、軍事的なことの責任ある立場には王族の方が就任することになっておりますので。」
「そういうのは貴族の仕事じゃないのか?」
「反乱分子はないに超したことはないので。王族の方々は職務を全うしないと平民に落とされますので皆様必死に職務に励んでおられます。」
「それなら貴族要らないんじゃない?」
「貴族は地方幹部という立ち位置ですから、悪く言えば土地の管理者ですな。」
「お偉いさんは大変だな。で問題のオリバー侯とやらはどうやったら話せるの?俺は新米冒険者だけど。」
「回復が済み次第ですな。」
「やっぱりあの金ピカ?」
「そうですな。あの方がオリバー侯でなければ王族のことについて説明する必要がありません。必然的に彼がオリバー侯となるかと。」
そうだよな。普通ここまで絡んでくるなら主要人物か敵対者だよな。物語的にさ。
『ティアラさん、金ピカは王族だってさ。普通、あいつの身分は貴族か貴族のお気に入りとかでさ、その後で国に対する貢献とかを認められて王族と絡むのがパターンじゃないのかな?』
『その方がパターンとしては王道なんでしようね。形式美を感じます。王家との絡みだと他には困っているのを助けるとか、気がついたら助けていたとか。攫われたのを偶然救助というのも有りですね。それで惚れられてってパターンが多いですかね。』
『オリバー君っていうかオリバーちゃんになったんだけど惚れられても困るし。どう処理しようかね。お約束だとどんなのあったっけ?』
『お約束というか、物語の主人公は敵対した男性に対して男性のシンボルをもぐ行為を行わないと思いますね。前提がおかしいです。というか、最初に訪れた国は大概にしてホームと呼べるような国になる展開でしょう?その国の王子を強制的に力尽くで性転換させて友好関係が結べると本気で思ってます?この展開で国王に認められて、「娘と結婚とかどうよ?」みたいにいう国王がいたら人間として狂ってますよ。この際、立場を魔王系主人公ということにして王族全てを処刑とかぐらいしか対処方法がないと思いますね。魔王系にしてもシンボルをもがないと思いますけど。品性の欠片もない、威厳もない魔王になってしまいますよ。』
ですよね。親が子供に言うことを聞かせようと「全く言うことを聞かないんだから、あんた達そんなことしてたら、魔王にもがれるわよ。」とか言われたら勇者がいなくても消滅したくなるな。なぜ、もいでいくのか。魔王の好物だからとかっていう設定だったら消滅じゃ済まないわ。魔王路線は詰んだな。強者ルートしか残ってないか。そういえば司会はちがうよな?
「念のために確認しておくけど、あんたは王族でも貴族でもないだろうな?」
「こんな決闘の見届け人を任されている人物がそんなたいそうな生まれなはずないだろう?」
「念のための確認だよ。高貴なお身分とやらじゃなければ何でもいい。罪人だったとしても笑って信じられるし、許せるだろうさ。参考程度に聞いておくけどこれから俺はどうなると思う?」
「国王やそれに準ずる立場のお方には会うことになると思うぞ。なにしろ王族の嫌われ者のオリバー侯がああいう状態だしな。」
「やっぱり嫌われてるのね。にしても、こういう形で王家と関わり合いになりたくないんだけどね。」
「嫌われているからこそ、嫌われている王族の代表という立場にオリバー侯は君臨されているからな。だからこそお会いになろうとするだろう。嫌われ者の王様を処理した英雄殿にな。」
「一言で表すと最悪だな。」
「でも殺す気はないのでしょう?降伏勧告など決闘で用いた人物は私の記憶にはありませんよ。」
「気分悪いだろ。多分な。」
司会進行役が首を傾げて不思議がっている。その仕草をして許されるのは可愛い女の子だけだ。女の子というのがポイントで女は駄目だ。女の子でなければ許されん。俺の脳内法廷では有罪判決が出るぞ。あとズボンを履け。司会が視界に入らないようにオリバーちゃんに目を向けると、なんと立ち上がっていた。オリバーちゃんへ回復魔法を使っていた女性兵士はまだ転がっている同僚を治しているようだ。回復待ちの男性棋士の中には新たなステージへと到達した者、現実逃避して笑顔で鼻歌を歌っている者、目をつぶって赤子のように指をしゃぶっている者など多種多様の生態系を確立しつつあった。オリバーちゃんは支え無しの状態で一人立ち上がっているんだからかなり気合い入ってるな。でも、目の焦点が合っていなくて視線を追うと俺の三十センチくらい上を見ているし、口から涎が出ているし、涙と鼻水で接近の危険性が非常に高い顔面をして、とどめに両手で股間を押さえながら内股でプルプルしてる。アーカイブによくある<野生動物の生命誕生の瞬間>とかってタイトルでありそうなくらいプルプルしてる。必死さが伝わってくると応援したくなるけどそれは野生動物の場合でオリバーちゃんではない、オリバーちゃんの可愛さというステータスはおそらくマイナス値だろう。ステータスにそういう項目があったらだが。
「俺に敵対する者全てに呼びかける。投降しろ。神殿であれば欠損部位の治療も可能だろう。投降する者はこの闘技場の外縁部に移動しろ。」
闘技場にいる全ての者に聞こえるように投降を呼びかける。闘技場は広すぎるので戦闘を挑んだ者であれば聞こえる範囲が精一杯だった。女性兵士がそれぞれ複数の投降の意思を示した男性兵士を引きずりながら闘技場の隅に移動していく。男性の兵士も匍匐前進で移動していく者が多数見受けられた。見物していた観衆も勝敗が決したことにより賭に勝った者、負けた者の差がはっきりしていく。さすがにオリバーちゃんもこのまま続行というわけにもいかないようで部下?に引きずられならがも移動していった。それを見届けた露出したままの司会が勝敗を宣言し締めくくる。
この日は歴史上に残る日となった。
聖域を中心に周囲に展開する形で存在している五大国家。その中で最大の国土を有し、今回の決闘騒ぎがあったハイヤード王国に在中している各国の特使からの報告がそれぞれの国に届けられ一時期<ハイヤードのオリバー侯>というものは愚か者の代名詞になったり笑いの種として用いられるようになる。王族の無様、痴態というものは笑いの種だけではなく国家間の交渉材料にもなる。ハイヤードと隣接する二カ国はハイヤードに国境線の見直しを求める。理由はどうであれ笑われるような国、これが意味するのは国王は自分の息子ですら管理できていない、それを理由に国土を広く持つべきではないとのようにでも理由をつけられるからだ。難癖であることは誰から見ても明らかであるが。隣接しない残りの二カ国も国境の見直しを止めることを名目に利益を得ようと寄ってくる。他国よりも少しでも多くの国土を、強固な国力、絶対的な戦力を保持したいというのは権力者にとっては当たり前のことである。
獲物はハイヤード、狩人は他の四カ国。誰にでも分かる勢力図であり事前に四カ国による事前の打ち合わせは済んでいるんだろうと、どの国の民も思っていた。ハイヤードが抵抗するには今回の問題の冒険者を使うことになると誰もが思った。汚点をなかったことにするにはそれに対抗できるものが必要となる。五百人に打ち勝てる冒険者という駒を保持していることで牽制するだろうと四カ国の首脳陣も思った。しかしながら上位の冒険者ではその程度の戦力は普通に所持しているものだ。この世界での戦力は数より質とされているし。絶対的な力を持つ強者の前では数は戦力として認識すらされない。ハイヤードは国境の見直しと輸出、輸入品の価格の見直しなどを不利な形で押しつけられることになると皆思った。故郷を捨てる決意をして他国に移住を決めた者も少ないがいた。しかしここまでなら歴史には残らない。残っても<馬鹿な国>と。たった一文、一行にも満たない程度の歴史。しかしながら専門書が出るほどの歴史が刻まれることになる。
今後の歴史に多大な影響を与える人物の歴史がこの日刻まれた。




