改変2度目の新世界
語り部を増やしました。
初めまして少佐と申します。2回目の世界への改変作業後に巫女のマリーさんの希望によって作られたログ用の機能です。マリーさんとニーナさんは巫女の筆頭となりました。マリーさんはモンスターの生成と神域の管理を任されています。ニーナさんは世界での異変や勢力の調整作業用の情報収集担当というところでしょうか。
両名とも多くの部下とともに毎日パソコンの前で作業していらっしゃいます。常識的な私の判断としましてはパソコンでモンスターの改良や新種の構築が出来るのは未だに理解できていません。一太郎さんがそうなるようにしたので気にするなとおっしゃっていましたので気にしない方が良いのでしょう。
補足しますと、以前の管理役であるセバスチャンさんとゲーテさんは一太郎さんに功績を認められ、自由に好きなことをして良いということになりまして温泉旅行に行きました。
マリーさんは当初一太郎さんの報告資料を読んでいたのですが基本的に数字が漢数字で読みにくい点と、基本的に一太郎さん自身の一人称の文面で分かりにくいといことで私の作成を希望したそうです。名前については基本コンセプトを考えた中尉陛下という人物が名前を付けたのですが、あちらの世界ではゲームをベースにした世界でシステム的に何文字まで認識されるのかという謎を探求しまして、英数合せて65,535文字という結果を出した後決定ボタンを押して私の名前が65,535文字の名前が付けられました。それを知った神域在住の皆様の怒りを買いまして陛下の名前が以後変更不可能という仕様に変えた後、私と陛下の名前を入れ替えるということになり陛下自身の名称が65,535文字の名前となったようです。以前は月に1回作業すれば能力的に問題ない人だったようですが、陛下という身分上、書類仕事でサインをしなくて済むわけがないのでサインするときの自分の名前の長さと記入ミスに日々悩んでいらっしゃるようです。後悔は文字の通り後で悔やむということを証明したいい例となります。なお、中尉ではなく少尉なのは名前を付けて気分を良くした中尉が自分ルールによって昇進したためです。
2回目の世界改変の詳細触れますと以下のように仕様が変更されました。かなり細かく決めているので反感が出るのが普通なのですが、神様からのお告げはこの世界では絶対となっているので問題ありません。
<地理>
・陸地は中心に1つ、周囲に最低7つの大陸で形成されその他は海となる。
・大陸の広さは地球の表面積と同等。
・中心の大陸は神域としてその周囲に7つの大陸を均等距離で配置。
・1つの国家は1つの大陸を治める。大陸名は国家名と同じ。
・国家同士の戦争は認められ、攻め落とした場合はその国家が納める大陸を吸収して領土が大きくなる。
・攻め落とされた場合は新たに大陸が生まれ、1つと7つのバランスは維持される。
・国家単位個人単位で開拓できる部分は大陸の最大60%と固定される。最低40%は森林地帯となる。
<モンスターや生物>
・攻撃対象は人間に限られ、人間を襲う際に必要であれば城壁なども攻撃対象となる。
・野生動物、家畜などには一切危害を加えない。怪我をした野生動物などに対しては必要であれば手助けをすることもある。逆も場合も有り得る。
・魔力や瘴気などの現実に干渉可能な力によって生まれる。
・生まれるところは原則として森林か、ダンジョンとなる。
・脳と心臓にはモンスターを構築する核となるコアユニットが存在する。
・死亡した場合はコアユニットとそのモンスターに由来する部位がランダムで残される。
・残留するものは錬金術で加工せずにそのままでは原則的に人間は摂取できない。
<コアユニット>
・コアユニットには魔力を保存する機能がある。保存した魔力は本人以外引き出すことが出来ない。
・コアユニットに保存する魔力の上限を超えるとコアユニットは爆発する。
・コアユニットに保存した魔力は一切減衰しない。
・コアユニットは砕いて粉末状にするとポーションなどの材料にすることが出来る。
・コアユニットに魔力を保存すると保存した魔力量以上でなければ破壊できない。
・魔力を保存した本人によって形状を変化した場合はコアユニットの機能は維持される。
・食用としての利用は出来ない
<国家>
・王を中心とした封建制度で国を維持構築する必要がある。
・王は基本的に王都を建造し周辺に街や村などの集落を形成しなければならない。
・国土の管理は領地制で領主は王の傍系や貴族・騎士とする。
・王都を含む領土には領主直轄の首都を配置しなければならない。
・領地には最低1つ神殿と各種ギルドを配置しなければならない。
・ギルドは最低でも冒険者・魔術・商業・錬金術・鍛冶の5つのギルドとする。
・各ギルドは協力して各領地に1つ以上育成機関を設けなければならない。
・通常の貴族と騎士は上級・中級・下級の3種類で構成される。
・王・神殿・ギルドは独立して協力体制を取る。
・国王は国民、領主は領民を守る義務と税を徴収する権利を有する。
・税の使用については領主は領民に詳細を公開しなければならない。
<人間・社会制度>
・人間種の各種族は便宜上人間と分類し種族による差別は行われない。
・人間の原則としてステータスの種族が人間と表示されていることとする。
・寿命は300年前後で20歳で成長が止まり240歳から老化が始まる。成人は15歳とされる。
・子孫は男女間の性行為によってのみ残される。
・全ての国家の通貨はプラチナ硬貨・ゴールド硬貨・シルバー硬貨・ブロンズ硬貨で統一され各種1000刻みで単位が上がる。
・奴隷制度は禁止とされている。
<ステータス>
・レベルの上限は無し。スキルレベルは各種200とする。
・項目は、名前・職種レベル・大種族・小種族・筋力・耐久力・俊敏力・知力・判断力・スキル一覧の11項目。
・ステータス表示で第3者が見れるのは名前・職種レベル・大種族・小種族の4項目。
・職種は3種類まで兼任できる。変更する際は神殿に行き申請する必要がある。
・レベルは20歳までは最低でも年に1上がる。
このように事細かにルールが先日の会議で決まったとのことです。私が作られたのが会議後なので書記役の巫女が残した議事録から得た情報です。他にもあるのですが今現在まで話が進みませんのでこの辺で回想を終えさせて頂きます。
では、2度目の改変後から私の補足を交えて5年ほど経過した現在へ話を進めます。
まず、一太郎とティアラがヤード大陸にある王都に行き王城に無断で侵入、就寝中の国王ノキオ1世にアイアンクローをしながらお願いをしたところ、モンスターの出現数が多い領地の学校への入学許可をあっさりと許可したところから学校生活への準備が始まります。そのときのノキオ1世の表情はモザイクを入れてマリーさんに報告しなければならないほど穴という穴から体液を垂れ流していました。紹介されたバイアント領に行き、ノキオ1世から渡された紹介状をもって領主の館へ、同じく就寝中の中級貴族に当たる領主のバイアント氏の口を押さえて発言を一切許さない状況でお願いしたところ学校にほど近い現在空き家となっている一戸建ての比較的大きい住宅(屋敷)の無期限の使用許可を頂いてからの入学となりました。
人脈的なコネがあるのであればフル活用するという方針に切り替えた両名はその辺については自重する気配を一切見せないようです。基本的に学校生活を体験していないスローライフ思考の一太郎がここまで学校という場所にこだわりを見せるということは地球がこの世界と合併してから初めてのことだったそうです。
この複数のギルドが運営する育成学校ですが、新入生の数は平均で2,000人、領地と領民が平均より多いバイアント氏の領地では4,000人規模の育成学校となります。学生は冒険者希望の平民の子供から次男以降の家督を継ぐ可能性の低い貴族の子供までバリエーションは豊かになっています。着ている服は入学式直後は見栄えのいい服装が目立ちましたが、所詮は勉学の場ということもあり1ヶ月後には普段着、1年以上経過すると部屋着の者まで出る始末となっています。これには希望者が入ることが出来る学生寮がかなり影響を与えていると思われます。学生中は身分に縛られないというよりも、身分を笠に着て好き勝手すると周囲からの目が厳しくなりハブにされることがあるようで、問題を起こした上級貴族の嫡子が自主退学した後は話し方からあまり気にされなくなったようです。平民の子供ですら卒業できる学校を退学という社会的ステータスは決して誉められるようなものでは無いということでしょう。
現在、一太郎とティアラは育成学校の新年度を迎えちょうど2年生となりました。1年時には座学が中心となりその合間に基礎体力の向上目的の運動が入る程度のカリキュラムで構成されており、2年の半ばまでは国と領主から補助金が出て学費は無料となります。2年後半からは実地に出て費用を一定額学校に納めなければならない制度となっています。実際のところ、1年目の費用は学校に修める分で回収できる仕組みになっています。2年からは費用を稼ぐために街に出て商売をするのであれば商業ギルドの講師が開講する講義を取るという自分の選びたいコースを選べるカリキュラムが採用されています。コースは途中で変えても問題はありません。一太郎とティアラは冒険者育成コースを選択しています。冒険者育成コースの希望者は学年で8割近い人数になるので大抵は冒険者育成コースを選択します。腕一本、剣一本で一攫千金を狙える冒険者という職業はやはり人気があります。まぁ、剣術を学んで騎士になりたいという学生も選ぶコースは冒険者育成コースになるのでやはり希望者は多くなります。一太郎の場合はマリーさんが手を加えた新種のモンスターとの邂逅を望んでいる節がかなりありますが。
育成学校に通う学生で冒険者コースとなると近隣のモンスター出現地域へ足を運びモンスターのコアユニットを回収、冒険者ギルドへ売りに行くというのが基本の流れです。コアユニットの出現により体力回復用のポーションが開発され平均活動時間と戦闘時間が延び、それに伴い回収するコアユニットの数も比例して多くなるという連鎖がおこり、体力回復用のポーションも手が届く価格まで安くなりました。このポーションは人間以外の生物にも転用可能で、長距離移動の馬車を引く馬にも使えることから商人やドーピングして農作業をしたい農家の方まで愛用者が増加傾向となっております。最低品質のコアユニットだったとしても、どれだけあっても需要に供給が追いつかない状態が数年続いていますので、そんな背景も後押しする材料となり冒険者はとても人気の職業となっています。商人・錬金術・魔術コースに行く学生も在学中に優秀な冒険者に育つ見込みのあるコアユニット回収の上手な学生を探している当たり、コアユニット景気が今後も継続していくと皆思っているようです。一言で言うなら特需というやつです。
「オヤジ、チクワとハンペンそれに大根と卵2つに精米酒」
「わたしはコンニャクとガンモに果実酒」
「あいよ、っていうかお前さんたち金あんのか?」
シルバーコインを卓の上に1回で摑めるだけ出して放置する一太郎がそこにいました。オヤジ呼ばわりされていた店長の動きがそのコインを見た後に急激に加速したのは当然です。100円が1ブロンズに該当すると1シルバーで100,000円となります。そのシルバーコインが20枚近く置かれたわけですから乗客としてみられるのは当然でしょう。通貨の変更は一太郎の独断で行われました。理由は円だとファンタジー的な感じがしないということです。この数年陛下によって知識をたたき込まれたことが影響していることは否定できないでしょう。
見た目が15歳に酒の販売をしてしまうのは、こちらの世界ではお酒の解禁が12歳からです。成人=飲酒解禁ではありませんよ。
「兄ちゃんたちは2年になったばかりか?」
「わかんの?」
「開校してから結構経つからな。補助金で外食は気分的に悪いから、自分で稼げるようになるとみんな揃って外食しようとするんだわ。」
「気持ちは理解できないわけじゃないけどな。実際あんまり変わらないだろ。」
「つうか兄ちゃんは口が悪いな、それに笑った顔が悪い顔みたいだぞ。顔の作りは平凡なのにそんなとこで個性出さなくても良いだろうが。そんなんで集団行動とか大丈夫なのか?」
「大丈夫だったら2人じゃなくてもっと大勢で押しかけてるって。」
実際には一太郎の顔は平凡でした。身体はスローライフの賜物かかなり引き締まった肉体をしているのですが見る機会があるのはティアラくらいでしょう。特徴があるとすれば笑った顔が悪いことを考えているように見えることと、ここ数年で目つきが悪くなったところくらいです。集団行動に縁が無いのはいつも一太郎はティアラと行動を共にしていて、ティアラに気がある奴が帰宅する2人をストーキングしたところ同じ家で暮していることが判明。15歳で同棲しているということにより距離を置かれているに過ぎない。
「あれだろ、冒険者ルートをやるなら2年からはパーティー組んで森林探索って事になるだろ?2人だけじゃ辛いんじゃないのか?」
「問題あると思うか?」
「問題はありませんね。同行者が増えると足を引っ張られることにしかなりませんし。」
「2年の始めの時期でこれだけ言えればたいしたもんだ。」
「正確に言うと明日からだけどな。なんで新入生の入学式の準備は上級生がやらないと駄目なんだろうな?」
「そうですね、職員の方の仕事だと思いますしその手の作業は給料の内でしょうに。」
「お前さんがたにはわからんだろうが大人の事情って奴だなそりゃ。」
そんなやりとりをしながらおでんの屋台で夕飯を済ませ借りている屋敷へ帰っていく2人でした。




