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牛と歩む開拓史  作者: ぴえ
学生生活
12/13

関係者以外との行動は縛りが多い

パソコンがお亡くなりになりEvernoteもパスが分からなくなるアクシデントに襲われましたが復帰?

「一般的な観点からみると俺たちは孤立しているか。」

「第3者から見たらそう見えるかもしれません。」


 この学校は制度的に地球での大学に近く、朝から晩まで授業が展開されている。1年間で取得可能な単位数は上限が決められておらず、研究だけをしたい学生は1年生の時点で卒業単位をかき集める事も可能である。卒業や進級には単位取得による学生自身のカリキュラム作成が必須になる以上クラスメイトというものが存在しない。友人同士や人脈を増やしておきたい学生、同系統の将来設計を持っている学生同士が独自にサークルを作って活動するくらいしか学生同士のつながりはないのだが、10代の学生は能力はさておき活力だけはあるようで日々青春を謳歌しようとしているようだ。年齢による偏見があったが現在俺は学生生活を楽しんでいるし、以外に知らない事もあったので助かっている。ティアラも最近では<お約束の展開><王道シナリオ>などに固執する事なく学生生活に完全に適応できているように思える。


 食堂で飯を食べる際にも見知った顔が増えたし、頻度は低いが一緒に食べる事もある。授業が同じであれば内容について確認し合ったりと学生っぽい事をしている。男子との距離は遠くなったような気がするが。俺とティアラについては入学式のティアラ全校男子生徒を袖にするというイベントにおいてティアラの知名度は爆発的に上がり、付属物として俺も多少知名度が上がった。


 節操なしの男に見切りをつけた在校生の女が男との間に派閥を作る結果になったが俺の知るところではない。俺自身はオリバーの時と同じく決闘騒ぎも覚悟したがティアラの言動によって心を折られたためそんな事を言うやつもいなかった。俺が困ったとこといえば男と女の溝ははてしなく深くなったが俺のポジションは微妙になったということに尽きる。女サイドからだと敵対する必要のない唯一の男として認識され、男サイドからは敵対関係か俺を通して以前と同じような関係に戻りたいという感じだろうか。俺は男の敵であり救世主として、ティアラは女性のシンボルとして学生に認識された。


 パーティーも男所帯と女所帯になってしまって、一時期校内にある事務のカウンターはパーティーの解散と結成の申請で職員が寝言でも対応をしているようなノイローゼ患者を増やした。辞職した職員がいなかったのは待遇が一般職よりも良かったからという理由だけだろう。あと強いて問題とするならこちらの常識で言うなら、この学校に通っている年齢は結婚適齢期に該当するので旦那探し、嫁や妾探しの場であったはずだが敵対関係にある以上不可能なわけで少子化が懸念される。


「神様的には問題あるんだろうけど、減ったら増やせば良いしな。」

「絶滅するほど愚かでは無いと思いたいですね。」

「じゃあ新種でも狩りに行こうか?」


 なんだかんだ言っても仕方ない。「神の力を思い知れ」というほど目立ちたい訳でもない。


 早朝学校へ登校する前に自宅にマリーからの手紙が投函されていた。


<そろそろモンスターの作成と調整が一段落しましたのでリブートします。詳細はお楽しみ要素ということで伏せますが私たちの自信作です。マリーより。>


 現在のモンスターの母であり支配者からの一方的な連絡事項だった。


「受け取ったはいいが、どうしたらいいのかな?」

「手紙の通りに楽しみにしておけばいいと思いますよ。あと、のんびりしていると遅刻します。」

「進級するのに必要な単位は確保してあるだろ。」

「卒業も可能ですが学校の制度で言うと4年間通わなくてはなりませんけどね。」

「そのへんも融通してくれてもいいと思うんだけどな。」

「貴族とか尊い血筋とか言っている人達は基本敵に保守的ですから、たまにどうしようもない馬鹿をしますけどね。」


 そんな単純な理由で頭の隅に追いやられてしまう報告だったが、俺たちが神域から出て1年でモンスターの配合と配置に調整を済ませるのは優秀なんだろうな。しかし人を導くはずが紆余曲折あったにしろ人を狩る立場になって本領発揮とか巫女って不思議な生き物なんだな。それに新作の出現場所の地図もくれたのだからきちんとしているのは間違いではなんだが。


「そういえばアーサー達は入学したのか?見てなかったけど。」

「入学式にはいましたよ。かつての勇者パーティー(笑)の半分が学生生活を送るそうです。残りはショーンさんの工房で実地研修ですね。」

「アーサーは馬鹿だからな~」


 マリーの覚醒についてはどうにも出来ないので、アーサーの話に変えようと思った。かつての勇者は名前が長いだけではなく脳が壊死しそうなくらい馬鹿だった。特に算数(数学までは達していない)と国語が酷い。算数は単純に戦力差についての理解がない。自分たちの戦力よりも100倍の戦力と戦いますと言われても平然としているくらいだった。アーサー達は決まって「勇気があれば」「そんなものは気合いで」「勝利するのは我々以外あり得ない」とか馬鹿を言っている。さらに国語というか会話が成り立たないというのも問題だった。魔王に自分たちの名前を呼ばせようとしていたのは話を聞いた時には目の前が暗くなった。さらにカンペも渡したという事なのだから国語というか常識が無いのだろう。本当にそう言っていた勇者達を可哀想に思った魔王(魔神の奥さん)にフルボッコにされて配下に加えられた訳なんだが、勇者って・・・、人類の希望とまで言われていたのは算数と実りのある会話が出来ない集団でした。そんな訳でまともな計算と言語力を身につけて貰う為に勇者達には入学を強制した訳だが、半分が逃げたらしい。逃げたとしてもショーンにこっぴどく説教される運命にあるのだが学校に通った方が結果的には救われたと思うのは俺の気の使いすぎだな。


 さて、じゃあ新作のモンスターでも見に行こうか。ということになり面白そうなのでパーティーを募る事にした。俺たちはパーティーをたまにだが募って行動する。基本的には半ば諦めが付いたフラグが立つかの実験と反応を見て楽しむ為だ。今回はとくに後者の意味合いが強いのだが、俺たちがパーティーを募集すると人が殺到するのはかつての男女関係に戻りたいという強制力にも似た世界の反動のせいだろうか?ちなみに俺はそんな強制力や反動を設定した覚えはない。なお、募集すると上級学年が殺到するのはきっと婚期が危うい人達という認識が学内に存在しているのだが俺達からしたら年上とフラグ?馬鹿じゃないの?という感覚なので同学年しか募集していない。


 今回のパーティーは俺とティアラを除いて8人で構成される。男女比は4対4だ。男女のパーティーを1つずつ取り込んだ形になる。男性は俺もティアラも興味が無いので目もやっていないが、女性はなかなか奇麗所が集まっているように思える。パーティーの内訳も戦士2人に、魔法使いと弓兵という理想的な組み合わせだった。しかし贔屓目で見なくても外見はティアラ以下なのだからフラグが立っても俺がそっち方面に行動するのは難しいのだが、ティアラはなかなか分かってくれない。


 必要になりそうな食料と道具を学内で多めに買い揃えて荷物を背負って今回の目的地である盆地の中にある森に行く事になった。予定では徒歩で2日の位置にあるので、世通り歩き続けるか、野営しなくてはいけないので荷物の重量はかなりものものになっている。だからこそなんだろうが、「荷物持とうか?」「俺××家の長男なんだ、軍属の家系だから力だけは自信があるよ」なんて会話を男パーティーから女パーティーにふっかけている次点で、「男性諸君、このパーティで君たちの役目はモンスターに特攻する以外に選択肢がなくなってしまったんだよ」という俺の心の声に気が付いて貰いたい。俺やティアラはフラグを立てていないのにも関わらず、こいつらは死亡フラグだけは立派に立ててやがる。


 夕日が差し込みほんのりと暗くなってきたところで今日の野営地を適当に決めて各パーティーごとにテントを張る事になった。俺達のテントを立てている際に、男性陣が涙を流しながら俺を睨んでいた事や女性陣がキャッキャッと言っていた事はまあ良いのだが、男パーティーの4人が女パーティーの近くにテントを立てようとしていた事が発覚しトラブルへと発展、男パーティーのテントは俺達から50メートル近く離れた場所に設営する事が女パーティーの意見により決定した。俺達と女パーティーのテントは5メートルも離れていないのだが、不憫な奴らだなこの学校の男は。


 翌日、朝食を適当にとって野営地を撤収した。予定の盆地を形成する山の頂点に登り切って昼前なので予定よりも少し早いのだろうか。男性陣が荷物持ちでへたっているのを無視するのであれば問題は今のところ起きていない。見下ろす盆地の中の深い森にはぱっと見だけでモンスターがいるのが分かるがこちらに気が付いている気配はない。舞台は整ったという感じだろうか?


「じゃあ、陣形でも決めようか?」

「では集めてきますね。」


 俺とティアラの呼びかけで男女パーティーのリーダーの一人ずつを集めて陣形を決める事になったが、当然のように前衛は男パーティーで確定した。俺とティアラは遊撃で女性陣は後衛を担当する事になる。男パーティーは魔法使いが中心なんだが前衛で良いのだろうかと目配せすると胸を張っている男パーティーのリーダーがいた。きっとこのやり取りがこいつとの最後になるんだろうなとこいつ以外は思ったに違いない。


 やはり定番は外さないというか、盆地に降り立ち森に足を踏み入れた段階でゴブリンが出た。小さいモンスターのパーティーである為前衛が何とか食い止めているがこれ以上は無理だろうな。しかしリニューアルされた感じが一切しない。ただのゴブリンだろう。マリーは新種を追加しただけなんだろうか?後衛が戦力を温存しながら俺も適当にモンスターを狩っているのだが変化が見られない。武器や体格、攻撃方針も以前のままという印象を受ける。


 前衛の1人が横からの伏兵の強襲により倒されても期待していた変化が訪れない。念のために後衛を下がらせる指示を飛ばしてみるが本当に念のためにしかならないだろう。


「なんか変わったか?」

「見て取れるような変化ではないのではないのかも知れません。」

「新種じゃないとか?」

「マリーの凝り方的にその可能性は低いかと思います。」

「トリガーが引かれていないって事なんだろうな。」

「でしょうね。しかしながらトリガーが分かりません。」


 そんな会話の最中も後衛職で構成されている前衛はやられ続け残り一人になっていた。前衛の中で唯一の前衛職なのだから当然だろうがなかなか粘っている。


 変化というものはは唐突に起こりその唐突に起こる変化に追いつけないのが人間という生物なんだろう。ゴブリンは基本戦術としてこちら側の武器を使用している。要は鹵獲した武器を流用する事により戦力の向上を試みている訳だ。ゴブリンもモンスターなのだから食料は必要になる。しかしながら人間が近くにいた場合人間を食料にする。これはモンスター特有の習性だろうから特筆するような変な事ではない。3人が撃破されたのだから食料は3体分の人体となるのだがそれをゴブリンが食らいついてから変化が起こった。


「女の子と仲良くなりたい。」

「ネルと男女関係になりたい。」

「男女で敵対するなんて原因になったあいつら絶対に殺してやる。」

「一太郎絶対に許さない。」

「ティアラちゃんにさげすまれたい~」


 ゴブリンからそんな声が聞こえてきたのだから驚くなというのは厳しい。ネルという名前なんだろうか、女性陣の中の一人が引きつったような悲鳴を上げる。ゴブリンに求愛されたらそりゃ困るわ。さらに後ずさった後衛にゴブリンは愛?を囁きながら魔法を放ってきた。初級の卑属製の魔法なのだがゴブリンが使うはずのない魔法を使ってきているのだから盾で防いだ後衛の混乱はするだろうな。


「これが変化というやつか?」

「塗色した人物の性格と特性を吸収する事が出来るようになったという事なんでしょうね。短期間では脅威になりませんが長期にわたると雑魚でも脅威になる可能性が高いです。魔法を使ったという事からある程度の思考も取り込まれたと見た方が良いでしょうね。」

「マリーを誉めてやりたいところだな。底辺からのバージョンアップは確かに面白い。あの3人には不運だが、違うな。あの4人だな。」


 会話の最中に最後の前衛が燃やされて前衛は全滅。遊撃として動いていたが陣形的に中衛に位置するので次は俺達の番となる訳だ。後衛が俺達に向かって走ってくるのを見ながら全滅した前衛に対して冥福を祈ることにしよう。

ポイントが付いている事に気が付いたのが今日とかどうなんでしょうか?

しかしながら嬉しい事です。

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